八幡の武将 〜毘沙門天と地黄八幡〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️



世は群雄割拠の戦国時代

わしは北条氏康(ほうじょううじやす)です。



1557年6月、川中島(かわなかじま)に攻めてきた長尾景虎(ながおかげとら)の軍勢に対し武田晴信(たけだはるのぶ)の要請で綱成(つなしげ)は武田の援軍として上田に着陣しました。

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コアラ長尾軍は青丸辺りの善光寺平、北条軍は黄丸辺りの上田に陣を構えたんだよ。ちなみにこの地図は現在のものなんだ。



綱成は長尾軍の様子を伺うために忍びを放ちました。


その夜…

綱成「今のところ動きはないようだが…美郎(よしろう)、物見に出した忍びはまだ戻らぬか?」

美郎「はい、美咲(みさき)を行かしたのですが…まさか逃げた?」


その時!



スッ!



その場に見知らぬ男が入り込んでいたのです。


綱成「何者⁈ 」

美郎「!!いつの間に⁈ 」

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その男はニヤリと笑い、

「我は長尾家の使いでごさいます。」



綱成も美郎もその男が忍びであると思いました。


綱成「長尾の使い…何用か?」

長尾の使い「我が主人が綱成殿とお会いしたいと申しております。無論、忍んでですが。」

美郎「我が殿に会いたいとは…罠ではあるまいな⁈ 」

長尾の使い「我が主人は罠など仕掛けませぬ。それに綱成殿が来ぬと、そちらが放った忍びがどうなっても知りませぬぞ。」

美郎「美咲!!貴様、美咲を人質に!」


美咲は長尾の忍びに捕まってしまっていたのです。


綱成「わかった。会いにいこう。」

美郎「殿、危のうごいさます!」

綱成「美咲を放っておけない。それに敵将に会えるなど、こんな機会はないだろう。」

長尾の使い「ありがとうございます。では参りましょう。」

美郎「私も参ります。」



綱成は美郎を連れて、善光寺平へ行く途中の荒れ寺に行きました。


そこには1人の武将と美咲が待っていました。そして頭を下げ、

「手荒な真似をしました。わしが長尾景虎です。」


綱成「私が北条綱成です。」

長尾の使い「では我はこれで…。」


長尾の使いはその場から消えました。

綱成「あの忍び、見事ですな。我が陣中に、しかも私の側近くまで誰にも気づかれにくるとは…。」

景虎「神がかりな忍びです。」

美郎「あの忍びは…飛び加藤(とびかとう)では?」

景虎「うむ。そのように呼ばれておるようだ。」



コアラ飛び加藤って名前は加藤段蔵(かとうだんぞう)って言うんだ。優れた忍びの技術を持ち、かえって景虎さんに警戒されるようになったんだ。後に長尾家を去ることになったんだよ。






綱成「さて、私に何用でしょう?」

景虎「援軍を退いてもらえぬか?武田とは同盟関係とはいえ、これは我が長尾と武田との戦。手を出さないでもらいたい。」

綱成「我が北条は武田、今川(いまがわ)との同盟。困っていれば援軍も出す約定でごさいます。退くことはできませぬ。」

景虎「武田は己の欲で信濃国を奪い、次は我が越後国にも手を出そうとする輩。そんな輩に手を貸すのか?」

綱成「武田の事情は私にはわかりませぬ。」

景虎「北条も関東に手を出しておる。武田と同じということか?」


それを聞いた綱成は声を荒げ、

綱成「我が北条は己の欲で戦をしておるのではない!初代早雲(そううん)公以来、民のために、荒れた関東を治めるのだ!」


景虎は綱成の目をじっと見つめました…。









つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜












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