世は群雄割拠の戦国時代。
わしは北条氏康(ほうじょううじやす)です。
1551年、我が北条軍は山内上杉憲政(やまのうちうえすぎのりまさ)の居城、平井城(ひらいじょう)に進軍していました。
憲政「北条の軍がくる。我らも備えねばならぬ!」
憲政の家臣「殿!!上野国の安中氏(あんなかし)が北条に付きました!」
憲政「なっ、何ぃ〜!!わしの馬をひけ〜!こうなったら逃げねばならぬわ〜!」
憲政の家臣「それが……」
憲政「いかがしたぁ〜⁈ 」
憲政の家臣「殿の馬廻衆は既に脱走しています!」
憲政「なっ、なっ、なんだって〜⁉︎」
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憲政は平井城を退去し、平井城は落ちたのです。
この時、平井城には1人の男子がいました。
その男子を連れ上杉方の武士が綱成(つなしげ)の元に投降してきたのです。
上杉方の武士は妻鹿田新助(めかだしんすけ)と言いました。
新助「これは上杉憲政の嫡男、龍若丸(たつわかまる)。我は北条様に味方をします。龍若丸はその手土産でございます。」
綱成「龍若丸…逃げ遅れたのか?」
新助「憲政は兵を集めるため、平井城を出ました。平井城は我らが守ることになりましたが…我は北条様に味方すべく…参上した次第。」
綱成「では憲政を裏切るために龍若丸を騙したと?」
新助「まぁ、、、そうですね。」
バシッ!!
綱成は新助を殴り飛ばしました。
綱成「武士ならば、なぜ最後まで戦わぬ⁈ 」
新助「⁈ 何を…」
綱成「義を違うものは恥辱を受けるのだ!!義を大事にせぬものは北条には要らぬ!!この者を処刑せよ!!!」
新助「なっ、なぜだ⁉︎ 憲政の嫡男を連れてきたのにぃー!」
新助は捕らえられ打ち首となり平井城下に晒されたのです。
綱成は我が父・氏綱(うじつな)が遺した「五カ条の訓戒」を守り、それを反するものを許せなかったのです。
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その後、憲政は関東の武家を頼ろうとしたが、既に北条方になっていたのです。
憲政「どいつも、こいつも!!」
憲政の家臣「殿、越後国へ行きましょう。越後国の長尾なら、まだ北条の手は届いておりませぬ。」
憲政「越後の長尾?わしの味方になるのか?」
憲政の家臣「今の当主は義を重んじる武将らしいですぞ。」
憲政「その名は?」
憲政の家臣「長尾景虎(ながおかげとら)です。」
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憲政は越後国の長尾景虎の元へ逃げました。
我が北条軍が平井城を落とした頃、小田原城では暗殺者が牙を剥きました…。
つづく…
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