今日は週に一度通っていることちゃんのYMCAのクラスの日だったので朝から出かけ、その帰りに同じくYMCAに通っているママ友ちあきさんとその娘まいちゃん(4歳)と一緒に近くのホールフーズと言うスーパーに立ち寄り昼ごはんを食べた。ホールフーズはオーガニックを売りにしている若干高めのセレブスーパーで、それほどオーガニック商品にこだわりの無い私は滅多に行くことのないスーパーだ。そこのお惣菜コーナーが充実していて、水曜日は割引デーと言うこともあり財布の紐の硬い日本人主婦二名とちびっこ二人でのこのこ出向いていったのだ。


惣菜コーナーと言っても、当然日本のスーパーのとは大いに違い、グリルチキンやポテトサラダなどの定番料理からアジア風のパスタサラダやインドカレー風の何かや、日本ではあまり出回っていないケイルなどの葉野菜のサラダなどがあり、とりわけ何だか分からない穀物や豆のサラダが15種類ほどもあり充実している。何を取っても、最終的に重さで換算されるので色々な物を一口ずつとって出来るだけたくさんの種類を食べるのが私たちのやり方だ。


そんな事を考えて横のオヤジを見ると、箱の中にグリルされた野菜だけをぎゅうぎゅうに詰め込み、それにバルサミコ酢とオリーブオイルをさっとかけ、それをレジに持って行っていた。なんでそんな、家でも10分ありゃ出来るような物ばかり食べるのだ。だいいちそんな物だけで夕飯まで持つのか。と、勝手にオヤジの腹持ちのことまで心配しながら、私はせっせと何だか分からない穀物と豆のサラダを5種類ほどとインドカレーっぽいものとその他諸々、全部で15種類くらいを皿に乗せ、全く同じような取り方をしているちあきさんと一緒にレジでお金を払った。とにかくここでは、家では絶対に食べないようなものをたくさん食べてみたいのだ。


何だか分からない穀物は食べてもやはり何だか分からない。ものすごく小さい白いつぶつぶと何かの和え物を食べていると、同じものを皿に取っていたちあきさんが「これなんだろうね?」と言ったので、私が「ひえとかあわとか、そんなものじゃない?」と適当に答えた。ひえもあわも食べたことも見たこともないが、なんとなくそんなものかと思ったのだ。するとちあきさんが「クスクスってやつっぽくない?」とこれまた適当に答えた。クスクスも見たことも食べたこともないが本で読んだことはあるので「あ~それっぽい。」と勘で答えた。するとちあきさんが「クスクスって何だ?」と言ったので私が「ひえとかあわみたいなもんじゃない?」とアホみたいな堂々巡りを繰り返した。


さらにちあきさんが「クスクスってアフリカのものっぽいね。」と思いつきで言ったので「名前は確かにそんな感じだ。」と二人で勝手に納得した。あの白いつぶつぶがクスクスでもなく、ひえやあわでもなけりゃ一体私たちは何を食べたのか。結局何だか分からないが、穀物のサラダは種類は豊富だがどれも同じような味付けと食感で、最終的に皿に残ったものを全部混ぜて食べたちあきさんが「うん、こうやって食べてもやっぱり同じ味。」と感想を述べた。


なんてうまいんだ!と言うものはないが、全体的にまあまあでとにかくたくさんの種類の野菜と穀物と豆を食べ健康になった気分がし満足感はあった。食後は隣のスタバでちあきさんにカフェモカをご馳走してもらってから帰宅した。帰宅する時にそれまで機嫌よくまいちゃんと遊んでいたことちゃんが突然機嫌を損ね、「ノォォォォ!!」と絶叫しながら、日よけのパラソルをくるくる回しその場を離れなくなり困った。魔の2歳児、真っ只中のことちゃんであった。



言葉の発達が姉のしぃちゃんよりも随分と遅い2歳8ヶ月のことちゃんだが、ここへ来てようやく会話がだいぶ成り立つようになってきて日々楽しい。ついこの間はスーパーでマニキュアの4色セットのパッケージを手にもち「Cool!」などと英語で感想を述べていた。また、素晴らしく良いタイミングで「Oh my God!!」などと言ったりするが、常にヒロに髪をおかっぱに切り揃えられたこけしみたいなことちゃんがそんな事を言うとなかなか面白い。


