幸せを、クロスステッチ -2ページ目

幸せを、クロスステッチ

暮らしの中に埋もれてしまいそうな小さな幸せを見つけては、ちくちくステッチするみたいに綴ります。

つづきです。

後ろ髪を引かれるようにMちゃん邸をあとにして向かったのは、
島根半島の先っちょにある「多古鼻:たこはな」という所でした。

「360度かも?とも思われるほどの水平線は、本当に絶景!
そこに沈む夕陽を、ぜひ眺めて欲しい!!」

と、Mちゃんのご主人が熱く語りながら見送ってくれたのだから、
これは何としても夕陽を拝まなくっちゃ!!


多古鼻までは車で小一時間。

町なかを少し走ると山道に入ります。

「急がなくていいからね!安全運転でね!!」という気持ちとは裏腹に、
どんどん陽が傾いていく窓外の景色を眺めながら、「早く、早く」と気持ちは焦ります。


クネクネと曲がりくねった山道をどんどん登りながら、
「あ~~、間に合うかしら~~!」と運転手のMちゃん。

秋の陽はつるべ落とし・・・
どんどんと辺りが暗くなってくる・・・

「焦らないで~~、大丈夫だから~~~!」と言いながら、お尻がソワソワする・・・

そのうち3人で
「待って~~~~! まだ沈まないで~~~!」




と、


窓の外の山が途切れて、一瞬視界が開けた時に、


燃えるようなマゼンタの、目を見張るほど大きなまん丸の夕陽が、
水平線の上に浮かんでいるのが見えたではないですか!!


「うわ!!」と、同時に叫んで、その後は息を飲む、Yちゃんと私。

一息おいてから・・・
二人して、「見えた====!! すごい!すごい大きいの!! うわ~~~!!
キレイ~~!!」と大興奮。

そんな二人の興奮をよそに、依然車を走らせるMちゃん。


あたりが随分と暗くなったころ、やっと「マリンパーク多古鼻」に到着。

Mちゃんがフロントの人に、「夕陽が見えるのはどこですか!?」と聞いてくれて
指差された方に皆でダッシュ!!


細い雑木林の道を抜けると、海の向こうに、半分沈んだ夕陽を見ることができました。




こういう時、人は謙虚になるのでしょうか。

思わず手を合わせて、
「こんな景色を見せてくださって、ありがとうございます」と拝んでしまう。


すっかり沈んでしまうのを見届けたあとも、
あの、車の窓から見た荘厳な夕陽の印象は、くっきりと目の中に焼き付いているのでした。




さて

大騒ぎで到着したところは、日本海に臨む絶壁の上に建つロッジでした。

6人泊まれる広々としたロッジで、今夜は自炊の夕食です。




Mちゃんが手配してくれた日本海のお刺身。
高野SAで仕入れた山の幸。
Mちゃんのご主人の差し入れワイン。




窓の外に広がる日本海、その遠くに光るイカ釣り船の灯りを眺めながら、

ゆっくりとまったりと夜は更けていくのでした・・・・




が!

いきなりYちゃんの 「消灯~~~!」の号令あせる


へ??? まだ22時半ですけど???  まだまだ宵の口ですけど???


でも、有無をも言わさずそれぞれベッドへ。

そして、スイッチ切られたように、あっという間に眠りに落ちたのでした。




4日目、最終日につづく・・・



















さてさて

道後温泉をさっさとあとにするのにはワケがありました。


この旅のもうひとつのミッションに、
「Mちゃんのお宅訪問」というのがあったのです。


Mちゃんのご実家は、Mちゃんが20歳の頃にご両親が購入した古民家。

結婚してずっと東京で暮らしていたのですが、ご両親亡き後、
空き家になっていたご実家に手を入れることに。

鳥取の実家と東京の自宅とを行ったり来たりしながら、
Mちゃんのご主人が、家の中から外までをせっせとリフォーム。

たびたび写真で見せてもらっていたのですが、古民家大好きの私にとってはとても魅力的で、
ぜひとも一度見てみたい!!と願っていたのでした。


しまなみ海道を旅行しよう! と決まった時に、
ならばついでに(とても「ついで」という距離ではありませんが、運転するのは
Mちゃんだしべぇぇ、絶好の機会なので)お邪魔しよう・・・と。


