賃貸マンションやアパート経営で考えなければいけないのが、キャッシュフロー、お金の流れです。多くの人が、家賃は毎月入ってくるものと、勘違いしています。
確かに、景気のいい時代は家賃は毎月入ってくるものでした。賃料も上がることはあっても、下がることはないというのが賃貸経営のメリットでした。
しかし、それも今は昔。今の賃貸市場といえば、家賃滞納が起きるのは当たり前。賃料は更新のたびに下がり、更新料も以前のように大手を振って取ることもままなりません。
その中でも特に大家さんを悩ませているのが、家賃滞納です。不良賃借人ならいざしらず、今まで真面目に賃料を払っていた借家人がある日突然、滞納をはじめるのです。
理由は、ほとんどが経済的理由。1週間、2週間遅れるのは可愛い方です。1か月、2か月、場合によっては半年、1年というケースも珍しくありません。
当然、支払いを請求するのですが、強引に取ることはできませんし、1~2か月滞納したからといって、すぐに追い出すこともできません。それなりの手順を踏まないと、逆に訴えられてしまいます。
その間は、どうなるかといえば、すべて大家さんが負担することになります。不思議に感じられるかもしれませんが、家賃を滞納されても、それは未収入金で税法上は収入として利益計上しなければなりません。実際には手元にお金が入っていないのに収入として、税金を納めなければならないのです。
そのため、アパートローンを組んで賃貸経営している人や、住宅ローンを組んで購入したのだけど、転勤のためやむを得ず部屋を貸しているという人は、ローンの支払いと、本来入ってくるはずの家賃と、税金まで支払わなければならないのです。
泣きっ面に蜂とは、まさにこのこと。多くの大家さんがこの状況に直面してはじめて、賃貸経営の難しさに気付くのです。
お金が不足してもそれを補うだけの蓄えがあればいいのですが、蓄えが少ないとどうなるか?最終的には、アパートローンや住宅ローンの支払いができなくなり債務不履行。物件は差し押さえられ、競売に掛けられ、債務だけが自分に残されます。
正直、そんなケースをたくさん見てきた私としては、賃貸経営は余裕のある人がやるべき事業だと思っています。アパートローンを組んで物件を買うことはいいのですが、何か起きたときに自己資金でしのげるだけの余裕がなければリスクが大きすぎるのが賃貸経営です。
予期せぬことが頻繁に起きるのが今の時代です。
サラリーマンの賃貸経営は慎重に考えましょう。
田園都市線、東横線、港北ニュータウン周辺の物件を徹底取材。新築一戸建てから中古マンション、土地に至るまで、どこよりも豊富な写真と現地レポートで物件の魅力をお伝えします。