世は群雄割拠の戦国時代。
わしは北条氏康(ほうじょううじやす)です。
武田(たけだ)の援軍に行った綱成(つなしげ)は敵の長尾景虎(ながおかげとら)に密かに会うことになり、景虎から撤退せよと言われたのです。
綱成「我が北条は民のために戦をしております。荒れ果てた関東を立て直すことが我が北条の役目、私利私欲で行なっているわけではござりませぬ!」
![コアラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/163.png)
景虎は綱成をじっと見て、
景虎「撤退せよとはつまらないことを言ってしまったようだ。すまぬ。」
綱成「…」
景虎「そなたを試してしまった。そなたのような民を想い、闘う武将は他にはいないだろう。」
綱成「それは褒め言葉で?」
景虎「うむ。わしは素晴らしい敵に出会えたようだ。されど…わしは秩序を壊す北条や武田を認めるわけにはいかん。」
![コアラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/163.png)
景虎は立ち上がり、
景虎「綱成、いずれ北条と戦になるだろう。その時はそなたと戦いたいものだ。」
綱成「こちらも毘沙門天の化身と言われた景虎殿なら望むところでございます。」
景虎は帰っていきました。
翌日、長尾景虎の軍は善光寺平(ぜんこうじたいら)から飯山城(いいやまじょう)に退いたのです。
綱成はそれを見て景虎の言葉を思い出していました。
綱成「いずれは戦う、今は我らと戦う時ではないということか…。あれは我らに対する宣戦布告⁈ 」
その後、長尾軍と武田軍は小競り合いを続け、善光寺の北、上野原(うえのはら)で戦いましたが、武田晴信(たけだはるのぶ)は決戦を避け、景虎も大した成果が出ず、両軍は自らの領国に引き揚げたのでした。
![コアラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/163.png)
綱成は玉縄城(たまなわじょう)に帰還しました。
ところが「民のために…」と言い切った綱成、そして我が北条と領内の民に恐るべき敵が近づこうとしていたのです。
それは自然の猛威でした…。
つづく…
![コアラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/163.png)
![にほんブログ村 小説ブログへ](http://novel.blogmura.com/img/novel88_31.gif)
にほんブログ村
![にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ](http://novel.blogmura.com/novel_historical/img/novel_historical88_31.gif)
にほんブログ村
![コアラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/163.png)