イメージ 1

 

 

 どちらも第1巻を五島書店さんから買っていたので、先日、一般向けの歴史のシリーズ本の第2巻を2冊、立て続けに購入。
 ひとつは
http://blogs.yahoo.co.jp/higashinojiri/38927480.html
で書いた、小学館の日本の歴史全集で、第2巻は平川南氏による「日本の原像」です。

 第1巻の「列島創世記」の方が古墳時代まで、文字以前の時代を発掘の成果による研究で掘り下げたのに対して、今回は、文字のある時代ではあるけれど、文献というより、やはり発掘の成果を重視しています。というのは、冒頭口絵に出てくる「加賀郡牓示札」や木簡など、地中から発掘された文字資料が、丹念に読みこまれているからです。

 まだ2割ほどしか読んでいませんが、浮かび上がってくるのは意外と完成されていた日本の支配体制です。

 稲の品種が早くから管理されていたこと、天皇の称号が中国の影響下で生まれたことなど、うなづける点が多いです。発掘の場所に加賀地方が多いのも親近感がもてます。「越の国」は古代であるほど先進地だったんだと思いますよ、やっぱり。

 もうひとつの本はデアゴスティーニの「週刊なんちゃら」シリーズのひとつ、「歴史のミステリー」です。

 この会社の刊行物は第1巻が安いので時々買っているのですが、今回の第2巻は聖徳太子の実在がメインテーマ。聖徳太子が日本の原像のように考えている人は多いと思うけど、今やお札にもいない、日本史の教科書でも小さな扱いということで、聖徳太子は風前の灯(?)だとか。

 前記の小学館の本でも、聖徳太子にかかわる話題はほとんどなし。大化の改新や天智天皇あたりの時代、聖徳太子伝説も含めてそれ以前の日本史が「作られていった」という考え方の方が、実情に近いのかもしれません。