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脳腫瘍と生きる

夫と2人の子供と暮らす専業主婦の私が、2013年9月に神経膠腫(グリオーマ)グレード2と診断されました。
このブログで治療の記録を残していきます。
経過観察中はリハビリや月1回の検査の時しか更新しないかもしれませんが、お付き合いください。

手術から2日目か3日目、リハビリの先生方が順番に挨拶に来てくれました。

私は左前頭葉に腫瘍があるので、術前から右半身の軽い麻痺と言語障害(失語症)がありました。(一言で脳腫瘍と言っても、腫瘍のできた部分によりそれぞれ症状が違います。)

手術をしたことにより一時的に脳が腫れ、術後はそれらの症状が酷くなっていました。
そのため、理学療法士(足)、作業療法士(手先の動き)、言語聴覚士(言語)の3人の先生のリハビリを受けることになりました。

入院中毎日、一回各30分のリハビリは体も脳も疲れたけど、気分転換になるので毎日楽しみにしていました。

足と手の麻痺は1週間くらいでほぼ術前に戻り、リハビリ室の中や外の庭をスタスタ歩きながら先生(2人の子供のママさん)とママトークをしたり、細い棒を差したり折り紙を折ったりしながら先生(若い独身の女の子)と恋バナをしたり、入院後半はほとんどおしゃべりをしにリハビリ室に通っていました。


一方、言語の方は手足ほど回復が早くなく、リハビリを続けるうちに焦りと不安が出てきました。

術前の私の症状は
・頭ではわかってるのに、ど忘れしたみたいに言葉が出てこない
・言おうとしていたのとは全然違う言葉がでてくる
主にこの2つだったのですが、術後はそれに加えて発声そのものがおかしくなりました。(構音障害?)

自分の名前を言おうとしても子音がうまく言えなくて母音だけ発声したり、リハビリの一環で本を音読していて「が」と言いたいのに何回やっても「げ」という音が出てきたり。

少し良くなったとしても、単語一つ一つを頭で意識しながらでないとうまく喋れないので、日本語を覚えたての外国人のようなたどたどしい話し方でした。

この頃は不安でいっぱいの毎日で、回診に来る若い先生に「本当にリハビリすれば良くなるんですか?」と聞いたり、担当の看護師さんに「全然良くならない!」と泣きついたり、毎日泣いてばかりでした。

手術から1ヶ月たった今、だいぶ流暢に喋れるようになりました。
ただ、まだ術前には戻ってないので、言語のリハビリは今も週1回続けています。


そしてもう一つ。退院してから術後気になることをリハビリの先生に話したら「それも失語症の症状のひとつです」と言われて初めて気付いたのが、思考力の低下です。
私の場合、紙に書いてある文章を読むのは問題ないのですが、耳から入ってきた情報をうまく処理しきれないみたいです。
だから人が早口で長い文章を喋っているのを聞くと、後半は頭の中がグチャグチャになってしまいます。(「リーガルハイ」の堺雅人のセリフなんて、半分くらいしかわかりません。)

特に困るのが、4歳になる長女のおしゃべりについていけないことです。
立て板に水のようにハイテンションでおしゃべりするのて、聞いているとだんだんイライラしてきます。
これでは長女にとっても私にとっても良くないので、先生に相談しようと思います。


弟が知り合いの言語聴覚士の人に私の話をしたら、元に戻るまで3ヶ月位はかかるので焦らなくていいと言っていたそうです。
家族も私の症状を理解してくれ、言葉に詰まっても話終わるのを待ってくれたり、あまり複雑な質問はしないで「はい」か「いいえ」で答えられる簡単な質問をしてくれるようになりました。

まだ1ヶ月。焦らないでリハビリを続けていこうと思います。



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