我が家では食事が終わった後 たいがい 『お茶』 をする


うちで『お茶』というのは日本茶をいれてちょっと『甘い物』を摘みながら

「デスパレートな妻たち」を見ることを言う

私達の至福の時間だ



海外生活者にとって日本茶と海苔は一番の貴重品

・・・と思うのは私だけだろうか?


うちではその日本茶と海苔の消費が半端ない

海苔はよく海苔巻きを作るからで

家で食べたり学校に持って行ったり友人に作ったり

とにかく大活躍だ



日本茶は 一日に何度も『お茶』する事と

それ以外にも私達親子が何杯もガブガブ飲むから


次女ぼたんは 『日本茶は日本人にいれさせろ』

という自論を持っている


ぼたんが自分でお茶をいれるとまずいんだそうだ

確かに以前何度か彼女がいれてくれた日本茶はまずかったと記憶している


原因は何かと思って彼女がまずい日本茶を入れてくれた後

キッチンに行って急須のチェックをしたところ

耳かき5杯分くらいの茶葉が急須の底にへばり付いていた

まずいわけだ


これも日ごろから私が『お茶命!』と連呼してるからで

怖くて沢山の茶葉を使えないんだそうだ


そんなで一日に何回も『日本茶いれて!』 とぼたんに頼まれ

私がいれるはめになる


母の逆鱗に触れないようにと怯えてないで

早く適切な量を覚えてもらいたいものだ



それにしても娘達が毎日楽しみにしてる『お茶』の時間

『甘い物』を選ぶにも力が入る


きょうはお昼の『お茶』にはDampfnudelnといって

ドイツでは肉まんあんまんの外側だけのお饅頭が売っている

それを蒸かしてバニラソースを付けて食べた


夜の『お茶』の時は我が家のパテシエぼたんがクッキーを焼いてくれた


何かだんだん大掛かりになって来てる気がする


喜んでやってるんだから ま、いいか



明日は何を作ってくれるだろう・・・・・?


楽しみだ












先月のとある土曜日のこと

外から帰ってくるとアパートの入り口の横にあるゴミ置き場に

上に住む馴染みのおばあちゃんが居た


『地下洗濯場罵倒事件』以来 会えば挨拶する仲だが

今日も元気に挨拶をしてアパートの正面ドアを開けようとした時

そのおばあちゃんが 「カギが無いっ」と言い出した


「今まで持ってたのに無くなった」と言う


すわっ という事でゴミ置き場周辺をいっしょに探し始める

道路の上や植え込みの中、最後には大きなゴミ容器の中を覗き込む


そして、ありました ゴミ容器の一番底に

2人でゴミ容器を傾けながらやっと取り出しに成功する


良かった、良かった

という事で玄関を入ろうとすると おばあちゃんのおしゃべりが止まらない


さっきゴミ置き場の周辺をくまなく見た時に

ゴミの袋がいくつかゴミ容器の外に置いてあった



この辺のゴミの収集は月曜と木曜なので

その後早めに入れないと一杯で入りきれなくなってしまう


その為 ゴミをゴミ置き場まで持ってきても一杯で入れられない時がある

私なんかは仕方なくまた自分の部屋に持って帰るが

たまにそれが面倒な住民はゴミ袋をゴミ容器の外に置いていってしまう

それが後で中身が染み出したり大変な様相を呈する時がある


確かに良くないのだ、ネズミが来たりするし


私も以前ゴミを捨てようと思ったら

その日も不法投棄のゴミ袋があって

その上で何やら物色していた雨にぬれて髪をリーゼントにした

巨大なネズミと目が合ってしまい

危うく腰を抜かしそうになったのだ




「見てみて これを」 おばあちゃんがゴミ袋に指を指す

自分だったらゴミ袋を地下にある自分の物置に次の収集日まで置きに行くのに

それをしない人達がいるんだ  と言う


「でもね、私は知ってるの 誰がこれをやってるのか」 とおばあちゃん

「上に住んでるトルコ人のファミリーなの」

妙に大きな声できっぱりと断言する


へ~そうだったんだ  相変わらずご活躍ですね!
 

それにしても どうやって犯人見つけたんだろう?

ゴミ置き場の横の茂みで張り込みでもしたか?




「それで20回文句を言いに行ったけど それでも止めないのよ」



え?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20回?!



