SUBTRACTOR POLYPHONIC SYNTHESIZER

SUBTRACTOR ポリフォニック シンセサイザー。

 

Reasonの30日間無料試用

 

前回はオシレーターセクションの途中まで。

 

  1. Waveformで波形を選択
  2. Oct、Semi、Centでピッチを決める

以上の基本操作に加えて、

 

OSC 2やNOISEをオンにして、Mixノブでブレンドが出来る。

また、ピッチを一定にしたい場合は、Kbd.Trackをオフにする。

 

ここまで、やりました。

 

 Waveformで波形を選ぶと、音色の基本的なキャラクターが決まりますが、この波形を、モジュレーション(変調)させることが、オシレーターセクション内でできます。

 

フェイズ オフセット モジュレーション

 

オシレーターセクションの左端にあるPhaseとModeが、フェイズオフセットモジュレーションです。

Modeボタンを押すことで、×、-、◯という3つのモードが選択できますが、

これは、掛け算、引き算、何もしないという意味になります。

 

フェイズオフセットモジュレーションが×または-の場合、オシレーターで選択している波形をもとにして演算が行われて、波形が変形されます。

 

イメージとして、□という波形があったとして、Modeで、×または-が選ばれると、まず、□が元の□に重なって複製されます。

この重なり合った□同士を掛け算または引き算するわけですが、Phaseノブが0の状態は、寸分違わず重なり合っている状態なので、ここで引き算をすると、□が消えてなくなります。

□のラインが、ピッタリ重なっているので、重なってるラインは複製した□によって消されてしまうということです。

当然、このオシレーターは音が出なくなります。

 

それでは意味がないので、Phaseノブによって、複製した□をずらしてあげます。

このずれによって引き算をしても、残るラインがあり、結果として、新たな波形を作り出すことが可能になります。

 

掛け算の場合も原理は同じですが、掛け算の場合、結果は想像しにくく、劇的に変化します。

 

FM(周波数変調/フリケンシーモジュレーション)

 

次に、FMです。これはオシレーターセクションの右上にあります。

FMとはフリケンシーモジュレーション(周波数変調)のことで、FM音源の変調方式を利用できます。

 

FMでモジュレーションを起こすには、キャリアーとモジュレーターという2つの役割をする別々のオシレーターが必要です。FM音源の場合、これをオペレーターと呼んでいますが、このFM音源のオペレーターの役割をSUBTRACTORでは、オシレーターで行います。

 

それでは、FMの実験

 

  1. デバイスをリセット(コンテクストメニュー)
  2. MixノブをOSC 1側に振り切る(値:0)
  3. OSC 1をSineに変更→サイン波の音が鳴ります。
  4. OSC 2をオンにしてTriangleに変更。しかし、Mixノブは0なのでOSC 2の三角波の音は鳴りません
  5. OSC 2をFMのモジュレーターとして使います。キーボードを弾きながら、FMノブをゆっくり回していきましょう。FMされたOSC 1の音が鳴ります。
  6. OSC 2のSemiの値をゆっくり7まで変更します。
  7. さらにSUBTRACTORではOSC 2の三角波の音もMixノブでブレンドすることができるので、試してみましょう。
 

6で、音色が大きく変化するのは、FMは、周波数を基にして変調させるものなので、オシレーターのピッチが変われば、周波数も変化しているので、変調のされ方も変わるということです。

 

6でSemiを7にしたのは、Semi7とは半音7個分ですので、完全5度上という音楽的な間隔になるからです。前回、掲げたハーモニクスの表の間隔を使うと、リッチな音色になります。

非音楽的な間隔に設定した場合は、より複雑な音色になります。

 

この考え方は、PX7やLogic Pro付属のEFM1、Retoro SynthのFMでも原理は同じですので、そちらでも応用できます。

 

また、OSC 2の代わりにNOISEジェネレータを使用することもできます。それはOSC 2とNOISEの出力が内部的に接続されているからです。両方を使ってFMすることも可能です。

 

リング モジュレーション

 

SUBTRACTORのリングモジュレータは、OSC 1の周波数にOSC 2の周波数が掛け合わされた上で、二つのオシレータの周波数の和と差が生成され二つのオシレーターに割り振られます。

FMに似て非なるものですが、リングモジュレーションをする場合も、二つのオシレーターの間隔を音楽的にすることで、リッチな音色を得られます。

 

リングモジュレーションの実験

 

  1. デバイスをリセット
  2. MixノブをOSC 2側に振り切る(値:127)
  3. OSC 2をオンにする
  4. オシレーターセクションの右下にあるRing Modボタンをオン/オフして音を確かめる
  5. OSC 2のSemiを7まで、一つづ音を確かめながら上げていく
 

ノイズジェネレーター

 

先ほども説明しましたが、SUBTRACTORのNOISEの出力はOSC 2と内部で接続されています。

ノイズジェネレーターで純粋なノイズを得たい場合、OSC 2をオフにする必要があります。

ノイズジェネレーターには、

 

  • Decay
  • Color
  • Level
以上、3つのノブがあります。
 
  • Decayはノイズが発生して消えるまで、どれくらいの時間がかかるのかを設定します。
  • Colorはノイズのキャラクターを設定します。この値が127のとき、すべての周波数が等しいホワイトノイズを発生させることができます。0に向かうに従ってノイズのキャラクターは暗くなっていきます。
  • Levelはノイズのボリュームを設定します。
 
 前回と今回で、SUBTRACTORのオシレーターセクションをすべて解説しました。
オシレーターセクションだけでも、様々なサウンドを作り出せることがお分かりいただけたと思いますが、シンセのサンドメイクとしては、ほんの入口で、まだまだ劇的に音色を変化させることのできる機能があります。
 
 次回は、エンベロープについて解説します。