あなたは楽譜をどのように持っておられますか?

今度練習に行ったら、ちょっと周りを見回してみてください。以下に挙げるような持ち方をしている方がいるはずです。

・新聞を広げるように、楽譜の左右を持っている
・ひざのうえに置いている
・顔の真ん前に楽譜を広げている
・抱きしめるかのように胸の前にくっつけている
・片手で持っている

などなど・・・。

その時の気分や状況によっていろいろな持ち方をすることはあるでしょう。

でも、楽譜の持ち方は、姿勢や発声にも影響してきます。
標準的な持ち方をおぼえておいて、できるだけその持ち方で歌うようにしてください。


1.左手で楽譜の背を持つ(親指と人差し指の間に挟むように持つ)
2.右手で楽譜の右端を持ち、親指をずらしてページをめくる(親指以外の指
  は背表紙に添える)
3.両肘は軽く曲がる程度に伸ばし、脇をあける。(思い切り腕を伸ばしたり、
  楽譜を胸につけたりしない。)
4.大体胸の高さに持ち、楽譜で口元や目が隠れないようにする


初めのうちはどうしても目の前に楽譜を持っていきたくなります。また、疲れ
てくると腕が下がってきます。これはこれでやむをえないことです。

しかし、目の前に楽譜を持ってくると指揮者が見えなくなってしまいますし、
何よりもせっかく出した声が楽譜に邪魔されてしまいます。
また、腕が下がってうつむき加減になると、正しい発声ができません。

正しい姿勢を保持するために、楽譜の持ち方にもぜひ注意を払ってください。







楽譜に書かれている音楽記号の意味、あなたはどのぐらいご存じですか?

記号だけでなく、言葉で指示がが書かれていることがあります。
なかには何語で書いてあるのかがわからないということもありますね。

これらの多くは音楽用語を文字で表しているものであったり、表現方法の指定であったりすることが多いです。国語辞典や英和辞典と同様に音楽用語の辞典がいろいろ出ていますから、1冊購入しておくとかなりのことは調べられると思います。

ちなみに今手元にある音楽辞典(「カタカナ引き音楽辞典」遠藤三郎著 春秋社 2600円(税別))を見てみますと、見出し語として10ヶ国語以上の用語がとりあげられています。音楽の世界に限った言葉とはいえ、語学の勉強をしているようです。




このような辞典に載っていない言葉は語学の勉強と同じように辞書でいちいち調べていくしかありません。

ただ、実際にそういうことをするのは大変です。楽譜に解説ページがあるものはその中で触れられていたり、練習中指導者が説明してくださることもありますから、そういった情報をできるだけ見逃さない、聞き逃さないようにするのが現実的だと思います。



ついでながら、オーケストラとの曲ではピアノ伴奏譜のところに楽器の名前が書かれていることがあります。練習中「ここはホルンが演奏するんだなぁ」とか「ここの音はトランペットか」などとイメージしながら伴奏を聴くとひと味違った練習が楽しめます。

その辺のところをきちんと弾き分けてくださるピアニストも時々いらっしゃいます。そのような方が伴奏してくれるときは、歌の練習に行っていながらまるで上質のピアノ演奏会を聴きに行ったかのような満足感が得られますね!


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指揮を始めたばかりの時期は「指揮者が楽譜の方ばかり見ている」ということがよくあります。
楽譜に視線を向けたままでは、せっかく大きな振りで指示を出しても、歌う側にしてみたらどこへの指示かがよくわかりません。

自信が持てないときほどメンバーの方を見るのがこわいとか、恥ずかしいという気持ちになるものです。

しかし、指示を出すときはそのパートの方をしっかりと見ることを意識すると、そのうちにとても指揮をすることがラクになってきます。「目と目で通じ合う」ことができるようになるからです。


とはいえ、「団員は大勢。こちらは一人。一体どこに視線を合わせたらいいの?」という疑問が出てくると思います。


ちょっと話がそれますが、こんな経験はありませんか?

「道を歩いていると、向かい側から知らない人が歩いてきた。その人はこちらを見ながらニコニコと手を振っている。こちらも手を振り返したが、自分の後ろの人に振っていたのだと後で気がついた」


これと同じことが指揮者と団員の間でも起きます。指揮者と団員との間にはやや距離があるため、特定の人に視線をあわせると、その周辺の人も自分に視線があっているような感覚になるのです。


ですから、

全体に指示を出すときは「全体の真ん中あたりにいる人」

各パートに指示を出すときは「パートの真ん中あたりにいる人」


に視線をあわせることを意識するといいでしょう。



ちなみにこの方法は、指揮だけでなく一般にも応用できます。
大勢の方の前で話す機会がある方は、聴き手を4ヶ所ぐらいのまとまり(縦に4つまたは縦横2つずつ)にわけ、それぞれの真ん中あたりにいる方にある程度の時間ずつ順に視線をあわせながら話をしていきます。原稿に目を落としながら話したり、虚空を見据えて話すのに比べ、聴き手にいい印象を持ってもらえます。

よろしければお試しください。