7年前のあの夜

はじめて怒鳴り込んできた時のこのおばあちゃんの姿が脳裏に蘇る

鬼のような形相で仁王立ちしていた姿が・・・



それを20回も・・・・・・・



おばあちゃんは今も変わらずバリバリ元気なんだね

あぁ 良かった

なぜだかホッとする私



それにしても20回 あれやられて

それでも相変わらず続けているトルコ人ファミリーって


ある意味すごい・・・・








今 うちの娘達はミュンヘンに行っている

今週末 2泊3日で彼女達が時々行っている教会の集まりがあって

仲良しの友達に会いに行ったのだ



1年近く前に予約できていれば

飛行機で59ユーロで飛べた

でも今回は数週間前に急に決めたので

170ユーロになっているので それは高すぎてダメだという


れんげ15歳、ぼたん13歳

私がいっしょに行かない旅行の時は全て自分達で手配する

私がお金を出すことも無い


色々探して見つけてきたのは

日本にもあるかどうかわからないけど

HPで車の同乗者を募っていっしょに目的地に行く という方法


詳しくいうと 仕事とか何かの用事でどこかの目的地(たぶんドイツ国内)に

行く人が同じ目的地に行きたい人がいたら

リーズナブルな料金で乗せてってあげますよ ってこと


他人を同乗させても苦にならない人だったら

どうせ行く所だし ついでにお金も入るし良いアイデアだと思う


乗せてもらいたい人も電車や飛行機は高いし

出発の場所、時間、料金が折り合えば大助かりだというわけだ

長女の友人達も結構利用しているらしい


ちなみに人見知りの私は車中の時間が拷問となること間違いなし

死んでも利用しないシステムだけど

うちの娘達はへっちゃらだ

逆にお友達になってしまうかもしれない



そのHPで同乗者募集の人達は自分の携帯番号も公表してる

個人的に問い合わせて話をまとめていくのだ


娘達はこの街からミュンヘンに行く時間帯もぴったりの人を探してきた

それで私に報告する

私は別にOKだ


その後父親に報告する

するとそれを聞いて父親激昂!

子供2人しかも女の子だけで何かあったらどうするかっ と言う


父親にダメ出しされ 娘達は対策を考える


そして同じ教会に通っていてミュンヘンに独自に行こうとしていた

18歳の男の子を探し出してきた


女子だけじゃなければ父親も文句はあるまい というわけだ


父親に再度報告

すると今度は交通事故にあったらどうする? 

運転手が突然途中で行くのを止めたらどうする?

などと 言い出した


とどのつまり この方法では行かせたくないのだ


娘達と父親の大喧嘩が始まる


どうしても行きたい娘達


お金を無制限に使っていいならいくらでも方法はある

飛行機で行くとか 電車でもいける  

高速の電車に乗れば5時間半で1人275ユーロ


でも 娘達にこんなお金の余裕はない


いったいどうしたらいいのか ぎゃんぎゃんやっている3人


そうだ 鈍行の電車なら1人48ユーロでいけるのだ 

11時間かかるけど それに7回乗り換えるけど



前に11時間も電車に乗るのは絶対イヤだと言っていた

でもこの際 しょうがないよね


「11時間かけても行く価値があると思ったらそれで行けばいいんじゃない?」 

私が聞く


私はいいと思うけどね

男の子と娘の3人でお弁当やお菓子持ってそれもいい経験

楽しいと思うよ



結局最後にはこの鈍行11時間ミュンヘン行きに話が決まる

そこまでしても行きたいのだ

やれやれだね



昨日は大量のパンを買ってきてサンドウィッチを作り

おにぎりを持って大騒ぎで出掛けていった

とっても楽しそうだ


そして昨日の夜11時過ぎにミュンヘン中央駅に着いたと電話があった

友達と会える興奮のせいか あんまり疲れてる様子はない


土曜日1日ゆっくり遊んで日曜日の昼前にはまた電車に乗る


11時間かけて行って1日遊び また11時間かかって戻ってくる



すごいよね


でもきっとこれ すごくいい想い出になるはずだ


そして自信にね!
















