指摘されているネオニコチノイド系農薬の一部が
市販の国産蜂蜜中に残留していることが、
河野公栄(まさひで)愛媛大農学部教授らの研究チームの
分析で十八日、明らかになった。
人は蜂蜜を食べる量が少ないため健康に
問題がない濃度とみられるが、ミツバチへの
悪影響が否定できないレベルという。
河野教授は「ミツバチが長期間にわたって蜂蜜を
摂取した場合の影響について、詳細な検討が必要だ」
と指摘している。
研究チームは市販十三種の蜂蜜で、ニテンピラム
やアセタミプリドなど七種のネオニコチノイド系農薬の
濃度を調査。
アセタミプリドが全ての蜂蜜から検出され、最高は
一ミリリットル当たり五・九ナノグラム(ナノは十億分の一)
だった。
ニテンピラム、チアクロプリド、チアメトキサムも一部から
検出され、最高はチアクロプリドの同十六ナノグラムだった。
得られたデータを基に、ミツバチへの影響が特に大きい
とされるチアメトキサムの生涯摂取量を試算すると、
短期間に摂取した場合にミツバチの半分が死ぬ量
(半数致死量)の約二分の一に達するとの結果となった。
すぐに死ぬことはないとしても、何らかの悪影響が懸念され
るという。
◆影響調査が急務
山田敏郎・金沢大教授の話 ネオニコチノイド系
農薬の残留基準値は、蜂蜜では定められていないため、
国が決めた一律基準の〇・〇一ppmが適用される。
今回、検出された濃度はこの値の五分の一以下なので、
国の基準から判断すれば、通常の摂取量では人間の
健康には問題のないレベルだろう。
だが、ミツバチにとっては、かなり濃度が高いので
影響が懸念される。詳しい汚染実態やミツバチへ
の影響の研究が急務だ。
<ネオニコチノイド系農薬> とは。
タバコに含まれるニコチンに似た物質を
主要成分とする農薬の総称で、1990年代
から殺虫剤などさまざまな用途で使われる。
神経の働きを阻害して昆虫を殺す。
欧州連合(EU)の欧州委員会
はお5月、クロチアニジン、イミダクロプリド、
チアメトキサムの3種の農薬を、12月から
当面2年間使用禁止にすると決めた。
日本は
農薬メーカー側の「科学的な結論が明確になって
いない中、多くの反対を顧みずに実施され
行き過ぎだ」と反発している。
住友化学です![]()
住友化学「EUのネオニコチノイド剤規制に対する住友化学の見解」
(2013年5月27日)
ミツバチが一瞬にして死ぬ…
浸透性農薬「フィプロニル」も原因の一つ
また、最近では、ネオニコチノイドの他に同様
の浸透性作用のある殺虫剤として使用
されている「フィプロニル」のミツハチや赤とんぼ、
その他昆虫などへの影響も指摘されています。
これも神経毒性があり、ミツバチ大量死の
原因として注目されています。
フィプロニルは農薬としてだけではなく、
ペットのノミ駆除、アリ駆除、ゴキブリ駆除など
の家庭内殺虫剤としても使われますので、
みなさんも知らずに使っているかもしれません。
例えば、ゴキブリ駆除として、台所に置くタイプの
バルサンなんかは、フィプロニルを使用していますし、
ペットのノミ駆除として有名なフロントライン
という商品もフィプロニルを使用しています。



