「ブエナスノーチェス、セニョール♪」


「ぶっ、ぶっ、ぶえなすのーちぇす」





そこに立っていたのは、間違いなく先ほど踊り逃したワンピの女神!





「もう一度誘ってくれるのを、席でずっと待ってたのよ♪」





はぴょへぴょふぴょぶひひひひ!!!!!!
鼻血ブーっ!!!!





よもや、まさか!
女性に席まできていただいてしまった…



男として、なんたる不覚…



それでも、このご行為を無駄にしてはならないっっ!!





「ばっ、ばいらもす!ぽるふぁぼーる!!!!」 キリっ( ̄∇ ̄+)





流れる曲は、フレセドのタンダ。

ロマンティコなメロディーに揺られながら、
彼女を、ナチョワールドへと誘う…




(やっ、やっぱり私の目に狂いはなかった!すっ、素晴らすぃタンゴ!!!)





数分間のハッピーアブラッソ

至極のアドルノ祭り

夢のメリーゴーランド・ヒーロ…





「ぐらーしあす!セニョリータ!」




「デナーダ♪また、ミロンガで会ったら踊りましょう♪」




「はっ、はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!」






軽く鼻血とヨダレを流しながら席に戻る私。




Mr.棚田「どうだった?」



私「すゎっ、すゎいくおう(最高)でした!」





タイムリーエラーの失態を、逆転満塁ホームランで見事挽回!


ここからは、すっかり波にのった私!


カベセオビームの精度も上がり、次々とお目当ての淑女をゲット!!





「たっ、楽しいっすね!タンゴって!便利っすね!カベセオって!」





有頂天になる私を、菩薩のような微笑みで見守るMr.棚田。


とその時、
左の頬に感じる指すような空気…





(ん?なんか、見られてるような気が…)



しかし、なにやらイヤぁ~な予感を伴う…



(でも、確かに見られてる…)





バンっ!バンっ!バンっ!


バンっ!バンっ!バンっ!




(その6に続く)

包容力満点のふくよかな淑女とダリエンソを踊ることになったわたくし。




4曲踊り終わると、汗かき放題。





Mr.棚田:「どぉだった?」



私:「どーもこーも、この汗見てくださいよ!」



Mr.棚田:「でも、カベセオして自分で誘ったんでしょ?あの女性」


私:「違います…」




ことのなれそめを説明すると…




「だははははははは!!ナチョ!面白すぎる!!!!」





(-""-;) ムスッ…





瞬時にしてカベセオシンドロームに陥った私。





暫く、踊るのは諦め、ワインをごくごく、ごくごく…




その間も、Mr.棚田は、正確なカベセオビームを放ちまくり、


かわいく、そして踊りビエンな女子をゲットしまくる。






「いやぁ~、今夜は楽しいなぁ!!」




(-""-;) ムスッ…






かれこれ1時間以上、飲んでばかりの私。









トントン、トントン







あれ?今誰か、私の肩を叩いたような…





ゆっくり振り向くと…







(その5に続く)






















彼女がいよいよ腰を上げようとした、


と、その時…








彼女の背後に


「ユラリ…」



と大きな影が。




(へっ?ミロンガに熊がでたのか???)





ワンピの女神が立ち上がるその直前、

そのすぐ後ろに座っていた大柄なお姉さまが、

満面の微笑みを浮かべながら歩みだした。




(えっ!なになになになに????えっ!なになに??)




動揺を通り越して、全身硬直状態に陥ったオリエンタルガイ。




そう、その通り。

私のカベセオは、私の意に反して、

目指す女性の背後に座る、もう一人の女性までも射止めてしまっていたのです。





すごーーーーーーーい!!







全然すごくない… (-。-;)








巨大な岩とも思えるお姉さまは、

目指すワンピのかわい子ちゃんをお尻で押しのけながら、

なおも歩みを近づける。





(ノォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!)





いよいよパニックに陥ったオリエンタルガイは、

何を血迷ったか、一瞬、振り返って一目散に自分の席に帰ろうという暴挙にでようとする。




(まわれー、みぎぃーーーーーっ!!)




と次の瞬間、

そんなことしたら、お姉さまに大変しつれいなことになる。

いくら、誘いミス(?)とはいえ、

誘われたはずの男性が逃げてしまった後にのこされた彼女はどんなに辛いだろう…




まわれ右をしている僅か1秒の間に膨大な情報を処理する

オリエンタルガイの灰色の脳細胞。




今、自分がしようとしている行動は絶対にNG!と判断をくだし。

そのまま右回りターンに切り替え。





「あら、そんなに私と踊れることが嬉しいの?」



「えっ、ええ、まぁ…」






練習でもできたことがないようなキレのあるターンは、

私の最大の喜びの表現と思われたらしい。




っつーか、

いないだろ、ミロンガで女性さそってターンしちゃうやつなんて。




少なくとも、私はそんな輩は見たことない…




でも、私はそれをやってしまった…




穴があったら入りたい…




いや、穴が無いなら、掘ってでも入りたい…




「あっ!」





ふと、先ほどのパンピの女性を思い出す。





横目でチラリと、

本来のターゲットであったワンピの彼女を見ると…








とっても悲しそうな表情…








(ノォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!)






(その4)に続く





出るはずもないオ●ッコを絞り出して席に戻ると、

しばらくして棚田先生が戻ってきました。



「どんな感じでした?」


「素敵なタンゴを踊る女性だったよ!」


( ̄∩ ̄#  ちっ…




先程のエピソードを話すと、腹を抱えて笑う棚田先生。



「よくある話だけど、そのままトイレに行っちゃうところがナチョらしいね」


チェッ… (-_-メ


「カチルーロはみんな誘う気まんまんだから、確実に行った方がいいよ!」


棚田先生からのアドバイスを肝に銘じ、再度アタック!


