長女の夫のHさんは、結婚して以来9年近く、まったく料理をしたことがなかった

 

 

だが、この冬、妻である長女がインフルエンザで高熱を出してダウンしたことをきっかけに、彼は妻と2人の子どもたちのために初めて料理をした

 

 

意外にも初めて作ったのは、オムライスでそこにはケチャップで文字も書かれてあった

 

 

大好評を博した彼は、その後、炒め物や麺類にもチャレンジして、自信を深めていった

 

 

抜け目ない長女は、その料理の写真をお姑さんに送り、ほめたたえ、姑のR子さんは「あの子が?えっ?本当にあの子が?」と普段は控えめな人だが、今回ばかりは嬉しさを爆発させて喜んだ

 

 

夫婦共働きが当たり前になった今、夫が料理ができるのとできないのとでは、まったく生活の質が変わってくるし、そもそも妻側の負担が大いに減る

 

 

長女も今回のことで、Hさんのことを見直したようだし、

「これで、本格的に働けるかも・・・」と、次のステップを考えているようだ

 

 

いくらハンサムでも、いくら高学歴で高収入であったとしても家事と育児のできないお子さまな夫はノーサンキューで

 

 

 

少々難ありのルックスでも、収入でも、家事(特に料理と片付け)ができる夫の方が、妻にとってはありがたいし

 

 

さらに言えば、子どもに対して根気強く接してくれる優しさと忍耐があれば、もっといい!

 

 

さらにさらに言えば、時には妻をねぎらったり、ほめたりしてくれたら、夫婦の仲はいつまでもラブラブでいられると思う

 

 

二女の夫のYさんは、ひとり暮らしの経験があるので、料理はできる

 

 

最初は子どもに対して向き合い方がよくわからないといった面があったけれど、今は誰よりも息子のコウちゃんを愛し、その成長を見守ることが喜びとなっているようだ

 

 

長女夫婦は、お互いにあっさりしているので、あまり激しいケンカもしないかわりに、「大爆笑」というのもない夫婦で

 

 

反対に二女夫婦は、時に激しいけんかもしつつ、笑いのツボはいっしょで、「大爆笑」は日常的のよう・・・

 

 

もっとも、そこにいたるまでは、いろいろあったみたいだが、このごろはなんでも夫婦で話し合って、ややもすれば、弱気になったり、後ろ向きになりがちなYさんを、文字通り「𠮟咤激励」して、大変なこともユーモアに変えて頑張っているようだ

 

 

長女は優しくて忍耐強いが、二女と私は口が悪く、すぐにキレる

 

 

二女がキレたら、私と同様に関西弁が丸出しになって、ついついお下品になってしまう

 

 

でも、それはもっと良い関係になりたい!もっと成長したい!という証でもあるから、最近はYさんも二女の関西弁の裏にある深い愛情に気づき始めたのか、感情的に反論するのではなく二女の言い分にも耳を傾けてくれているようだ

 

 

どうであれ、私は別々に暮らしている以上、ふだんは何もしてやれないし、たまに話を聞いて、共感したり、励ましたりするだけで、少々のことでは動じなくなってきた

 

 

夫が倒れてから、わが家の女たちは強くなったと思う

 

 

ネガティブなことが自分に降りかかってきても、それをたんたんと振り払い、克服できるようになった気がする

 

 

他人の言動に一喜一憂するのではなく、前向きな言葉だけ自分の中に落とし込んで、気持ちの切り替えができるようになった

 

 

子育ての中では、悩むことも多いと思うけれど、ありがたいことに彼女たちは、それぞれに自分たちにできることは努力しているが、親としての限界も自覚しつつ、長いスパンで子どもを見守っているようだ

 

 

過度な期待もしないし、卑下もせず、どんな状況でも投げやりなネガティブな言葉を子どもに向けるようなことはしていないので、それだけで立派だと感心する

 

 

どちらかといえば、繊細で気弱な男性をパートナーに選んだ彼女たちは、最初はいろいろと大変だったようだけど、最近は頼もしくなったHさんとYさんのおかげで、いきいきと暮らしているように見える

 

 

ふたりの娘が結婚する際に、それぞれに私が「一生、添い遂げるのよ」と言ったら、ふたりとも大笑いして「なにそれ?添い遂げるって・・・愛チャン昭和だね・・・」とバカにされた

 

 

そうよ昭和の私は、今でも「愛こそすべて!!」と思って生きている

 

 

昭和の親が時に古臭く、鼻につく時もあるかもしれないけれど、厳しいこの時代を生きるあなたたちを誰よりも応援しているよ・・・

 

 

そして、これから老いていく私たちにとって、あなたたちが元気に一生懸命生きていてくれることが、大いなる安心と希望なんだということを忘れないでいてね・・・