日本語はと言うと、もちろん英語よりもずっとずっと達者だが、何かと発音がおかしい。

トンボは「とーぼん」。

りんごは「りんうぉん」。

電車は「でーしゃん」。

ピンクは「ピークン」。

こんなふうに何でも「ん」で終わらせたがる傾向が強い。


また「き」がいつまで経っても「ち」になるので、「嫌い」は「ちらい」とか「キラキラ」が「ちらちら」とか「ひこうき」は「しこうち」になり、「好き」はなんでか「しち」と言うので始めは何のことやら分からないかった。「こっこ、こりしち!(こと、これ好き!)」と、こんな感じだったのだから分からなくても仕方あるまい。


ついこの前まで「バナナ」を「だまま」と言っていたが、最近きちんと言えるようになった。

他にも「うどん」は「うぼん」だし「パジャマ」は「ジャジャマ」だし「いちご」は「うちご」と微妙に間違えている。


あ~~~~、2歳児のおしゃべりって可愛いなぁ~~~と毎日幸せな気持ちになる今日この頃だ。

もう、しぃちゃんくらいになると日本語だろうと英語だろうと文句を言ったり口答えしたりする時は、本当に子憎たらしいのだ。腹が立って「何さ~!!ばか~~~!」と叫びたくなる。そんな時ことちゃんに「こと、コーシー飲みたいの。」などと話しかけられると一瞬で癒される。これでことちゃんも生意気になったら、私は誰に癒されればいいのだろうか、、。

土曜の午後に、うちで加入している日本語チャンネルで映画「フラガール」をやっていたので家族で観ていた。ことちゃんを妊娠中に一度見たことがあったが面白かったと記憶していたので、また観たのだ。しかも録画しながら観た。どれほど好きなんだと言う感じだ。


そして映画の終わりには、出演者の名前がエンディングテーマと共に流れ始めた。一人目は松雪泰子、そして豊川悦司、そして蒼井優が続き、ヒロが「え!主役は蒼井優かと思ったのに、松雪泰子なのか!?」となぜか驚いたので、私が「ダブル主演じゃない?内容的にもさ。」と反論したが、ヒロは「いや、一人目に名前が出てきた人が主役だから、やっぱり松雪泰子だ。」とまだも言い張った。


なぜこの様にかたくなに名前の順番にこだわるのかわからないが、映画を観た感想から言えばダブル主演、もしくはむしろ蒼井優の方が主役っぽかったから、それでいいではないかと思うと何やら腹が立ち「松雪泰子の方が先輩だから先に名前出たんじゃない?」と私もしつこく反論した。それでもなおヒロは「それは関係ない。こういう場合は最初に名前が出たほうが主役なんだ。」と全く譲らない。どうでもいいことでこんなふうに、本気の言い争いをするのが夫婦である。友達とこんな話をした場合、「そうかもね。」とその場を丸く収めてすぐに違う話題に行くことが出来るのに、ヒロが相手だと「そうかもね。」の一言が全く出てこないため、問題がどんどんこじれる。


不穏な空気の中その後も出演者の名前が続々と登場し、最後は蒼井優の母親役で登場した富司純子(ふじすみこ)の名前が出て終了するところであった。富司純子と言えば日本を代表する大女優で、女優寺島しのぶの母でもある。それを見ていたヒロが「とみつかさじゅんこ」と自信満々に読んだ。私はプゥーーーっと噴き出し勝ち誇った顔で「ふじすみこですーーー!」と言ってやった。実は私も「ふじじゅんこ」と間違って覚えていたが、一応アメリカで放送されているので画面の下に出演者の名前がローマ字でも表示されていたのを、抜け目無く見ていたので「じゅんこ」ではなく「すみこ」だった事を知ったのだ。それでも一発逆転満塁ホームランで夫婦の戦いに勝った気分で清々しかった。