大好きな映画。
「魔女の宅急便」
その1シーンのセリフ。
でもね。ある日突然描けなくなっちゃった。
描いても描いても気に入らないの。
その時気づいたんだ。
私の絵はだれかの真似なんだって。
自分の絵を書かなきゃって。
それから、絵を書くってことが少しわかった気がする。
これは、魔法が使えなくなりスランプ状態のキキがちょっとしたハプニングで森で出会った絵描きであるウルスラのもとに気分転換を兼ねて遊びに来たときの一幕。
もの作りを苗床にして、自らを表現しようとしている人には突き刺さるセリフだと思います。
例えば、私で言うと。
マティーニ。ジントニック。
ジンとベルモット。混ぜればマティーニ。
ジンとトニック。混ぜればジントニック。
最初は、作れるのが嬉しく誇らしいものです。
作って作って、何も考えなくても作れるようになってから、ふとした時に思いあたるわけですよ。
「マティーニってなんだ?」
「ジントニックってなんだ?」
そりゃ、レシピで混ぜればそーなるさ。
知ってる。
でも、知りたいのはそんなことじゃなかったですね。
マティーニとしての根源。
マティーニがマティーニとして、なぜマティーニなのか。
そこから、はじめてそれらカクテルそのものと向き合わなければならなくなります。
そうしてみてはじめて理解、、、なのかな?
納得なのかな、、、?
いずれにせよ、少しだけ知るのです。
マティーニって何なのかを。
ジントニックって何なのかを。
でも、これ何でもそうですよね?
始めはカウンターに立ち緊張。
お客様と話せて誇らしく、
誉められて嬉しく、怒られてへこみ、
繰り返しのなかで慣れていくものです。
少しづつお客様にも覚えてもらえて、カクテルも作らせてもらえるようになったら、自分も「バーテンダー」になれてきた気に。
「成れた」気もちが「慣れ」を産みだし、
その「産み」は仕事に「膿」を出し始めます。
ちょっとしたものを混ぜ合わせては「オリジナル」なんて得意気になったりもするものです。
(笑)
でも、そこで考えさせられるのです。
カウンターに立ってるから「バーテンダー」?
いやいや、そりゃそうなんですけどね。
そこじゃなくって、です。
「バーテンダー」ってなんだ?
そうして自らに向き合い、仕事に向き合い、少しづつ「バーテンダー」ってものを知っていくのでしょう。
カクテルも仕事も、大きく言えば人生も。
そうして深く深く掘り進められたぶんだけ、「奥行きのある」ものになれるのでしょう。
そして、はじめて自分の人生というキャンパスに「自分だけの絵」が描けるのでしょうね。
「魔女の宅急便」。
言わずとしれた可愛らしいまじょこさんの成長物語なのですが、私にとってはとても大事なことを思い起こさせてくれる大好きなマイルストーンとなっています。
何度見ても、このシーンが好きです。
ちなみに、、、。
このウルスラとキキ。
二人の女の子は、同じ声優さんなんです。
知ってた???