ご主人は、お家や庭の『改造解説』をしたくて、「早く来い~~!」と。



さぁ!急ぎましょう。

しまなみ海道を、またまた景色を楽しみながら来た道を戻り、
尾道を通過して、新しく開通した「中国横断自動車道/やまなみ海道」をひた走る・・・


これまでの海と島の景色とは打って変わって、
中国山脈のなだらかな山々が幾重にも重なって、
山が波打つように見えては消えて・・を繰り返します。

奥山は紅葉も進んで、歌そのままの「織る錦」。
あまりの美しさに「ひゃあひゃあ」と感嘆しっぱなし。

助手席でYちゃんが一生懸命写真を撮ってくれてたので、私は後部座席で
のんびり景色を眺めてました。
写真、無くてスミマセン。


途中、高野SAに立ち寄って、手打ちそばでお昼。
今夜の宴のために、野菜やきのこを買いました。


山を越えて、宍道湖を横目に、中海の「だんだん(方言でありがとうの意味)道路」を
走ります。


途中の、通称「べたふみ坂」。

中海をまたいで、島根県の松江と鳥取県の境港を結ぶ橋なのですが、
急勾配なために、てっぺんが切れているように見えるのです。

ダイハツのCMでも使われたらしいですよ。




この橋を越えたら、Mちゃんのお宅のある境港です。


道後から4時間半。

Mちゃん邸に到着するや否や、ご主人が待ち構えていて、
息つく暇も無く、さっそくにお庭の解説をしてくださいました。


何年も人が踏み入れなかったお庭は、木もうっそうと茂って、草もぼうぼうで
足の踏み場もなかったのだとか。

その草を抜いて、木も50本抜いて120本植え直した・・・のだとか。

除草シートを敷いて砂利を入れて小径を作り、写真の東屋もご主人の手作り。



和風パーゴラ?藤棚?も、橋に見立てた柵も、
裏口から洗濯物干場に出る広~いウッドデッキも、
お庭を囲む板塀も、格子の引き戸もその上の板葺きの小屋根も・・・

どれもこれも、ご主人のアイディアあふれる手作り叫び

「へぇ~~~!!」「ほぉ~~~~!!」「ひゃぁ~~~!!」

と、ただただ驚きながらお話を伺っていました。(写真を撮る暇も無く・・)



お庭のあとは、お家の中を。

昔ながらの広い土間は、コンクリートだったタタキに石版を敷いて、
アンティーク風?のテーブルと椅子を設置。
正面にあったガラス窓にはアンティークの障子窓をはめて、裏からライティング。
お部屋に入る段差が高いので、広々とした上がりかまちを作り、
手作りの行灯や、飾り板や、趣のある装飾がなされています。


土間を上がってすぐの座敷。

昔からあるソファーは、布地がボロボロだったので、ユ○ワヤで生地を買って
自分たちで張ったのだとか。

それがなんと、木工ボンドで・・叫び


座ると、ごわごわする~~~~~がびょーん


ふすまや障子を全部取っ払って、畳をはいで板を張り柿しぶを塗る・・・
そこへアイランドキッチン!

取っ払った障子や襖は、玄関や縁側のガラス戸の内側に桟を付けて取り付け、
二重扉を兼ねた雪見障子に。

お風呂や洗面所のタイルも自分で貼る・・・
それも、超モダンなチョコレート色のタイル!



もう、もう、とても書ききれないほどのリフォームの数々なのです。

私が驚いたこと。

ひとつは、「こうしたい!」という思いを実現するアイディアと、ひらめきキラキラ

そしてもうひとつは、素人なのに、思い切ってやっちゃう 潔さグー


いやぁ~~~、面白かった~~!!

残念ながら、後にもうひとつイベントがあったので、1時間ほどの滞在でしたが、
できたらもっとじっくりと時間をかけて拝見したかった~~!!



