SUBTRACTOR POLYPHONIC SYNTHESIZER

SUBTRACTOR ポリフォニック シンセサイザー

 

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 前回までで、プレイパラメーター以外のSUBTRACTORの機能はすべて解説しました。そして、土台となるcombinatorパッチを作ったところで終わりましたね。

 

 今回は、何か音色を一つと、combinatorを少し改変してみましょう。

 

 SUBTRACTORをリセットすると、画像のような状態のはずです。もちろんここでは、combinatorパッチでマウントしてください。

 

 このリセット時の状態を見ると、OSC 1のWaveformは、Sawtoothが選ばれています。

 ここから一番、作りやすい音色は、おそらくSynth Brassだと思うので、Synth Brassを作ってみましょう。

 

 Sawtoothといえば、Synth Brassというくらい簡単なんですが、簡単なだけにキャラクターは様々です。リード、パッド、パーカッシブなもの等々。

 

 今回はSynth Brassに基本パッチのようなものを作っておきましょう。

 

  1. 念のため、デバイスをリセット
  2. OSC 2をオン
  3. OSC 1とOSC 2をディチューンさせる。
    OSC 1 Cent: 4
    OSC 2 Cent: -3
  4. 音色確認
 今、オシレータセクションだけをいじりましたが、この段階の音を聴いて、「これは◯◯になるな」って、想像ができるようになると、いいと思います。
 
次に、AMP ENVELOPE アンプ・エンベロープをいじりましょう。
まず、スタートラインとして、A0、D0、S127、R0にしましょう。
 
A0、D0、S127、R0というのは、何の音量的変化もなく聴けるセッティングなので、何が足りないのかわかりやすいポジションです。
 
ブラスは、吹いてる間はずっとなってるし、吹くのをやめれば、すぐ止まるので、
とりあえず、AMP ENVELOPEはこのままでいいでしょう。
 
ブラスの特徴としては、音色自体が、極端にいえば不安定。
これをシンセ的にいうと、カットオフが開いて閉じる感じの音なんですね。
この辺を表現するのは、FILTER ENVELOPEになります。
 
FILTER ENVELOPEは、FILTER 1のFreq(カットオフ)をエンベロープで上げ下げできます。
 
ここを設定してみましょう。
 
  1. FILTER 1のTypeをLP 24に変更する
  2. FILTER 1のKbdを40に変更する
  3. FILTER ENVELOPEを以下のように設定
    A: 36
    D: 90
    S: 0
    R: 40
    Amt: 32
  4. 音色を確認して、以下をいじって好みのキャラクターに変更する
    FILTER ENVELOPEのA
    FILTER ENVELOPEのAmt
    FILTER 1のFreq
ここでは、とりあえずFILTER 1のFreqを36にしました。
 
また、FILTER 1のTypeをLP 12に変えてもいいでしょう。
 
ここからは、第2段階。
出来上がったキャラクターに味付けをしていく段階です。
 
現在、AMP ENVELOPEはA0、D0、S127、R0ですが、
ブラスの音を
「吹いてる間は、ずっとなり続けている」というのをS127で表現するのは、あまりに完璧すぎるんですね。
ここを修正しましょう。
「だいたい吹いてる間は、なり続けてる」に変更しましょう。
これを、「長い時間をかけて、ちょっぴり減衰する」という風に見れば、
D127で、Sをやや下げる。110程度でいいでしょう。
 
また、立ち上がりの不安定さを表現するために、Aも少し上げておきましょう。
そして、これは本物のブラスをシミュレートするのではなく、シンセブラスなので、Rも少し上げちゃいましょう。
 
 
  1. AMP ENVELOPEを以下に変更する
    A: 36
    D: 127
    S: 112
    R: 36
もっと、立ち上がりの不安定さを出したいですね。
MOD ENVELOPEを使いましょう。
 
  1. MOD ENVELOPEを以下のように設定します
    Invertスイッチ: オン
    D: 40
    Amt: 48
    Dest: OSC 1
大分、シンセブラスっぽくなってきました。
 
もっと、揺らしたい。
今、MOD ENVELOPEでOSC 1をいじりましたので、今度は、LFO 1でOSC 2を揺らしてあげましょう。
ここは考え方になるんですけど、いじるのは全部OSC 2でOSC 1は相対的にドライな音にしておくって手もありますので、状況に応じて使い分けましょう。
 
  1. LFO 1を以下のように設定します。
    Waveform: Soft Random
    Rate: 24
    Amount: 12
    Dest: Osc 2
一応、これで完成としておきましょう。もちろん、楽曲によってキャラを変えていくことになると思うので、基本のシンセブラスパッチとしてください。
 
では、SUBTRACTORでパッチを保存します。
 
次に、このシンセブラスのcombinatorパッチを作ります。
 
ここからは、楽曲、好み、気分に左右される部分ですが、一例として。
 
コーラスをかけて、さらにステレオ感を増すセッティングをしてみたいと思います。
 
コーラスは、CF-101ですね。
Chorusは前回、マウントしているので、combinatorのChorusボタンをオンにします。これでコーラスはオンになります。
多少、モジュレーションがきついので、CF-101のMOD AMOUNTを下げます。
一応、32としました。
 
今回は、これにMClass Stereo Imagerを追加してみたいと思います。
ステレオ感を出す場合は、低域は狭めて、高域は広げますが、シンセブラスは高域の成分が多いので、なるべく高域が広範囲で広がるような感じで設定します。
 
X-OVER FREQ: 319 Hz
LO BNAD: -40
HI BAND: 40
 
一応、ここでcombinatorパッチとして保存しましょう。
 
今回、DDL-1は使っていませんね。
ここで作ったのは一例なので、DDL-1の代わりにRV-7やRV7000 Mk IIを入れてもいいと思います。
 
なるべく、クセがないように設定しているつもりですので、ここから、自分好みの感じに仕上げていってください。
キャラ設定をする時は、エフェクターはバイパスしてください。
 
FILTER 1のFreqをもっと閉じるとキャラクターが変わります。
FILTER ENVELOPEのAを上げる場合はAMP ENVELOPEのAは下げた方が設定しやすいと思います。
 
シンセブラスだけでも、いくらでもパッチは作れますので、
様々なキャラクターのシンセブラスに挑戦してみてください。