- めがね(3枚組)
- ¥3,730
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何が自由か、知っている。
たそがれどきを迎えるすべての人へ。
『かもめ食堂』のスタッフとキャストによる、一瞬のようで永遠のような、たそがれどきの物語。
わたくし、ここのところふさぎ込んでいました。
ただでさえ仕事が忙しい時期にもかかわらず、人生最大に落ち込むできごとがあって。
そりゃもう、落ちました、とことん。
本なんか読む気力も湧いて来ない。
読んでも頭にすっと入って来ない、すぐに内容を忘れてしまう(あ、それはいつものこと?)
人生ドラマチックとは申しますが、ここまでドラマチックじゃなくてもいいんだ、わたしの人生。
で、映画です、めがねです。
主要人物が全員めがめをかけている。
タエコ(小林聡美)がやってきて、そこに住む人達としずかな交流を深める。
マンドリンの音色とカキ氷、そんで青い海。
それだけ。
本当にそれだけの映画です。
タエコがなぜこの地に1人でやってきたのか。
他の人達はいったいなんなのか。
誰の感情も背景も描かれることはない。
ただ、「たそがれる」ということをするのみ。
もちろんタエコははじめ尖がっていて、他の人達を訝しく思うわけです。
きっと何かがあって、それを払拭するためにひとりでその地にやってきて、やりたいことをやろう!と密かに思っていたんだけど、なんだか違う。
「人生はこうあるべき!」なんて押し付けもない中でどうやって人は新しい何かをみつけるのか。
なんか何にもなくてもなんかある、みたいな(笑)
ストーリーを追うと退屈かもしれません。
でも画面から流れてくる空気がとっても心地よいです。
この映画を観た時もくさくさしてたんだけど(その後最大級の災難がやってきたわけですが)今観て良かった映画だなとおもったわけです。
本当はよくわからないけど。
ただ、ひとつ気に入らないのは余計な物の中に「小説」が入っていたこと。
本好きとしては、たそがれながら、あの空気の中で本を読んでもいいんじゃないかと。
カキ氷もおいしそうでしたが、わたしは浜辺でビールが飲みたいです、浴びるほど(笑)