今年から、ハイジャン男、アメリカのNIH(アメリカ国立健康研究所)のNCBIの運営するデータベースであるタンパク質の構造を見るソフトを実際に見せて、タンパク質の構造について、より理解を深めてもらう工夫をしてみることにした。

その一例をお見せしよう。


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これは、ハイジャン男が研究しているアドレノドキシン還元酵素とアドレノドキシンの複合体だ。このような構造を決定するには、酵素タンパク質の結晶を作り、それに波長の短いX線を当てて、その反射を調べることで、構造が見えてくるのだ。

アドレノドキシン還元酵素は、分子量が51000である。アドレノドキシンは、分子量は14000である。アミノ酸の平均分子量は120だから、アドレノドキシン還元酵素は、四百数十個の、アドレノドキシンは、百数十個のアミノ酸が数珠繋ぎになった高分子である。

この二つの酵素は、ステロイドホルモン合成のための、還元力を提供して、ステロイドホルモンの母核に酸素を導入して、構造を変化させる。

この画面をパソコン上で動かして、実際に酵素が静止したものではなく、常に動いていることを実感してもらった。本来なら、その動画を見せるといいのだが、そんな細かい技はハイジャン男にはない。

しかし、動かした酵素を見て、悲鳴に似た嬌声を上げる者も多かった。

酵素が動く虫みたいに見えたのだろう。虫嫌いの学生たちだ。仕方ない面もあるが、それも矯正したいものだ。

「動きたる酵素は虫と思はれし」

ハイジャン男