エル・シド | 与那国民族資料館

与那国民族資料館

日本の最西端、国境の海にポッカリと浮かぶ与那国島にある私設資料館です。

 旅行書に中世の英雄エル・シッドゆかりの町、ブルゴスとあった。

 エル・シッド? えっ『エル・シド』のこと? 見たよねこの映画。中学生の頃。U君と一緒に。

 僕の人生のパラパラ漫画がめくれるたびに、懐かしさと後悔が交互に蘇る。

 

 平和通りから桜坂を抜けて国際通りに至る途中にグランドオリオンという当時沖縄で唯一70ミリ映画が上映できた映画館があった。僕とU君は週末ごとに通い詰め、心躍る日々を過ごしていた。しかし半世紀を経た今、多くの作品の題名は思い出せても残念ながら物語が思い出せない。

 『エル・シド』もそうだ。

 

 サンタ・マリア門のエル・シドは立派な剣を捧げ持つ3頭身の偉丈夫だった。

 

エル・シド

 

 「なあU君、あの剣で敵の戦士の肩口を切りつけたんだよね」と 振り返ると

 「えーぇ、そうだったぁ」と 疑い深そうに妻が答えた。