人間などの動物の社会を生んだのは、もしかしたら細菌たちではないか?
by アイルランド・コークカレッジ大学教授の精神科医:ディナン氏
無菌マウスは社会性が低く、単独行動を好みます。
しかし、腸内に細菌を移植すると、他のマウスとよくコミュニケーションを取るようになります。
このことを細菌の立場で考えてみると、興味深いものがあります。
細菌は生き残るために、動物の腸という環境を見つけ、そこに棲みつき増殖しました。
腸の中は、温度や湿度も安定していて、定期的にエサがもらえる理想的な住処です。
しかし、その動物が死ぬと、細菌も死んでしまいます。
繁殖していくためには、ひとつの個体から別の個体へと移る手段が必要です。
そこで、動物の腸内でさまざまな物質を作り出し、脳に働きかけて社会的な行動を促したのではないか、というのです。
複数の動物が群れをなして同じ空間で生活をすることで、細菌はひとつの個体から、となりの個体へ、そのまたとなりの個体へと増えながら広がっていくことができるのです。
そして、このことは動物から見ても、利点があります。
集団で社会生活をすることで、周りの個体から、より多くの種類の細菌をもらうことができるのです。
腸内フローラにとってより多くの種類がいることが大切なのです。
そうした動物と細菌の相互の利益が、これほど密な関係を築き上げたのかもしれません。
最近、腸管免疫を高めるものとして「乳酸菌発酵エキス」と呼ばれるものが脚光をあびております。
この乳酸菌発酵エキスは、本来腸内で善玉菌により生産されているものですが、これを体外で生産することもできのです。
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