と、興奮して長くなってしまいました。


ので、

3日目後半の後半?につづく・・・
旅の3日目の道後温泉では、朝も早よから5時半のお目覚め。

なぜなら、坊ちゃんの湯で有名な「道後温泉本館」の開場の太鼓が
6時に鳴るからなのです。


ホテルの浴衣と丹前を羽織って、貸し出しの手提げ籠に手ぬぐい入れて、
雪駄を履いて、本館前に。

(画像はお借りしました)



たくさんの人が、一番風呂に入ろうと入口の近くで待ち構えています。

私たちも、今か今かと待っていると、地元のおじさんが声をかけて来ました。

「そっちじゃなくてこっち来なさい。太鼓を叩くのが見えるのはこっちだよ。
太鼓叩くのを見てから、ゆっくり入ればいいから。」
と、親切に教えてくれたのです。


先に入口が空いて、待っていた人たちはゾロゾロと入っていきました。

それを横目に待っていると、
ほどなく、てっぺんの櫓に人が現われて、四方の窓を開けました。
そして、
「ど~~ん、ど~~ん、ど~~ん・・・」と6回、太鼓を叩きます。

太鼓の音を聞き終えてから、ゆっくりと建物に入って、
タイムスリップしたかのような浴場に。

お湯にゆっくり浸かったら、漱石の間を見学。

その後は、まだ開店前の商店街を散歩して、坊ちゃん電車(路面電車)の駅をみたり
足湯に浸かったりとぶらぶら。

朝日を浴びて微動だにしない、温泉猫さん。





ホテルに戻ってバイキングの朝ご飯。



左は、その場で焼いてくれるオムレツ。
ソースが、特製のみかんソース。

ほんのりと甘酸っぱくて、もうひとつお替わりしたいくらいでしたにひひ

中庭の、樹齢250年のオリーブの木にびっくり!
背は高くないですが、幹が一抱えもありそうなほど。





道後温泉では、さっさとお土産を見て、すぐの出立となりました。

というのも、道後のあとに、大切なミッションが控えているからなのです。



後半につづく・・・




2日目。

白滝山荘は雨の中。
夜から降り出した雨が、しとしと。

ゆっくり起きて8時から朝ご飯。
ふわふわの出し巻き卵の優しいお味・・・

居心地のいい食堂。 作り付けのベンチは、私の憧れ。



食堂でゆったりとおしゃべりしていたら、もう9時半。


趣のある階段と、中2階のお部屋。(私たちの部屋ではありませんが・・)





荷造りをして、部屋を片付けて、
オーナー奥様からいろいろなお話を伺いながらチェックアウト。

その頃には雨もあがっていました。



因島をあとにしたら、美しい多々良大橋を渡って
(画像はお借りしました)




「生口島(いくちじま)」に着きました。

ここには、この島で生まれた平山郁夫画伯の美術館があります。

りっぱな門構え。





入口の撮影スポットにて。






数々の画が素晴らしいのはもちろんなのですが、私が感動したのは、
画伯が10歳の頃の絵日記!w

とっても子どもらしい大らかな絵なのですが、人物のデッサンの確かさに驚きました。


生口島は、レモンの生産日本一だそうです。

喫茶室では、ホットレモンとレモンケーキでひと休み。

このレモンケーキがとっても美味しくて、お土産に買って来なかったことを痛く後悔。




美術館の中庭です。

たぶん、瀬戸内の島々を表現しているんだろうな~~・・と推察。
ひょうたん島みたいのも見えますが、生口島の近くには「ひょっこりひょうたん島」の
モデルになった島があるらしいです。




2時間、たっぷりと観賞中に、空もすっかりと晴れ上がりました晴れ


拳よりも大きなレモン、3個100円!!をゲットして、
車は一路四国へ!


波も静かな海はキラキラと輝いて、
あちこちに浮かぶ大小の島々も陽に照らされて、
島々を結ぶ橋は白鷺のように気高く、

「わ~~、キレイ~~~」を連発しながらのドライブです。



最後の島「大島」と四国の今治の間の来島海峡を渡る三連の橋。



今治に渡ったところの来島SAで、売店で買ったジャコ天とジャコカツと
愛媛名物の「せんざんき(千斬切)=鶏の唐揚げ」とパンで軽くお昼ご飯。

せんざんきは、マイルドなんだけど独特のスパイスが効いていて美味しい!



