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SMD工房です
■作成したもの: 残光刀(POV SWORD)
<作成のきっかけ>
全集中で有名な某アニメを視聴していたところ、「刀を振ることで刀から様々な効果が発揮され、敵を切り刻む姿」に中二の心がうずきました。
この刀を作って、振りかざしてみたいじゃないですか!
数年前に頂いたアイデアで実現できそうです。
ということで、作りましょう!
LET'S MAKE!
<作成方針>
・基板の大きさ: 全長500mm (基板製造できる最大サイズ)
・柄(握り手) : リポバッテリー18650を握る形にする
・基板形状: 刀の形にし、半田レベラーで刃紋を形成する
・LED: すべてシリアルLED2mmとし、可能な限り配置する
・画像&音データ : SDカードから読み込む
・データ切り替え : ボタンでデータを順番に切り替える
・電源 : リポバッテリーから降圧、昇圧して必要な電源を取る。USBから充電も可能にする。
<主な部品>
・シリアルLED : HD107S 片面128個x2 = 両面256個
・リポバッテリ : 18650
・CPU : STM32H722
・スピーカー : UM1515IA085008
・DC-DCコンバータ : SDB628
・加速度センサ : ADXL345
・SDCardスロット
・USB端子
<作成した基板(表)>刃紋が本物っぽいでしょ?
<作成した基板(裏)>
<部品を実装した基板(表)>今回も手はんだです
<部品を実装した基板(裏)>こちら側はまだLEDが未実装
<動作確認1> 水の呼吸!
<動作確認2> ヒノカミ神楽?
<動作確認3> 雷の呼吸?
<動作確認4> 蟲の呼吸?
SDカードにデータを入れればいくらでも技(?)は増やせます。
<失敗談>
・電流を大量に食うのため、Power Pathに使用していたFETが焼けました。
開発当初、FETにFDN306Pを使っていましたが、
128個のLEDを全て光らせると、1A以上流れます。FDN306Pは定格1Aなので、燃えるの当たり前ですよね・・・
・DC-DCコンバータのチャージポンプ用のショットキーバリアダイオードに1N5819を使用していて、これも燃えそうになりました。
FETが焼けたので、他の部品は大丈夫なのか?と、不安になり、サーモカメラで基板の温度を計測したところ、ダイオードが燃える寸前でした。
FETはAO3415Aに、ショットキーバリアダイオードはSS2040FLに変更しました。
<感想>
・煙が出た時は焦りました。考えてみたら、自分は過去、一度に大量に電流を流すような構成の電子工作をしていなかったため、今回のような大量の電流が流れることが当たり前の構成に対し、煙が出るまで、大量電流をに耐えられる部品へ変更する必要があることに気づきませんでした。
・シリアルLEDは便利です。いくらでも数珠つなぎで長くできます。
従来の基板ではLEDドライバーが複数個必要であった事に対し、今回の基板は構成がシンプルです。
・今回のシリアルLEDは足が無いので、全部ヒートガンで実装しています。割と熱に弱いので温度と時間の調整に苦労しました。
・シリアルLEDにHD107Sを使っている理由はSPI で転送時間を短くするためです。128個あっても一回のデータ転送は157usで終わります。
SPIのシリアルLEDはAPA102などがありますが、POVには向かないという情報をネットで見たのでHD107Sにしました。出力結果を見る限りこれはPOVに使えそうです。
・秋月の200円で売っている表面実装用のダイナミックスピーカー。一度使ってみたかったのですが、割と音が悪いです。低音が出ないので迫力に欠けます。
・刀の振りを検知するのに加速度センサ使用しています(elchikaに投稿した砂時計で一度使ったもの)。無駄に3軸検知していますが、使っているのは1軸だけです。
・振り始めた時の加速度を検出する必要があり、検知方法にちょっと工夫が必要です。
・絵の更新タイミングを加速度に合わせて変えると常に同じ大きさの画像が出るのではないかと思いますが、多くの実験を重ねる必要があり、現在は保留です。
<残光刀の動画>