4-4-2のフォーメーション効果を考える | Japan Gooners~アーセナルニュースネットワーク

4-4-2のフォーメーション効果を考える

*先日の記事「ヴェンゲルの前線計画ミステリー」に頂いたコメントの返答を記事という形でさせて頂きます。


頂いたコメントを読んだりしていて、新シーズンを迎える上で、以前の4-4-2のフォーメーションに戻すという案の支持率はなかなか高いようだという印象を受けた。

これはイングランドでは標準的なフォーメーションであり、プレミアリーグチームの多くが用いている体制だと言える。イングランド選手の多くが年少時代から自然にプレーしてきたのはこの形であり、彼らの理解もこのフォーメーションに基づく。標準的な2人のストライカーと2人のウィンガーという形が、効果的であると長い間証明されてきたわけだ。

しかし、このフォーメーションに弱点がないというわけではない。相手チームの一人が中盤の位置に下がることで、ピッチの中心にスペースを許し、それに乗じられるというリスクを生む。

Japan Gooners~アーセナルニュースネットワーク-4-4-2



この弱点を利用する上でマスター的存在だったのは、他ならぬ Dennis Bergkamp (デニス・ベルカンプ) だ。
細かく言えば、我々も4-4-2フォーメーションでプレーしていたが、デニスはよく中盤まで下がり、通常の4対4の中盤で我々を優勢な立場に置いた。我々側の中盤に一人加わることで、戦力を高めて相手を圧倒し(4対4から5対4になる)、ピッチをコントロールすることが可能となる。
より最近の例では、ドイツがFabio Capello (ファビオ・カッペロ) の4-4-2のイングランドと対戦した時、Mezut Ozil (メスト・エジル)のような選手がこのような戦略を用いていた。

しかし、この戦略を生かすにはチームがある程度のレベルに達していなければならない。
まず、低めにポジションを落とすストライカーには、優れた得点力とパス能力が求められる。そして5人の中盤でプレーすることは自らの首を絞めることにもなりかねない。一つ考えられるのは、技術力に欠けるチームならボールをただ一人のストライカーに届けることに苦労するだろうという点。トップに一人残されるストライカーは容易に守備の対象となるだからだ。
個人的には、多くの----例えばサンダーランドのような----チームが、中盤の5人を効果的に使って試合を支配するというのは考えにくい。


今年のワールドカップのトップ3チームを見ていると、彼らは皆4-2-3-1というバージョンの5人中盤戦略を用いていた。
この4-2-3-1フォーメーション自体は、4-4-2のシステムとは異なり、三角形のシステムを作り出すため、パス中心のチームに効果的だ。

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Johan Cruyff (ヨハン・クライフ) が言っていたことがあった。
「4-4-2のシステムでは、支配的なフットボールはできない。ピッチ上の数字が合わない(三角形ができない)。」

ここで彼が言う“支配的”というのは、パスのことだ。
そして、我々のプレースタイルも確実にこのカテゴリーに入る-----じりじりと時間をかけた組み立てとボールポゼッションで相手を圧倒する。

結論として、私は4-2-3-1のフォーメーションに投票したい。
しかし、頭痛の原因となるのは、この体制を使って今のアーセナルの誰がどこのポジションでプレーするかだ。

実はエミレーツカップのミラン戦を結構楽しみにしている。
ここで、ヴェンゲルの新シーズンへの作戦が見えてくるかもしれないと思うからだ。


by レフティ


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