Propellerhead ReasonのMIDIノートのレコーディングは、リアルタイムレコーディングが前提になっている。

 

 MIDIキーボードでの演奏が得意でない場合は、テンポを下げて、トランスポートパネルにある「Q RECORD」をオンしてレコーディングすれば、クオンタイズされた状態でノートのレコーディングができるので試してみよう。

 

 だけど、もちろんステップ入力もできる。ただし、その場合、MIDIキーボードは使えない。

 

 ツールを選択して、クリックやドラッグすることで、ノートを編集していく。

 

 まず、ツールを覚えてしまおう。

基本ツールはこれだけだ。

 

左から

選択ツール

鉛筆ツール

消しゴムツール

ナイフツール

ミュートツール

虫眼鏡ツール

ハンドツール

 

順番に、Q、W、E、R、T、Y、Uのキーがショートカットになっている。

そう所謂、qwerty配列の順番にツールが割り当てられているから、

覚えなくても、使えてしまうショートカットキーだ。

 

あるツールを選択している時、Commandキー、WindowsではAltキーを押しながら使用することで、別のツールに切り替えて編集ができる。

Logic Proでは、自分で設定するが、Reasonでは固定だ。

 

切り替わるツールは、それぞれ、

選択ツール→鉛筆ツール

鉛筆ツール→選択ツール

消しゴムツール→鉛筆ツール

ナイフツール→鉛筆ツール

ミュートツール→ナイフツール

虫眼鏡ツール→ハンドツール

ハンドツール→消しゴムツール

以上のような関係で切り替わる。

 

Reasonには、ソングモードとブロックモードがあるが、基本的な編集方法はどちらも同じだ。ブロックは、曲の構造化のためのモードで、ソングモードが通常のモードだ。

 

今回はソングモードを使う。

シーケンサーの画像の部分をトラックリストと呼ぶ。

現在、4つのトラックがあるのがわかる。

上から、

トランスポートトラック

VOXという名称のオーディオトラック

VOX Doublingという名称のオーディオトラック

PARSEC 2という名称のインストゥルメントトラック

 

MIDIノートの編集の対象になるのは、インストゥルメントトラックだ。

PARSEC 2トラックは、

ラック上のデバイス PARSEC 2のトラックだ。

そして、このデバイスであるPARSEC 2は、

PARSEC 2という名称のMIXチャンネルに属している。

 

PARSEC 2 ミックスチャンネルは、メインミキサーのPARSEC 2 チャンネルストリップに対応している。

この関係は理解できただろうか。

 

シーケンサー上のPARSEC 2インストゥルメントトラック

ラック上のPARSEC 2デバイス

PARSEC 2デバイスが所属するPARSEC 2ミックスチャンネル

メインミキサーのPARSEC 2 チャンネルストリップ

 

相関関係は常に頭に入れておこう。

 

さて、今回、編集したいのは、シーケンサー上のPARSEC 2インストゥルメントトラックだ。

 

リアルタイムレコーディングの場合は、録音することで勝手にクリップが作られるが、

ゼロから編集したい場合は、手動でクリップを追加する。

クリップはデータの入れ物で、LogicやGarageBandではリージョンと呼ぶ。

 

何もないPARSEC 2インストゥルメントトラックのレーン上で、鉛筆ツールでクリックすれば、クリップは作成される。

選択ツールを選択していればcommand(alt)+クリックだ。

 

クリップの拡大・縮小は、画像の下部のエリアで操作する。

ウィンドウサイズに合わせるときはZを押せばいい。

 

このソングモードでの編集は、クリップに切り貼り・移動・複製・削除等。

 

今回はMIDIノートの編集をやるので、ソングモードでエディットモードに入る。

編集したいクリップをダブルクリックすることで、エディットモードに入れる。

 

所謂、ピアノロール画面です。

これをReasonでは、キーエディットと呼ぶ。

考え方は簡単で、左側のピアノのキーが示すクリップの各列が、音程を表す。

ドレミファソラシドならば、

こうなる。

ドレミファソラシドは和名ハニホヘトイロハだが、

MIDIでは英名のCDEFGABCを使う。

また、それに加えてオクターブを表現する必要があるので、

C3とかC4という国際式表記を使う。

MIDI規格では、中央のドは、C4なのだが。

実際は、音色依存だと思っていた方がいい。

また、端っから中央のドをC3と規定しているYAMAHA式というものもある。

中央のドに関しては、規格よりも音色が発する音程を信じよう。

 

上の画像をMIDIノートとして音程を書けば、

C3D3E3F3G3A3B3C4

ということになる。

 

さて、楽典から考えれば自明だが、楽譜にある情報というのは音程だけではない。

音符の長さもあれば、音符の位置もある。

 

長さは、ゲートタイムと呼ばれるが、Reasonでは、単にLengthまたは長さと呼ぶ。

これは.(ドット)で区切られた数値で表現する。

1.1.1.1は、

「1小節+1拍+1個の16分音符+1ティック」の長さという意味だ。

 

1小節の長さは、拍子に依存する。

4/4拍子ならば、4分音符4個分の長さ。

6/8拍子ならば、8分音符6個分=4分音符3個分の長さ。

この辺は、Reasonというより楽典だね。

 

1拍の長さも、拍子に依存する。

4/4拍子って言葉通り、これは4分音符が4拍あるわけだから、1拍の長さは4分音符1個分。

6/8拍子も言葉通り、8分音符が6拍なので、1拍の長さは、8分音符1個分になる。

 

3番目の数値は16分音符の個数だ。

4/4拍子の1拍は4分音符1つ=16分音符4個。

4/4で、0.0.4.0は、0.1.0.0と同義だってこと。

 

6/8拍子の場合は、1拍は8分音符1つ=16分音符2個。

6/8で、0.0.2.0は、0.1.0.0となる。

 

同じ0.1.0.0でも、拍子によって長さが変わる。

 

この辺の理解が困難な方は、まず楽典をおさらいする必要があるだろう。

 

ティックは、16分音符を240分解能で分割した数値になる。

1ティックは、16分音符の240分の1。

 

一応、これが長さの定義なのだが、ティックに*が付いていることがある。

これは、16分音符の240分の1よりも細かい小数点以下の長さの情報が含まれているということだ。これはサブティックと呼ぶ。

ノートをスナップせずに移動した場合などに発生するが、これは放って置いていいと思う。微妙な誤差の表現だから。

まあ、でもティックの分解能でもかなりの細かさなので、ティックに合わせてもいい。

そうしたい場合、*をcommand(ctrl)+クリックすることで、一番近いティックに合わせてサブティックは解消される。

 

これら、「長さ」=ゲートタイムの違いは、ノートのバーの長さで表現される。

画像は4分の4拍子の場合で、上から

1 小節

1 拍

1 16分音符

1 ティック

それぞれ、

1.0.0.0

0.1.0.0

0.0.1.0

0.0.0.1

という風に表現できる。

 

入力の際、0は省略できるので、...1で1ティックを指定できる。

 

次回は、Position=始点、ステップタイムについて。