実は今治には、Yちゃんの長男Sくんがいます。
仕事の関係で、今年の5月から赴任しているのです。

小さい頃からSくんをしっている私とMちゃんは、実の母Yちゃんも含めて
「3人のおかん」を自称しています。

今回の旅では、「私たちの息子Sくんの顔を見ること」も目標のひとつ。

なんとかSくんの顔をみて、短い時間だったけど一緒にお茶して話も聞けて・・・
社会人になったSくんの逞しい姿に一安心したのでした。


Sくんと別れたあとは、道後温泉へGOビックリマーク


今夜のお宿は、坊ちゃんの湯で有名な「道後温泉本館」のすぐ側の
「ホテル茶玻瑠(ちゃはる)」でした。

規模の大きなデラックスホテル。
たくさんの観光客が泊まっているようでした。

豪華な夕食を堪能して、大浴場と露天風呂にゆ~~くりと浸かって。

お部屋では、尾道で買ったレモン酒を一杯やって・・・


明日は早起き!!!しなくっちゃ  なのです!




おやすみなさ~~い。





3日目につづく・・・

11月1日から、3泊4日で、息子たちが小さかった頃からのママ友と
四国・中国の旅に出かけました。

東京在住の友達Yちゃんと、あさ8時の新幹線で福山に向かいます。
おしゃべりしていたら、3時間半があっという間!

在来線に乗り換えて尾道へ。
尾道駅で、鳥取県から車で来たMちゃんと合流。

車を駐車場に置いたら、さっそくの腹ごしらえです。

中華そばが人気らしい(ガイドブック)「朱華園」の前は長蛇の列・・・
でしたが、私たちのお昼ご飯は「いわべえ」と決めていました。



スナズリ(砂肝)とイカ天が入った『尾道焼き』ビックリマーク

たいへん美味しゅうございました!!


お腹が満たされたら観光です♪

尾道を見渡す「千光寺公園」までロープウェーで昇り、展望台へ。
またげそうな距離にある「向島(むかいしま)」や、島に渡る橋が望めます。

神戸に生まれながら、瀬戸内海には子どものころに2回ほど訪れただけ。

この、大小の島が点在するさまを、ちゃんと眺めたい・・・と、
大人になってからずっと願っていました。

あ~・・・やっと訪れることができたわ。


これは、展望台よりも低い、ロープウェーの降り場付近からの眺めです。
それでも、いい眺め!



文学の道を辿って山道を降りて「千光寺」へ。

Yちゃんが、息子の仕事の芽がでるように・・・と、両目がびょ~んと飛び出す「だるま守り」
を購入。

私も~~!!と、お守り売り場へ行くと、キラキラのウサギさんのお守りが目に。

ぴょ~~ん!と飛躍のご利益があるという、兎さんのお守りにしました。音譜


お寺からは、細い細い急な坂道の路地を下ります。

途中、「猫道」という脇道があって、当然そちらへ♡


道のそこここに、石に彩色した猫さんがごろごろ。




塀の上を平然と歩いてくる、本物の猫さん!




首輪をしてるから、どっかの飼い猫さんなのね。



ちょっと頭を撫でさせてもらったら、塀からぴょんと飛び降りて、どこかへ
ゆうゆうと歩いて行っちゃいました。

町へ降りたところで、ハッサクジュースでひと休み。
スッキリ爽やかで、美味しかった~~~ラブラブ

船着き場?脇の倉庫を改造した、お洒落なショッピングモールを見て、
パンやおつまみなどを購入。


さ! いよいよ橋を渡って「因島」ヘGO!!




因島では、白滝山の中腹に立つ「白滝山荘」に泊まりました。

ここは、アメリカ人の建築家ヴォーリズによって、昭和初期に建てられたもので、
29年前から今のオーナー家族が手入れをしながらペンションを営んでいます。






階段を上がった正面の壁には、作り付けの箪笥が。

ダイニングにも、作り付けの食器棚、ベンチ、飾り棚。
お部屋にも、窓の下に作り付けの引き出し。
ヴォリーズ建築の特徴だそうです。






こじんまりとした建物ですが、
洋と和が調和した落ち着いた内装と、飾らない人柄のオーナーご家族の応対が
とても心地よいお宿でした。


お食事は、瀬戸内の幸をふんだんに、でも上品にしたてた和食です。

小柄で寡黙なおじいちゃんが、いそいそとお食事を運んでくださるのも
ほっこりとします。


広いお風呂でゆったり温まって、ふかふかの羽毛布団でぐっすり・・・





2日目に続く・・・