2017年度から新制度による後期研修が開始されることをご存知でしょうか?
現在は初期研修2年間を修了したら、自分の目指す専攻科(内科、外科、小児科、産婦人科、整形外科、リハビリテーション科、脳外科、精神科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、形成外科、麻酔科、救急科、放射線科、病理、臨床検査の18診療科から選択)の専門医取得のための研修を3~5年間行い試験を受けます。ただし内科は1年間の研修で認定医試験を受け、その後に消化器、循環器、呼吸器などのサブスペシャリティーに進みそれぞれの専門医を取得することができました。しかし新しい制度では3年間の総合内科的修練を終え内科専門医となってからになります。内科があまりにも臓器別に分化しすぎた弊害を反省しこのような制度変更の運びになったようです。そして第19番目の基本領域専門医として『総合診療医』の研修制度ができます。NHKで放送されているドクターGのようなスーパードクターだけを念頭に置いたものではなく、超高齢化社会の基盤となる地域包括ケア制度を支える医師の養成にも力を注ぎます。全ての科で言えることですが、専攻医は基幹研修施設のプログラムに従って地域の病院を含めたローテーションをすることが義務づけられています。大学や都市の大病院に偏在することがないよう指導医数と症例数に応じた研修医の割り振りがされますので、必然的に基幹病院と連携病院のネットワークができているかがプログラムを選択するポイントになります。当院は現在、内科、救急科、総合診療科で基幹施設となる研修プログラムを策定中です。その他の診療科は大学等の連携施設になる予定であり、後期研修の場を提供していくことには変わりありません。来年6月には専攻医募集が始まりますので、それまでに当院の公募研修プログラムもご覧いただけると思います。
(プロ責:M.N.)
 北海道医療センターの病院祭り『いきいき三角山フェスタ』が今週末開催されます(9月5日土曜日午前10時~午後2時)。当院の研修医の皆さんが縫合手技体験や気管挿管体験のコーナーで日頃の研修の成果を皆様に披露します。BLS(一次救命処置)体験、手洗い体験、ロコモチェックと運動指導、血管年齢検査、体成分検査、顕微鏡を覗いてみよう、など体験・検査コーナーが充実しており、健康の大切さを実感できる内容が満載です。キッズコーナーでは子ども達が楽しめる催しをたくさん用意しています。ステージでは当院職員(私もPianoとViolaで出演します)と札幌医大室内楽合奏団の学生による室内楽コンサートを行います。どうぞお出で下さい。
(プロ責 M.N.)
毎週金曜日の朝8時からはモーニングレクチャーを研修医自らが講師となり行っています。昨年度までは各診療科のスペシャリストによる講義が中心で一方通行の座学になりがちでした。そこで研修医自らテーマを決め関連診療科の指導医の監修のもとプレゼンを行っています。発表者から聴講者へ読影所見や背景知識に関する鋭い質問が発せられ、朝の眠気を払うカンフル剤になっています。
ちなみに先週は『航空医学(航空機内での救急医療)』そして今週は『多発外傷』でした。いずれも2年目の研修医の先生がプレゼンしてくれましたが、ストーリーの組み立てやグラフィックを駆使して判り易くする工夫など長足の進歩を示しておりました。
毎日のように学生さんが研修見学に訪れてますが、研修医がコンシェルジュ役として付き添い当院の研修の雰囲気を伝えて研修病院を選択する大きな力になっています。
今年度から臨床研修部の行事の一部を研修医自らスケージュールをたてることをお願いしています。
6月23日は第2回の臨床研修症例報告会が開催されました。
1)2年目研修医O先生
「夜間睡眠中の異常行動を主訴とする前頭葉てんかんの一例」(小児科)
2)2年目研修医I先生
「小児十二指腸潰瘍穿孔8歳男児の1例」(小児科、外科)
1)は発作時のビデオ脳波検査が診断に結びついた症例で、睡眠障害の鑑別疾患として本症の特徴を明快に説明されていました。遺伝学的診断の可能性も示唆されました。
2)は小児では非常に稀な病態ですが、フリーエアを画像診断で見逃さないこと、急性虫垂炎での穿孔との鑑別とための理学的所見が議論になりました。病因検索とその考察もよくされておりました。

報告会のあとは2人の演者と小児科ポリクリ中の学生を囲んで、近くの日本料理店で反省会をし大変盛り上がりました。

(プロ責M.N.)
