”ドラマ”をつくることは素晴らしいことである。

頭の中にしかなかったイメージが、目に見えるメッセージとなり、人に伝わっていく。

自分の知らない「誰か」がそのメッセージを受け取り、その人の人生のなにかの”きっかけ”になる。

こんな素晴らしい仕事は世の中で限られている。と心の底から思う。



「3年後にはプロデューサーをやっていたい」



映像業界に飛び込み、社会人になって3年と3カ月の月日が経った。
たくさんの人々の力を借りて10以上の作品を「プロデューサー」として作らせていただいた。


<テレビドラマ>
「枯れおやじ」
「セレぶり3」
「偉人の来る部屋」
「TAXMEN」
「ミュージカル3」

<舞台>
「バンカラ~友へ捧げる最後のエール~」
「アイドル~失われたキミを求めて~」
「セレぶり3オン・ステージ~セレブは夏に恋するものだ~」
「セレぶり3ラストステージ~セレブは惜しまれつつ解散するものだ~」

<配信ドラマ>
Wii テレビ「未来は今」
「夏休みの恋人~フィルムの中の彼女~」
「夏休みの恋人~フィルムの中の彼と彼~」

<イベント>
「夏休みの恋人~その後の彼女と彼ら~』
「夏休みの恋人~クリスマスイブ☆プレミアパーティー~」


23歳~25歳の約2年間でこれだけの作品にメッセージをのせて世の中に発信させてもらえた。
必死で企画を立て、面白いこと、新しいこと、何を伝えたいのかを夢中で考え続けた3年間。



「若すぎるプロデューサー」ということでナメられないようにツッぱっていた。
でも作品をつくることにおいて、年齢は関係ないと思ってがむしゃらに自分の信じたものを作ってきた。そしてこの作品を作り続けてきた全ての時間は、自分を成長させた。


休みなく働き、寝れない日もたくさんあった。またプレッシャーで寝れない日もたくさんあった。
適当につくるのは絶対に嫌だという姿勢であまりに没頭しすぎて、周りが見えなくなり迷惑もたくさん掛けてしまったこともあった。


いつも考えていたことは「新しくて、面白い企画」だった。


かつてないクロスメディアを目指した「セレぶり3」。
自分が大好きな歴史を通じて今の日本へメッセージを贈った「偉人の来る部屋」。
映画の「RENT」を観て、ずっと作ってみたいと思っていたミュージカルドラマ「ミュージカル3」。
携帯配信の特性を考えて辿り着いた毎日配信主観ドラマ「夏休みの恋人」。


どれもこれも思い入れが強いが特にこれらの作品は斬新だと思って企画&展開してきた。

今まで自分のやりたいこと、やれることを情熱を込めてやってきた。



そしてここで一度、映像から離れる決断をした。



今年2月頃からモバゲーやGREEでできる携帯ゲーム「刑事ハードボイルド」のシナリオ構成をしている。
「刑事ハードボイルド」を作る中で携帯ゲームの可能性をものすごく感じはじめた。

次なるステージはソーシャルアプリ(携帯ゲーム)のプロデュース。

携帯コンテンツ→映像化という道も十分にあると思う。
新たな映像の在り方、新たなコンテンツの可能性を模索したいと思った。

やることはさして変わらない。


「情熱と愛情をもって作品をつくること」


短い期間であったが、プロデュース作品は今泉潤にとっての一生の「誇り」であり「宝物」である。
誰がどんな感想をもとうが自分の作品は「傑作」なのだ。

辛い時、くじけそうな時には自分の作品を観れば、自信が湧いてくるはずだ。


最後に、プロデューサーという仕事は本当に多くの人に支えられて成り立つ職業である。


これまで一緒に作品作りに関わってきてくれたスタッフ、キャスト、マネージャーらすべての人々、そして作品の観てくれた全ての人々へ-


心の底から「ありがとうございました!&これからもよろしくお願いいたします!」


追伸:

7月10・11日の最後の舞台「セレぶり3ラストステージ」のアンケートにうれしい言葉があった。
「4月から愛知のテレビ局に入社したのですが、セレぶりみたいな番組を作りたいです!!」
なんか辛かった思いが吹き飛ぶ、感慨深い言葉でした。

追伸2:

ぜひ飲みに誘ってください!
テレビドラマの視聴率の低下が著しい昨今、

テレビ局のあり方や映像ビジネスのあり方を各所模索している。

ちょっと前まで業界的にタブーだった配信も今となっては局がやってたりする。
とはいえ回収ができているとは考えにくい。


とは言うものの、ドラマや映画などの映像は「文化」として人々の中に根付いているのでなくなることは考えにくい。


となると新しい映像の成り立ちが必要になる。


映像の成り立ちはこれからどうなるのだろうか


その可能性はあらゆるエンタテインメントにヒントがある。


演劇、ライブ、グッズ、ビデオグラム、ファンクラブ、パーティー、ゲームなどなど。


アバターが興行収入歴代1位&アカデミー賞ノミネートされていることが示しているように、クリエイティブとテクノロジーの関係は遠いようで実は、密接なのだ。


クリエイティブが行き詰まった時、どの時代もテクノロジーがそれをぶっ壊す。


これは最強の武田騎馬隊を打ち破った織田信長鉄砲隊みたいなことで、歴史的にそうなのだろう。





と思う打ち合わせをしてきました。
新しいドラマ企画の本打ちを監督、脚本家、音楽家と12時過ぎぐらいまでやっていたのだが、なかなかしっくりこない。


これはボクの責任であり、それはプロデューサーの役割として重要だと思うのである。

まずは、


1、コンセプトの提示



作品全体を通して「伝えたいこと」をより伝わりやすくするためのコンセプトを明確にしないと企画は走り出さない。それさえしっかりしていればスタッフから提案がくるようになり化学反応が起こるのである。


たとえば、今放送中の「TAXMEN」であれば「ハードボイルド」というコンセプトがある。


そうすると、キャスト&スタッフから自分が思う「ハードボイルド」の提示がなされる。そこからが化学反応の始まりであり、一気にドラマの世界がつくられていく。


特に企画が自分である以上はなるべく早く、わかりやすいコンセプトを!!と思うがこれがなかなか難しかったりもするのである。


2、フォーマットの構築


制約を課すほどに、ドラマ作りのポイントは絞られていくのである。

制約がないところから、形にできるのは世界観を確立した一流の作家だと思う。

フォーマットをつくると世界観を共有しながら、作家なり監督なりがスパイスを加えていきやすくなるというメリットもあるのだ。



作れば作るほどに、ドラマ作りの奥の深さを思い知らされるのだった。