指切り、といっても「約束」の話ではない。

文字通り、機械の丸鋸で、指を切ってしまった、という話である。

 

facebook には、ずっとその経緯を書いてきたが、

 

 

 

 

4月24日の作業中に、回転中の丸鋸に触れてしまい、

左手の薬指の中ほど(第一関節と第二関節の間)、骨のあたりまで切ってしまった。

 

その場にいた大工さんに総合病院の救急に連れて行ってもらい、

まずはレントゲンを撮ってもらったところ、
第一関節のあたりまで丸鋸は届いていて、思ったより重症である。

指先に行く神経と腱が、一本ずつ完全に切れているという。

部分麻酔をかけられて、手術となり、

関節周辺は骨にドリルで穴をあけて、縦横2本の針金で位置を固定、

残っている組織や皮膚をできるだけ縫い付けてもらって、

さらに「スプリント」といわれるアルミ製の副木(そえぎ)で、第一関節を曲げないよう固定、

以降、ずっと通院中である。

 

 

左手のことなので甘く見ていたが、

右手で作業する時には、左手で材料や製品を固定する。

力仕事では、むしろ左手の方が大事で、指一本とも無駄なものではない。

 

当初、「どのみち元には戻らない」と診断されて、
ならば早くその状態に慣れることだろう、と、けっこう仕事もしていたのだが、

針金が折れたら、今度は骨を切り開く手術になる、と医者に脅され、

急ぎでない仕事は延期させていただいた。

 

ということは、急ぎの仕事には、注意しながら取り組んでいるわけで、
包帯と固定で太くなった指が、あちこちにぶつかる。

また、右手で玄能(カナヅチ)をふる、なんでもないような仕事でも、

こんなに左手に振動が伝わっていたとは、知らなかった。

 

ちょうど2か月を経た、6月24日の検診、

すでに2本の針金も抜かれ、事故の際の皮膚もかさぶたのようにはがれていたので、

一応の完治になるかと思っていたのだが、

ぜんぜんそんな話ではなく。

 

 

 

 

「仕事しなきゃというお気持ちはわかりますが、安静にしていなかったから」
第一関節の部分で、指が横に曲がった状態で固定されかけている。
(2枚のレントゲン写真参照、

 上の写真で針金2本、下の写真右の針金1本、左の針金なし、の順で時系列)

この部分をなるべくまっすぐにする処置(テープを巻く)をされたうえで、

いつまでも、きっちりと固まりもしないし、自由に動かすこともできない第一関節、

まだ4ヶ月ほど安静にした方がよい、という診断であった。

 

4ヶ月を経た後も、
ショックによっては関節が「ぶらぶら」の状態になり、

細いボルトで固定するか、人工関節を検討するか、

いずれにしろ大きな手術が必要になるかもしれない、とおっしゃる。
(これがまた、若いきれいな女医さんなので、なんか辛い)

 

そう、辛いのである。

 

仕事も何もかも、さぼり加減で、
なんというか、だましだまし生きてきたようなもんだと感じている。

お客様には申し訳ないが、

仕事が好きなほうではない、と思っている。

 

それでも、手指が動かない動かせないというのは、辛いもんである。

 

昭和36年の4月生まれなので、59歳、来年は還暦である。

自営業に定年はないというが、技術的に、向上する余地はあまりないだろう。

 

道路拡幅に伴う、ウチの建て替えでは、
新しい工場に、古い機械をまた据え直して、
やれてまあ、10年ぐらいのものだろうと思っていた。

 

 

 

 

いろいろと、転機かもしれない。