ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。

『家族信託はこう使え 認知症と相続  長寿社会の難問解決』

著者の石川秀樹です。

 

静岡県家族信託協会[もっと家族信託! 行政書士 石川秀樹のブログです]で記事を追加しました。これからしばらくは、《令和の銀行あるある》を書いていこうと思っていて。今回は第1弾。

 

記事タイトルは

★令和の銀行あるある。70歳になるとATM引出し上限1日10万円!年齢差別あり。認知症懸念あれば無策でいるとヤバイ!

 

令和の銀行はピリピリしています。

昭和の、なじみのお客さまには親切な親しみやすかった銀行とは様変わり。

絶好の“カモ”である高齢のお客さまに、生命保険を売りリスキーな投資信託(悪名高い仕組債なんかも)、利ザヤ稼ぎに一所懸命。

 

 

 

特殊詐欺に振り回されて、“だまされやすい高齢のお客さま”のために、ATMの振込制限や引き出し制限をかけまくる。

これって、認知症懸念のある高齢者には大打撃なんですよ。

窓口に行って現在の姿をまじまじと観察されたら、マジに「認知症!?」と見とがめられて口座を凍結されかねないですからね。

 

だからATMが頼り。

そのATMで、70歳を超えると引出し限度額を抑えられ、今や1日10万円に制限されてしまう。

1年間カードを使わない口座は振込禁止に。

事実上の“凍結”に近い状態に。

 

窓口でも大金をおろすのはご法度。

現金で100万円を超えようものなら、まず渡さない。

詐欺防止の観点は無論あるのでしょうが、同時に認知症対策の色合いが圧倒的に濃い。
高齢者差別が全国で広がっています。

 

こんな内容ですが、読んでいただけたらうれしいです。

 

親に認知症の傾向を見つけたら、定期預金は解約して普通預金口座に移した方がいい。
でも実際には難しい。委任状が今の銀行には通用しないからだ。
通帳、届出印、本人の委任状。3点セットがあれば通用するはずだが。
今は無理。
どこの銀行でも、「定期預金の解約は本人のみ」と規定している。
定期預金を高齢のお客さまに懸命に働きかけるのは当の行員なのに……。
銀行はあえてハードルを上げている。
(以下、専門ブログへのお誘い)
▼▼▼紹介したい記事はコチラ

 

 


結果、苦労するのはお客さま。
定期にしたときは気に留めていないから、たいてい自動更新に設定。
それで年を取った時に困るのだ。
認知症!
こうなると誰も引き出せない。
「こんなことのために」と思うが、成年後見申立て理由の9割までがこれだ!

定期預金の解約は急いだ方がいい。
銀行は大いに抵抗する。
「委任状」をフロアから片づけてしまったのも銀行だ。
しかしこれは銀行の方がアウトだろう。
委任―代理は、民法が認める方法だからだ。
窓口で「委任状はどこにあるの?」と聞けば、出してくれる。

それで施設に入所している母の下に持って行き、書いてもらう。
その委任状を持って窓口に行けば、今度は本人の意思確認だ。
銀行は、母の自宅に電話する(届出電話が「自宅」になっているから)
「母は今、施設に入っているから施設に電話を」といっても、それは拒否。
ならば施設に話して、母を一時帰宅させてもらうか……。

実際に、そこまでしなければならないのだろうか。
親切な銀行なら、本人の意思確認で施設に訪問してくれればいいのにね。
(ごめんなさい。結論が最後になってしまった)
実は、解決した。
今回は成功例を紹介する。

 

「代理人カードを使え!」というブログを以前書いた。

今回大幅に加筆し内容を一新した。

当初の書きっぷりはこんな感じだった。

(タイトルはコレ↓↓↓)

★代理人カードを使え! 認知症による口座凍結を当面は回避できる。あくまで暫定ツール、限界が来る前に次のステップに進め!

(記事のURLはコチラ↓↓↓)

 

 

親の認知症により預金口座が凍結されないか心配なら、ぜひ「代理人カード」を作ってほしい。家族はこのカードがあれば、おろしに行くたびに感じるハラハラドキドキからは解放される。恒久的な解決策ではないけれど“時間稼ぎ”にはなる。

この間に家族信託を親族間で共有して、相続対策をすると同時に恒久的な認知症対策を始めてほしい。

つまり、代理人カードのメリットをシンプルに書いていた。

しかし今回は、実はそんな陳腐な話題はどうでもよい。

書きたかったのは、代理人カードが人生100年時代の必須なツールになってきたことの「背景」だ。

21世紀に入って何が変わったかというと、銀行の姿勢。

昭和年代のなんとはなしに明るい、親切そうで元気の良い空気が一変している。

銀行が変わったのではなく、時代が変わったともいえる。

私の周りだって、すれ違う多くの人、いつもの通りを車の窓越しに見ても、高齢者の姿ばかりが目立つ。

かくいう私も今や高齢者である。

れっきとした高齢者なのに、気分は昭和の頃と変わらない。

とはいえ、体は相当くたびれてきたことがわかる。

銀行の変容は、そういう時代変化と共にあるようだ。

高齢者を狙う詐欺の横行。

銀行は、80代の老人に現金で大金は渡さない。ゼッタイに……。

「詐欺!?」と気を回してくれるのだ。

ATMの動きも監視している。

そんなこんなで神経はすり減りそうだ。

加えて、そう、僕らみたいな高齢者の扱いだ。

70代の今は、しゃんとしているから怪しまれない(危ないと思われない。頭もしっかりしているからね)

