Countryman Type85改造&バランス転送の理屈 | 徒然草 RC2

Countryman Type85改造&バランス転送の理屈

はいどうも、こんにちは(・∀・)ノ


先日、Aftertalkでのアコースティックライブの為に導入したこちらのDI。


Countryman Type85

これはDIとしては名機中の名機で、広く一般的に良く使われているのだけど、殊更ベース用としては非常に使い易いDIですね。
現場とかでよく見るこの


Boss DI-1

ですが、ちょっと音質が眠たい感じで、安価&頑丈故によく見るけど音質的に…って印象がががが。


ってか、そもそもDIとは何ぞや?(゚Д゚?)


DIってのはDirect Injection Box、つまり楽器からミキサーへ直接信号を入力する為のもの。
一般的なエレキギターやエレキベースの出力インピーダンスは250k~500k程度。
対して一般的なミキサーの入力インピーダンスは10k程度なので、そのまま単純に繋いでしまうとインピーダンスのミスマッチが起き、音質が大幅に劣化してしまうんですねー。
具体的には極端なハイ落ち、及びローカットが起きます。
で、それを防ぐ為に適正なインピーダンスに変換してくれるもの、それがDIですな。
DIを通す事でインピーダンスを下げ、インピーダンスマッチを行うと共に低インピーダンス伝送とする事で、伝送中のノイズにも強くする事にも繋がると言う夢の様な機械、それがDIです…!(←大袈裟

で、更にDIはXLR規格のジャックを通じてバランス伝送で信号を送ります。
バランス伝送と言うのは入力された信号を正相と逆相で伝送する事でノイズに非常に強い伝送方式です。
以下にバランス伝送の仕組みを軽く説明しときやす。


まずDIに入力された信号(この場合はサイン波)は正相と逆相の2つを生成する。

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Hot端子からは正相、Cold端子からは逆相の信号が出力される訳ですな。
で、この伝送中になんらかのノイズが混入したとしよう。

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当然こんな感じで波形は歪む訳だ。
ただ、注意して見て欲しいのは、HotとCold、共に同じ向きに同じだけノイズを受けてるってとこね。
で、このまま卓へ入力される訳だけど、卓側はColdに入力された信号だけ反転する。

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そしてこれらを合成すると…あら不思議ノイズが消えました\(^o^)/

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同じ波形を合成してるので振幅、つまり入力信号強度は倍になるけどそれはさしたる問題ではないので無問題。
これがバランス伝送の仕組みっすな。
このバランス伝送と低インピーダンス伝送を組み合わせる事で、長い引き回しなどを行ってもノイズに強いシステムが組める訳です。
いやぁ、これを考えた人は偉いねwww


で、このバランス伝送なんだけど、XLRタイプのコネクタを使用する事が一般的です。
XLRってのは良くマイクとかで見るアレね。
XLRはそれぞれ

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こんな感じに端子番号が振ってあるんですが、実は時期によってはこの端子の使い方が違ったりしてます。
1番がグラウンドなのは鉄板なんだけど、モノによっては2番がホットだったり3番がホットだったりするんですな。
1990年代前半にこの規格は「2番ホットで統一しようや」って事になるのだけど、それ以前の設計のものは相変わらず3番ホットで作られていたりする訳ですなー。
いやはやめんどくさい…('A`)

で、今回導入したType85やBoss DI-1は実は3番ホットなんです\(^o^)/

実は世の中にはこのホットを切り替えられるスイッチが付いていたり(DI-1のInvertスイッチがそう)、ホットの場所を入れ替えるコンバーターなるものもあったりするのですけど、Type85は非常にアメリカンな仕様なのでそんな親切なスイッチは付いていないんですわ/(^o^)\
かと言って、使う度にインバーターを持ってくのもめんどくさい…。


と言う訳で、ここからやっと本題ですwwwwwwwww
前置き長いwwwwwwwwwwwwwwwwwww


実は2番ホットや3番ホットの違いって結線の違いだけだったりするので、出力部の結線を変更してやるだけで簡単に変える事が出来るんです。
と言う訳で早速改造してみましょうかね(`・ω・´)


まずはこちら。

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はい、My Type85ですw
こいつは裏にネジがあって、そいつで筐体と内部を固定してるので、そいつをちょちょいと外してやります。

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中身はこんな感じ。
無駄に電池良いのを使ってますwww(゚∀゚)
で、次に端子を固定しているネジを外してやると。

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はい、こんな感じで端子が外れます。
実は規格が合えばNeutrikのモノに付け替えようかとも思ったけど、まぁ合わないよね/(^o^)\
で、お次はHotとColdに繋がってる線を外します。
ちなみにCountryman Type85の場合はオレンジ線がHot、赤線がColdです。
これだけ忘れない様にして外します。

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で、オレンジを2番端子に、赤を3番端子にハンダ付けしてやりゃMission Complete!!(・∀・)b

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後は元あった様に筐体に戻せば完成!

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多少慣れは必要かも知れないけど、そんなに難しい作業でもないので是非お試しあれ!
インバーターを持ち歩かなくていいってのは凄く楽なので(゚∀゚)♪




と言う訳で、今回はCountryman Type85を2番ホットへ改造する方法と、ついでにバランス伝送の仕組みについて解説してみました。
今回はざくっと付け替えてしまったけど、例えばスイッチを増設して2番ホットと3番ホットをスイッチ1つで入れ替えられる様な感じにしても、それはそれで非常に便利かも知れない!
めんどくさいからやらなかったけどwww
その場合のスイッチ配線は2PDTスイッチ(On-On)を使って

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こんな感じの配線をすりゃ良いんじゃないかな。
もっと効率のいいやり方あったらごめん、今3秒で考えた配線なのでwwww



と言う訳で今回はここまで。
ではまた(・∀・)ノシ