先週はF1のイタリアGPも行われたが、サポートレースとしてF2も開催された。
F2は基本的に1イベントに2レースが開催されるので、実質的には今回のイタリアで16戦が消化されていることになる。
土曜日に開催されるタイヤ交換必須のフューチャーレースに日曜日に開催されるピット不要のスプリントレースがあるが、土曜日のフューチャーレースに勝利するほうがチャンピオンになるためには必須であると言えるだろう。
今回のイタリアラウンドのフューチャーレースで優勝したのは、7度のF1世界王者である皇帝ミハエル・シューマッハの息子であるミック・シューマッハ(プレマ)。
F2参戦2年目のミックは、これがフューチャーレース初優勝となった。
ミック・シューマッハーの成績をみて大した事がないと思う方もおられるだろうが、彼はこれまでF4、F3、F2と昇格してきているが、全て1年目も勉強の年として設定し、結果を残すことは2年目と明確な目標をたてており、実際に成績を残してF2にまで昇格してきているのはすごい。
ユーロF3の時代でも1年目は大したことがなくて息子は速くはないのではないかともいわれたのであるが、2年目は当時はレッドブルジュニアであり、現在はウィリアムズの育成ドライバーとなってF2に参戦しているダニエル・ティクトゥム(ダムス)との壮絶なチャンピオン争いを勝ち抜いてユーロF3の王者に輝いている。
カテゴリー参戦2年目に成績を残すことは、F2でも変化はないようで、昨年はそこまで速くなかったものの、今年はしり上がりに調子を上げてきており、シーズン序盤は圧倒されていたチームメイトのロベルト・シュヴァルツマンの成績をついに上回り、ランキングでもいよいよ2位とチャンピオンが見える位置にまで上昇してきたことはさすがとしか言いようがないのではないだろうか。
ミックがF2で成績を残した場合にはアルファロメオからF1デビューするのではないかということが、うわさレベルであるが言われるようになった。
個人的にもシューマッハの名前がF1に戻ってくることはドイツ人のファンにもアピールするであろうし、フェラーリのイタリア人ファンにも大きな希望となって見えるのではないだろうか。
特に今シーズンのフェラーリが歴史的にも類を見ないレベルで酷い成績でストレスがマックス状態のティフォシにとってはミックの存在は希望となってくるだろう。
F2はF1のサポートレースであるが、F1開催地の全てで開催されるわけではないので、既に後半戦に突入している。
その意味では来週ムジェロで開催されるトスカーナラウンドも激しいレースが繰り広げられることになりそうである。
日本勢ではレッドブルジュニアの角田裕毅に期待したのであるが、マシンのトラブルによりスプリントレースをリタイアしてしまい、フューチャーレースのみのポイントとなったために、ランキング4位にまで後退してしまった。
とはいうものの、ランキング首位のカラム・アイロット(ユニビルトゥオーシ)とは26ポイントと十分に追いつける範囲なので、チャンピオン獲得をF1昇格を目指して頑張ってもらいたものである。
最後にF2イタリアラウンド終了後のポイントを確認しておこう。
1位 カラム・アイロット(ユニビルトゥオーシ)
2位 ミック・シューマッハー(プレマ)
3位 ロバート・シュヴァルツマン(プレマ)
4位 角田裕毅(カーリン)
5位 クリスチャンン・ルンガー(ARTグランプリ)
6位 ニキータ・マゼピン(ハイテック)
7位 チョウ・グァンユー(ユニビルトゥオーシ)
8位 ルイ・デレトラ(チャロウズ)
9位 ダニエル・ティクトゥム(ダムス)
10位 ルカ・ギオット(ハイテック)
11位 フェリペ・ドルゴビッチ(MPモータースポーツ)
12位 松下信治(MPモータースポーツ)
13位 ジャック・エイトケン(カンポス)
14位 マーカス・アームストロング(ARTグランプリ)
15位 ユアン・ダルバラ(カーリン)
16位 ジュリアーノ・アレジ(HWAレースラボ)
17位 ロイ・ニッサニー(トライデント)
18位 ショーン・ゲラエル(ダムス)
19位 ペドロ・ピケ(チャロウズ)
20位 アーテム・マルケロフ(HWAレースラボ)
21位 ユーリ・ヴィップス(ダムス)
22位 ギリェルメ・サマイア(カンポス)