五体は揃い、眼もそこそこ見え、耳も聞こえる。しかし、それでもなお触れられない物は多い。

 音楽の旋律を楽しめても演奏することなど出来ないし、芸能の事もよく知らない(興味もあまりない)。タクシー会社の事も知らない。


 音楽なら口笛を人並みに吹けるのがせいぜいだ。



 狭いもんだなと思う。この上、五感のどれかが失われたら否応なく小さな箱庭みたいな世界になるのかもしれない。それならそれで構わないが・・・



 自分の"可能性"は思考の上では無数にある。しかし、それは無私の自分、あるいは形而上的な自分を想定した上での事。
 現実では、そんな別の人生も知識の不足故に思い描けない。少なくとも完璧には。


 フィクションの世界は泡沫の夢だ。その非現実性から自分をそこに置き換えることは難しく、ましてやそんな環境に近づけることも困難と言える。



 考えるより生むが安しか・・・そりゃそうなんだろうけど。
 毎日、イヤイヤ学校に行っている・・・本当にイヤなのだが、合理的に考えると行かざる負えない。


 なぜこんな不向きな方向を選んでしまったかというと、オレなりの明確な理由があるのだが。思いやりに欠ける人間に、この仕事は向いてない・・・


 先生の小言、同級生という存在が嗚呼・・・この先、満足なんて存在しないのではないかと思ってしまう。合理的に考えれば・・・そんな事を考え続けるのも疲れる。



 いつもなら酒を飲み、ツマミのナッツを食べるところだけど、不合理なので辞めた。カネの節約になるししょぼん


 寝てれば少しはラクになれる。その内慣れるかもしれないし、慣れないかもしれない。ただ、こう理不尽なまでにストレスしか感じないって何なのだろう。



 別に過酷な生活などしていないし、あの連中とも疎遠だし・・・でも、静かに暮らせれば今はそれでいい。
それもいつまで続くやら。
GUNSLINGER GIRL(ガンスリンガーガール)


たまたま気まぐれに借りたアニメDVD。

 アニメの評価の五割はアニソンで決まる(と思う)。アニソンと煌びやかなムービーがストーリーを彩り、ファンを魅了する・・・本作で言えば、OPテーマ、EDテーマ共に英語歌詞で、異国情緒を意識した作りになっている。



 そんな通り一遍の解説はさておき、女の子たちが可憐だが・・・観ててだんだん不憫になってくる。身寄りのない少女を組織が引き取り、義体に改造され、過去の記憶も失う少女たち。一見どこにでもいる学園の少女たちに見えるのに、その戦闘力で大勢の人間を屠る。





 第5話のクラエスのエピソードなんか、あまりに不憫で・・・


 ジョゼのヘンリエッタに対する愛情が微笑ましい。


 彼女たちは強いが、仕事は危険で、過酷だ。なのにそんな殺伐とした雰囲気がなく、作品全体の少女の穏やかな空気がまた感情移入を誘う。



 そんな中での家族愛や、仲間うちでのささやかな友情が描かれていて。そんな無機的な冷酷さと人間的な暖かさの対比が、より両者を際だたせる・・・



 こういう作品を観てて思うが、なぜ少女だけなんだろう。倒錯したフェチシズムと思える。女の子だから面白くて心温まるってのはあるけどさ汗

 オレなどは余計に酷だと感じてしまう・・・


 義体なんて用語、どこかで聞いたな汗