しかし80代になり、外見も、足元おぼつかなくなり、活舌も悪く、相手の言っていることが聞こえにくくなってきたらどうか。

まして認知症が出てきたら……。

銀行の立場でいう。

認知症の高齢者は困りものだ。

短期記憶がいっとう先にやられるから、つい昨日のこと、いや、さっきのことが記憶にない。

お金が絡んだらやっかいだ。

“大騒ぎして”きのうようやく大金を払出ししたのに、きょうになれば「失くした」とはいわず、「銀行に盗られた」と駆け込んでくる。きっと大金だからどこかにしまったのだろうが、記憶が切れている。

銀行としてもやるせなかろうと思う。

しかし嘆いたりあきれたりする暇はない。

ことはお金なのだ。家族まで呼んで、何とか納得してもらうことが多いのだろうが、1円も生み出さない仕事にかかりきりとなる。

だから「口座を凍結する銀行」も出て来る。

銀行は《こんなときのためにこそ成年後見制度がある》と考える。「〇〇さんには成年後見人を付けてください」

きょう書きたかったのは、このような時代の変化だ。

申し訳ないが、銀行のことは一刀両断した。

あなたたちがしっかりしなければ後見人ばかりとなる。

今でも十二分なほど熱心に被後見人に相対してくれる専門後見人は少ないのに、もっと態度が雑になりかねない。

(意思能力は落ちていても、自尊心まで失ったわけではない)

年を取るって、イヤだなと思う。

大事にしてくれとはいわないが、こっちだって必死だ。

後数十年するとあんたにも分かるぜ、と行員にも専門職後見人にもいってやりたい。

ただ、きょう書いたのは後見批判ではない。

舌鋒は鋭く迫ったが、銀行に文句をつけたのでもない。

「あんたらが要だぜ」、と言いたかったのだ。

考えても見よ。

年を取った。仕事をしていない。生き甲斐がない。

入ってくるお金は年金だけ。そのお金が……自分の認知症のために止められる。銀行が止めてしまうのだ。

これで年取ったあなたは困らないか!?

困るんだよ、みんな!

しかしここまで生きてくれば、私が言ったところで何も変わらないことは知っている。

だからいいたい、まだ意思能力が十分にあるあなたたちには。

準備、準備、準備ですよ!、と。

こうなってしまった世間は、時代は、変わらない。

しかしあなたは「時代が変わった」ことを知っているか?

「銀行が昭和の時代とは変容していることに気づいているか?」

なんとなく分かっていても、何もしなければあなたの前途はとても暗い。

家族以外は誰も助けてくれない。

家族も家族だ。

親が認知症になったら大苦労だと思う。

頑固がいっそう頑固になり、あなたの言葉なんか聞かない。

逆に怒り出し不機嫌をまき散らす。

ここから先は、我慢と、戦略的な発想が大事だ。

何もしなければ認知症1000万人時代は乗り切れない。

現実の世界を知り、誰が“敵”であるかを知り、それをかわしていく方法を知らなければ、家族ごとやっかいなことになる。

代理人カードひとつで解決するわけじゃあない。

でも、これが最初の一歩。

それにさえ気づかないと相当にヤバイ。

高齢となり、さらに長生きをすると認知症リスクは笑って見過ごすわけにいかない。

べらぼーないい方になってしまったが、今回の記事、少しはヒントになると思う。読んでくれたらうれしい。

 

2016年11月に出版した 『大事なこと、ノート』 を刷新した。 エンディングノート的な要素をばっさり削り、最後の医療について徹底的に考える『生き切るために使うライフ版』だ。

64頁では長すぎるので半分に。

冊子になっていると書き込みにくいのでPDF版として、自由に印刷できるようにした。

延命について渾身の想いを込めたノートになった。

80歳過ぎてからの母の闘病、90歳目前にした父の脳梗塞発症により、僕の死生観など吹っ飛んだ。頭だけで考えていた、見栄っ張りの《延命拒否》など薄っぺらで、病をつきつけられたら瞬時に崩れ去る観念でしかなかった。
どんな状況でも最後まで生き切る根性を見て、両親への想いはリスペクトに変わった。

どう変わったかは、終末期医療についての「医師へのお願書」の個所を読んでくれれば分かる。
私自身をモデルにしたので、まさにこれが「石川秀樹版 私の終末期医療に関する意思へのお願書」だ。
渾身のページだと思っている。

 

▼▼▼記事全文は超長文です。
よろしければコチラからアクセスしてください。

 

 

私が主宰している静岡県家族信託協会の「Q&A」コーナーに先日、こんなメールが届いた。もの盗られ妄想が出てきた母親についての相談だった。

同居している85歳の母の様子がおかしいので心配しています。
財布をよく失くし、先日はおろしてきたばかりの年金を置き忘れてしまったようです。
「あんたが盗ったの⁉」とすごい形相で迫られ、ほとほと困惑しました。
「通帳を返せ!」といわれた時には頭に来て、「いつもいつも何やってんだっ!!」と、つい怒鳴ってしまいました。。
以前の母とはまったく違うので、悲しいやら悔しいやら……。
こちらはどう対応したらいいのか。行政に相談したら何とかなるのかな……。
こんな調子でお金の出し入れができるのか、銀行と相談した方がいいのでしょうか。

親の認知症の問題で今どき銀行と相談したい、なんて……。『うわぁ、今どきこういう人がいるのかぁ』と、ちょっとあわてた。それで、急いで以下のように返信した。
「息せき切って銀行に相談してはダメ!!」だと。

以下、回答の全文は下記のリンクからお読みください。

★もの盗られ妄想がある母、息せき切って銀行に相談してはダメ!長い戦いを覚悟して家族の結束を固めよ