世は群雄割拠の戦国時代。
わしは北条氏康(ほうじょううじやす)です。
1552年、我が長男の新九郎氏親(しんくろううじちか)が亡くなり小田原城(おだわらじょう)で葬儀を行ないました。
氏親さん、16才で亡くなったんだよ。この物語では何者かに暗殺されたんだ。
葬儀の後、家臣らを集め酒を飲みました。
氏康「皆、我が子・氏親は賑やかなことが好きであった。辛いが氏親を思い、思う存分、酒を飲んでくれ。」
わしが思う存分、酒を飲んでもいいと言われても皆は酒が進まないようでした。
そりゃそうだよ。主君の子が亡くなったのに酒飲んで酔うことなんかできないよね。
しかし、綱成(つなしげ)は思いっきり酒を飲み酔っていました。
綱成「氏親様とはこれからいっぱい酒を酌み交わしたかったの〜、、、ウィ!」
他の家臣らは綱成を見て引いていました。
「綱成殿はどうしたんだ?」
「普段からあんなに飲んでたか?」
「故人に失礼だろ。」
「御館様にお叱りを受けるぞ。」
夜も更け、家臣はそれぞれの寝所に引き上げましたが、綱成には向かいがきていました。
「誰だ?あの綺麗な女?」
「綱成殿の側室か?」
「遊女じゃないのか?」
「女を連れてくるとは不謹慎な!」
酔った綱成は女と共に寝所に引き上げました。
その夜……
『綱成め、酔い潰れて女と一緒に眠っているな…今が好機!』
その声の主はソッと綱成の寝所に入り、長い針を出し、
『綱成!死ね!』
振り下ろそうとした瞬間!
バシッ!!
ザスッ!
「クッ⁉︎ 」
長い針は弾き飛ばされ、柱に刺さりました。
綱成「あてが外れたな!美郎(よしろう)捕らえれろ!!」
美郎「はっ!」
なんと綱成と一緒に寝ていたのは忍びの美郎だったのです。
美郎は変装が得意だったね。美少年だから綺麗な女の人になっても誰も男とは思わなかったんだね。
美郎は素早く、アッと言う間にその不審者を捕らえたのです。
綱成「灯を持て!」
綱成は灯でその不審者の顔を覗き込みました。
綱成「おまえは…女⁉︎」
捕らえた不審者は女だったのです…。
つづく…
次回をお楽しみに〜
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