1月のとある平日の日

この街に3度目の雪が降った日に

私達親子は3人揃って街のショッピングエリアに買い物に出掛けた



家を出てバス停の方に歩いて行くと遠目に

以前このブログでも書いた事のある親子が見えた

あの元気あり余るお兄ちゃんとお母さんだ


何だかあの男の子が走り回っている

さらに近づいてみると

どうやらその子は路上にほんの少し積もった雪をかき集めて

お母さんに向かってぶつけているのだった


雪は大量に積もったわけじゃないから

溶けてドロドロ状態、しかも土とかと混ざって汚いこと


その男の子は歓声を上げながら何度も何度も

雪をすくってはお母さんにぶつける

お母さんは逃げ惑いながらも声をあげて笑っている


周りにバスを待つ人が何人か居てその様子を見ているのだが

一見お母さんも楽しんでいるように見える為か

今回は誰も止めに入らない


確かに以前は道路に飛びだそうとした男の子の生命の危機があったから

ドイツ人も動いたのかもしれない


でも今回は路上親子雪合戦

ただ遠巻きに見てるだけだ



「大変だよね、あのお母さん」 ぼたんがぽつんと言う

私も 「そうだね、お母さんがあんな事されたら 

    逆さづりにしてはり倒すところだけどね。」


「あ、ダメ あのお母さん それやっちゃダメなんだよ」 ぼたんが慌てて言う


何でも以前 外であの親子を見かけた事があって

その時 言う事を聞かないその子をお母さんが叱ったところ

さらに大暴れしてお母さんを蹴りつけ倍返しされていたそうだ



「私達みたいな子供で良かったね」 とぼたんが言う


「でもさ、Aufgabe(課題)が違うんだから

 あの人達はあの人達でいいんじゃない?」 とれんげが言う


そうだよね、うちがラッキーであちらがアンラッキーに生まれついたわけじゃない

単に課題が違うだけってことだよね



「うん、うん」 と答えてバスに乗り 久しぶりのショッピングを楽しむために

私達親子は街に向かったのだった












去年の11月、日本から帰って来た時

スーツケースの中には他の日本食といっしょに漬物も入っていた


父が持たせてくれたナスの浅漬けやお寿司用のガリ

母の手作りの梅干や紫蘇漬け、たくあんなど・・・


漬物命の私

本当はもっと持って来たかったのはやまやまだが

スーツケースに漬物だけ詰めてくるわけにもいかない

日本に居れば食べられるアンナものもコンナものも諦めるしかなかった



それでもこれでしばらくは冷蔵庫を開けさえすれば

おいしい漬物が食べられるのだ

あ~、うれしい


そんなわけで日本から帰ってきた翌日

子供達を学校に送り出した後

冷蔵庫からたくあんを引っ張り出してきて

1人で楽しく朝食を食べていた


その時にふと思い出した事があるのだ


ちょっと前にこっちで親しくしている友人が日本に里帰りする事になった

彼女は京都出身

京都の漬物をお土産に持ってくるからと言ってくれた

1ヶ月ほど日本に居て彼女のお母さんといっしょにこちらに帰ってきたのだが

ドイツに着いてからしばらくお母さんが具合を悪くして

寝込んでしまったと後から聞いた


せっかくドイツまで来られたのにお気の毒な話だ

震災の後でもあるし気疲れとか色々あったのかもしれない

3ヶ月の滞在予定を半分にして日本に帰られたそうだ



そんなこんなで、1時間ほど離れた隣街に住むその友人とは

電話で話しただけで未だ会えていない


友人も大変だっただろうし

私へのお土産の京都の漬物の事なんかはどうでもいいのだけれど


その事を思い出して京都の漬物ってどういうものなんだろうと思いを巡らせた

確か千枚漬けとかじゃなかったか

京都独特の漬け方があるんじゃないのか

食べてみたい 京都の漬物!

いつかきっと京都の漬物専門店に行こうとあれこれ考えながら

朝食を食べ終わった



そして夜になり 仕事帰りに元夫がうちにやって来た

日本から帰ってきた子供達と会いたいからだ

私も日本から持ってきたお土産を渡さないといけない



「これ、君へのプレゼント」

玄関を入ってくるなり私にきれいに包装された箱を手渡してくれる


「あら、ありがとう」

尻尾を振って受け取る私

なんでも日本人の友人から貰ったものらしい


話をしている元夫と子供達をリビングに残し

キッチンに行き さっそく包みを開ける



箱の中に入っていたものは・・・





『京都の漬物 特選 詰め合わせ』 だった!

アーメン