連休明けから抄読会が開始され、トップバッターは2年目研修医のI先生がEarly versus late parental nutrition in critically ill adults. (NEJM 2011; 365:506-17)を読んでくれました。ICU患者の栄養管理、特に経静脈栄養開始のタイミングについて日常の臨床で疑問に思っていたことを解決すべく、論文のデーターを基に解説しました。早期の経静脈栄養開始が決して予後改善や感染症等の合併症予防につながらない事を示唆する内容で経験による慣習的な治療を見直す機会になりました。
また今朝はモーニングレクチャー第1回目で2年目研修医ON先生により『輸液のつかいわけ』の講義がありました。生理的なメカニズムを重視した極めて実戦的な内容で、1年目の研修医の皆さんもこれからの実践にすぐ応用できるでしょう。ポリクリで小児科実習中のS医大6年生も参加して初期研修の雰囲気を感じ取っていました。
(プロ責MN)
4月27日に研修医とその指導医、各科の医師が集まり症例報告会を行いました。
A先生(初期研修医2年目)は呼吸器内科で経験した「喫煙を契機に発症した急性好酸球性肺炎の1例」で興味深い臨床経過と検査所見、さらに鑑別診断も含めたCT画像の読み方を発表しました。またB先生(初期研修医2年目)は「肺炎球菌ワクチン既接種の幼児に発症した侵襲性肺炎球菌感染症の1例」で、ワクチンが無効な莢膜血清型が分離されたことから今後の小児と高齢者のワクチン開発について論議されました。続いて統括診療部救命救急部救急科 診療看護師のY先生により「特定行為に係る診療看護師の研修制度 =Nurse Practitioner(NP)とは=」を講演していただきました。Y先生は東京医療保健大学大学院で2年間の修士コースを修了しこの度当院初めての診療看護士として赴任されました。今後の活躍を期待し看護部からもたくさんの方が来場していました。
(プロ責MN)
4月26日(日)に札幌コンベンションセンターにて医学部学生への臨床研修病院説明会が開かれました。今年のブースは一番奥の端っこの目立たない場所でしたので医学生の皆さんが来てくれるが心配でした。特に午前中は出だしが鈍かったのですが、現研修医が積極的に勧誘して当院ブースへ案内し、結局終了時刻過ぎまで途切れる事ありませんでした。6年生はマッチングに向け研修プログラムや採用条件を詳細に質問していましたし、5年生は今後の見学の希望や新専門医制度への不安を話してくれました。臨床研修病院としての当院への期待を更に強く感じた一日でした。
(プロ責MN)
今年の国立病院総合医学会は10月2~3日に札幌(http://www2.convention.co.jp/nms69/)で開催されます。当院に事務局があり昨年の横浜学会終了後から多方面に亘り準備を進めています。多くの1年目研修医にとって全国学会へのデビューとなりますので、研修開始したばかりですが学会抄録の用意もお願いしました。一般演題とは別に「若手医師フォーラム」というセッションがあり、英語での口頭発表の機会が与えられます。各分野の国内学会では英語を公用語としたりアジア各国との共同シンポジウムを開催したりして、bilingual であることが益々求められるようになります。当然のことながら正確な日本語でカルテを書くことも忘れないで欲しいです。
 平成26年度も最後の日となりました。転出者の挨拶も一段落して、明日から始まる新採用者研修に向け資料や会場の準備が慌ただしく行われています。
 27年度新採用の1年目研修医は8名です(男性7名、女性1名)。医師国家試験合格発表後、メールを用いて研修ローテーションの打ち合わせを行っていますが、皆さんそれぞれに新たな研修への思い入れが伝わって来ています。明日は辞令交付後、院長挨拶に引き続き病院全体の仕組みの説明に1日が費やされます。医療安全や感染管理は指導医のみならず研修医も常に注意を払わなければいけない病院経営の肝です。また技術や知識の習得だけではなく、医療人としての人格の涵養が益々社会から求められています。
 新たなプログラムでは2年目研修医がメンターとなって1年目を導くようにしました。5人の2年目研修医の方々には、学会・研修会係、抄読会・救急症例報告会係、モーニングセミナー係、リクルーター、研修医症例報告会・CPC係、当直係を分担し屋台骨を支えていただきます。医局の人事異動により指導医のスタッフも入れ替わりますが、各科ともベテランから若手まで熱心に研修医教育に参加いたします。
 27年度は13人の管理型研修医に加え、北大や道内の国立病院機構の研修医が救急や小児科の研修に加わります。10月には当院主催の国立病院総合医学会を札幌で開催しますので、研修医の皆さんも大きく羽ばたくチャンスになるでしょう。
(プロ責M.N.)
今日から北海道医療センター付属看護学校を会場に、「救急初療パワーアップセミナー」が開催されます。この研修は国立病院機構主催による良質な医師を育てる研修の一環で全国から40人の研修医が集まります。人気の高いタイトルの一つで、冬の北海道を経験しようと遠く熊本からもたくさんの研修医に応募いただきました。2日間で様々な救急場面に即応する基本をみっちり叩きこまれます。札幌もようやく本格的冬に突入しインフルエンザが流行してきましたので、体調を崩さず研修の成果を持ち帰っていただきたいです。
私自身も現在、立川市にある災害医療センターで3日間の災害医療従事者研修を受講中です。午後の災害対応演習が最後のプログラムですが災害医療拠点病院としてたくさんの宿題を抱えて帰札することになります。
(プロ責MN)