前回からご報告している工事の続きです。
東大寺の北、北御門町の五劫院さんにて、新しいお墓を建てさせていただくという作業です。
ありがたいことです。
また、お施主さんは奥明日香にも墓所をお持ちであり、そちらは墓じまいするということで、解体撤去作業については前回ご紹介しました。
今回からはリフォームを含む新規建立工事についてとなります。
では早速、現場をご案内いたしましょう。
五劫院さんの境内墓地にある区画は次のようなところです。
ご覧のように、4寸幅の延石でシンプルな四角形に囲われています。
こちらの巻石のリフォームから入ることになりますが、通常の巻石リフォーム工事というと、現状のものを解体してそのまま据え直すことです。
ただこちらは、向かって左側の隣接区画をはじめ、周辺の墓所に合わせるために、巻石の高さを上げることになりました。
当然、現在使われている石では足りません。
しかし現状の延石もまだまだ十分きれいなものであり、捨ててしまうのは惜しい、ということで追加の部材を発注して現状の石と組み合わせ、新たに背の高い巻石を設置することに決まりました。
ですのでやや複雑な工事にはなりますが、新規の材料をただ据え付けるよりも、石工としての腕の見せ所と言えるでしょう。
写真は元の巻石を解体したところです。
遠目には、なんだまだ石が残っているじゃないか、と見えるかもしれませんが、枠の形に残っているのは元の基礎です。
なかなかしっかりした基礎が入っていました。
といって、古い基礎を再利用するわけにもいかないので、これは壊して運び出し、新しい基礎を施工します。
巻石基礎はいつもご紹介している通りですが、まず足元を支える杭を打ち込み、その上にクラッシャー(砕石)を敷いて、鉄筋を組み、延石をセメントで据え付けていくことになります。
さて、新しい巻石ですが、先に触れたように、元の部材を利用しつつ従来より背を高くします。
具体的には、二段式の巻石とします。
上の写真の基礎の形状からわかるように、地面と接する一段目には、新規発注した大きめの延石をシンプルな四角に巻き、その上に元の延石を横向けに使う形で載せて二段目とします。
二段目にはくり階段を付けますので、階段部材は新規の石で製作しますが、それ以外は基本的に元の石を再利用します。
区画の仕上がりの大きさは、本記事一枚目の写真から変わるわけではないので、元の寸法の石をほぼそのまま使えるというのがミソですね。
ではまず一段目を据え付けたところの写真です。
区画を裏から正面に向かって見たところです。
この一段目はすべて新規部材です。
石同士の合口には、いつものように内側から補強用のステンレス金具が取り付けられています。
この上に、元の延石が載せられることになりますが、本日は少し長くなってまいりました。
この辺りで稿を改め、次回、続きの作業をご覧いただこうと思います。
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