原子力ってなに?―アイザック・アシモフ | そらまめ書林の本棚

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科学発見シリーズ 10/アイザック・アシモフ
¥1,050
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科学読み物の勉強会で
昨年来原子力に関する本を何冊か読んできました。

震災以後たくさんの本が出ていますが、
その中から何を選べばいいのかは迷うところ。

そんなとき古本屋さんで出会ったのがこの本です。
アシモフと言えばSF界の巨匠であり
科学の解説書をたくさん著したことでも知られています。
そのアシモフが子供のために書き、
科学雑誌『Newton』の初代編集長竹内均が監訳した
科学発見シリーズ。

全20巻あるシリーズで、
その第9巻は『原子ってなに?』
第10巻は『原子力ってなに?』です。
初版は昭和57年で現在は絶版になってしまったようですが、
私が入手した古本は平成1年第8刷ですから、
それなりにロングセラーとして販売されていたようです。

さすがに作家が書いた本だけあって、
全体の構成もよく考えられていて
とても読みやすいと思いました。
そしてさすがアシモフということなのでしょうが、
子どものために書かれた本でありながら
とても深いところから書かれています。

原子力に関しても冷静かつ客観的に
多くの科学者が原子の持つ力を追求してきた歴史をなぞった上で、
その力を利用する場合の危険性も指摘しています。

まえがきには小中学生向けに書かれたとありますが、
小学生にはちょっと難しいかな?
中高生や基本的なことがわかりたい大人にはお薦め。

イラストのタッチやカラーでない本の体裁は
若い子が見ると多少古臭く感じるかもしれませんが、
今はこういう科学の読み物があまりなくて
科学の本と言えば見開き2ページ1テーマのような
調べ学習向きのような本ばかり目立つので、
貴重な存在だと思います。
絶版になってしまったというのはもったいない話です。

ただロングセラーだっただけのことはあって
古本市場にも結構出回っているので入手は可能です。
ちなみに私は1冊200円で買いました。
たとえそのうち復刊になることがあったとしても
今古本で買ったほうが安いので、
興味のあるかたは見つけたら買っておくといいかもしれません。


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