八幡の武将 〜罠〜 | 歴史を感じよう

歴史を感じよう

日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️



世は群雄割拠の戦国時代

わしは北条氏康(ほうじょううじやす)です。



1569年10月、小田原城(おだわらじょう)を退却した武田信玄(たけだしんげん)の軍勢を我が息子、氏照(うじてる)、氏邦(うじくに)が襲うべく三増峠(みませとうげ)で待ち構えていました。

{D2598A2D-EBE6-46BE-BE3E-3CACB3D66373}

コアラ三増峠って現在の神奈川県愛甲郡愛川町の三増辺りなんだよ。


さらに氏政(うじまさ)は自ら出陣し武田軍を挟み討ちにする策に出たのです。

{879D75B9-1536-45C7-97F1-B7CA786B5931}
北条氏政じゃ。わしの力を見せてやる!



綱成(つなしげ)は氏政より先に出陣し氏照・氏邦に合流しました。


氏照「おぉ、綱成殿。加勢かたじけない。」

氏邦「信玄には恥をかかされた。ここで討って汚名を晴らしてやる!」

綱成「すでに信玄はこちらの動きを察しているかもしれません。」

氏照「我らは高所に陣をしておる。信玄気づこうと見下ろす有利な位置なのだ。」

氏邦「さらに近辺の津久井城(つくいじょう)からの援軍もある。我らか勝つ!」




{62AF11AD-4D47-4615-A749-BA4D0C7D88C5}
津久井城があった城山


コアラ津久井城には北条方の内藤氏(ないとうし)が入っていたんだ。



綱成は『信玄はそんな簡単に討てる相手ではない』と内心思っていました。





「申し上げます!」

氏邦の家臣が慌て入ってきました。

氏邦「いかがしたのじゃ⁈ 」

家臣「津久井城が大軍に囲まれてます!」

氏邦「何⁉︎ 信玄の軍勢が囲んでおるのか?」

家臣「武田本隊ではありませぬが…大軍でごさいます。」

氏照「そんな馬鹿な…武田の軍勢は2万だぞ。それ以上はいないはず。」




綱成の予想どおり、信玄は氏照・氏邦が待ち構えていることを察していたのです。

信玄は1,200の兵を津久井城に向かわせたのです。

その隊は津久井城の西にある枯れたとうもろこし畑に火を放ちました。

{085831F3-8F94-4D11-9762-98182ACE8766}

その燃える様を津久井城の兵は夜間見て松明の火と思ったのです。

「うわっ!武田の大軍が城を囲んでおる!」

「これでは城の外に出ることはできぬ!籠城するぞ!」


これで津久井城の動きは封じられてしまいました。

コアラわずかな兵を大軍に見せる信玄さんの作戦があたったね。






翌日…氏照・氏邦は津久井城が籠城したことを聞き、動揺していました。

綱成「今は武田本隊を討ちましょう!」

氏邦「うむ…あれを見よ、武田の小荷駄隊(こにだたい)ではないか?」

{7DF89217-29DC-4D95-AB9C-661A8F4CA618}

コアラ小荷駄隊って戦に必要な兵糧や弾薬、陣を張る設営道具なんかを運ぶ人の部隊だよ。

氏照「あの小荷駄隊、荷駄を捨てておる。逃げておるのだ!」



氏照らが見た武田の小荷駄隊は甲斐に向けて逃げ出しているようでした。

氏邦「よ〜し、我が攻めてこよう!小荷駄隊を攻め、次は武田本隊じゃ!」

綱成「いや、お待ちください!あれはこちらを誘っているのでは…?信玄の罠やもしれませぬ。氏政様の援軍が来るのを待つのが上策です。

氏邦「誘う?そんな必要はなかろう。我が陣は武田より有利な位置におるのだ。津久井城の援軍がないが、今の軍勢で勝てるわ!」

氏照「氏政兄上の手をわずらわすこともあるまい。」

綱成「……ならば私が参ります。必ずや小荷駄隊を討ってまいりましょう。」





綱成は兵を率い、武田の小荷駄隊に向かっていったのです。

しかし、信玄は罠を張り、さらに上をいく策をすでに動かしていたのでした…。








つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜







にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
にほんブログ村
コアラ宜しければバナーをクリックしてね。