(よーーーし、今度は間違えないように慎重に…)

タントゥーリが流れるフロアをゆっくり眺めながら、

素敵に踊る女性を品定め(えへへ)

「ナチョ、ガン見しすぎだよ!(笑)」

「何言ってんすか!次は絶対に失敗できませんから真剣です!」


2曲が終わったところで、

太っちょのお爺ちゃんと踊る、花柄のワンピースを着た女性をロックオン!

タンダが終わり席に戻る彼女を目で追いかけ、座席を確認。

(よしっ!座ってる場所分かった!)


かぁーーーべぇーーーせぇーーーお…

ブィィィィィィィィィィィィィムっ!!!!!!



「これでもかっ!目ぢから」+「半身乗り出し」のビームは、

すかさず彼女を振り向かせることに成功!!!




目線が合ったところ(多分)で、

先程の反省を踏まえ自分の後ろを振り返る。




あまりに露骨に振り返ったので、周辺に座るおっさんたちがまたも苦笑い。





(あっ、またやってしまった…(恥)でも恥ずかしがってる場合ではない!)



(よしっ!さっきのかっちょいいおっさんは他の女性をロックオンしてる!)



スクッっと立ち上がりジャケットのボタンを締めながら、

斜め対面に座るワンピの女性のもとへ歩みを進めるオリエンタルガイ。




(我ながら、ここまではまずます!ウヒヒ…)




ワンピの女性の席まであと3mと迫ったところで、

その女性も手にしていたグラスを置き、立ち上がる準備をしながら、

天使のような微笑みで迎えてくれている。




(シャーーーーーっ!)




心の中で雄たけび&小さくガッツポーズをとるオリエンタルガイ。




しかし、ここでまさかの事態発生…




(その3に続く)





















































棚田先生と二人で訪れた時には、













私にとっては初体験のミロンガ。



















フロアの様子を伺います。








































































































































(その2に続く)






長い夜はまだまだこれから…

いきなりの勘違いで始まった初カチルーロ・ナイト。






(くぅぅぅぅぅぅ、はっ、恥ずかしいぃぃぃぃぃぃぃ)






何となく他のお客さんがせせら笑っているよに感じるのは気のせいか…

しかし、トイレまでの道のりは遠く、





何事もなかったかのようにそのままトイレへ…

上げりかけた腰を下ろすタイミングを逸した私は、





微笑みあいアブラッソするかっちょいいおっさんとうら若き美女。






(本当に砕けたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。





すくっと立ち上がり、私がカベセオが成立したと思っていた女性の元に歩み寄る。

私の背後にすわっていたロマンスグレーのかっちょいおっさんが





ガタっ!



ニッコリ笑ってその女性の元に歩み寄ろうと腰をあげかけたその時…

実際には目線が合っていないのかもしれないのに、



(ここは、あたって砕けろっだ!)




しっかり目線があっているのかどうか、確証が持てません。

女性の顔がこちらを向いているのは分かるのですが、



が…



そして、ひとりの女性が私の方を向いているのを確認!

再びカベセオビーム!




(くそぉぉぉ…。こりゃ、雰囲気でつかむしかない)




しかし、アイコンタクトが全てのカベセオでは、致命傷に…

普段から裸眼で生活しているため、眼鏡を持ち合わせいません。

私の視力は両目併せて0.3程度





(眼鏡ないから相手の目線が分からない…)






…。  (* ̄Oノ ̄*)






ビィィィィィィィィィィィィム!!!!!!



かぁーべぇーせぇーおぉ…





これは負けてはおれん。



着席5分後に早速カベセオを成立させ女性をエスコートするマエスロト棚田。

ぶつぶつと独り言をつぶやく私を尻目に、





「行ってきまーす♪」



「へっ?」(@@)



「よしっ!」






(ふむふむ、カベセオでコンタクトして、女性の席に迎えにいくわけだな…)





まずはセルベッサ(ビール)で喉を潤し、






「ひぇ~、ドキドキするぅ~」





良席がすでに満席だったため、私たちは端っこのほうの席に案内される。



一見、集団お見合いの様相。

男性と女性がフロアを挟んで向かい合って座っている様は、



それほど珍しい光景ではありませんが、

毎年BSASを訪れている棚田先生にとっては





「うわぁ~、結構盛況なんですね!」





すでに客席は半分以上埋まっていました。

TangoProjectJapan主催者でもある

現在、恵比寿「ラ・バルドッサ」を運営し、





「ブエナスノーチェス、セニョール」





「男女が別々のゾーンに分かれて座る」ミロンガのことを指します。

「カチルーロ」というのはミロンガの名称というわけではなく、





男性と女性が別々のゾーンに分かれて座り、タンゴを楽しみます。



そこからほど近いPlazaBohemiaで開催されるミロンガ「カチルーロ」

ランドマークとしても有名なBSASのシンボル「オベリスコ」

BSAS市街地には、多くのミロンガがあります。



男性が頭に巻くスカーフ(スペイン・アラゴン地区)

Cachirulo(カチルーロ)


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最近、複数の方から矢継ぎ早に質問されました。







「BSAS研修旅行記の更新はいつですか?」






一度サボると、癖になってしまいますね(反省)



いつから更新が滞ってましたっけ…



さてさて…