11月9日 日曜日~11月13日 木曜日
父の骨髄移植後、もう1ヶ月以上経ちました。
父の移植結果は…生着を一心に願ってきましたが、結果としては、移植後の父の白血球は増えず、11日、担当医から、父と母に「駄目だった。」と報告がありました。(移植は成功しなかったという意味です。)

担当医から家族へ今後についての説明をしたいとの事にて、日程がセッティングされました。その説明をまだ受けていない現時点では、家族に詳細はまだ聞かされていませんが、今後は早いうちに、おそらく臍帯血移植をして頂く予定(そうせざるを得ない状況)と思います。

13日は、父の病室はまた変更になり、病室のテーブルには、移植前の放射線治療に関する同意書が置いてありました。

日中は母が、夜は私が、父の病室に居たのですが、私達家族が居なかったタイミングに、担当医は、父にだけその説明をして、同意書をテーブルに置いていかれたようです。
どういうシュチエーションだったか私は見てないですが、今日のとても元気がない父が、一人でその説明を聞いたかと思うと、胸が切なくなりました。

しかも、この日の父は、看護師さんには気を遣っている様子でしたが、私には、不機嫌にちょっとした事で文句を言ったりしていたので、またすぐに移植をする必要がある父の心の叫びが伝わってくるようでした。私は何とも言えない悲しさを感じました。(この日ほどの不機嫌な父は、何ヶ月かぶりに見ました。)

10月に移植して頂いた後…
父の白血球は、一度はほんの少し増えた後は、数値がなかなか上がらなかったので、とても心配していました。
移植後26日目には、担当医から血球貪食症候群だと言われ、パルス療法を試して頂きました。
しかし、その後も数値はほとんど上がりませんでした。

血球貪食症候群により、父の体の中で、ドナーさんから頂いた白血球が増えようとしても、父の体内でそれを食べて(阻止して)しまっているといったような事が起こっていたと、担当医は仰っていました。

その時、担当医の説明では、血球貪食症候群の原因については仰って無かったですが、移植後の父は腎臓や肝臓が良くなかったので、担当医は、しばらく免疫抑制剤を止めて経過をみていました。それが原因で、父の免疫が活発に働いてしまい、ドナーさんの白血球が増えるのを阻止してしまったのではないかとも思います。でも、腎臓や肝臓が良くなかった為、仕方がないとも思います。

この約1ヶ月…
父は、重篤(担当医はそう言いました。)とも言える容態でしたが、一筋の希望の光を信じたい想いで、生着を願いながら毎日を乗り越えてきました。生着しなかったという結論を下されると、やっぱり、今、父の心には大きな穴がぽっかりと開いてしまっているように見受けられます。

父は、時々、悲しげな遠い目をしています。
移植後に経験した壮絶な苦しみの後、すぐにまた移植が必要だという事になり、また口から水を飲みたい…等、最近の父の目標がまた遠のいてしまいました。カテーテルにつながれ、オムツをしている状況(【注】)がまた続く失望感と、そして、それどころか、すぐに行う再移植は、今の父自身の体力がそれに耐え得るのかという不安もよぎり、父は、とても心配なのだと思います。
(【注】白血病で移植後でも、父以外の方々は、オムツをしていない方がほとんどだと思います。父は結構高齢で重篤なので、様々な面で特例のようです。白血病等で移植を控えている方々は、父の例はご参考やご心配の種にされませんよう、よろしくお願いします。)

13日も、いつものように父は、うがいは意欲的に行っています。しかし、うがいの後は、最近毎日していたように、父の脚をゆっくり軽くストレッチしてあげましたが、この日の父は、それを途中で嫌がりました。
歩く事などの父の夢や目標も、またお預けになったので、寝たきり予防のストレッチへの意欲や必要性を、父は感じなくなったのかもしれません。

脚のストレッチは、父に聞いてから最近毎日行っていましたが、再び移植を控えるという事がはっきり分かった今からは、また暫くやめておこうと思いました。

私は、最近なんだか、もう、ただただ悲しくて、行き帰りの電車の中でさえ、泣きそうになったりもしました。
先日は、姉に電話をして、病院に対する自分の良くない思いを沢山話してしまいました。姉は、よく聴いてくれました。
私以外の家族は、病院等何かのせいにするような良くない意見は、あまり言いません。これからは、私も反省して見習おうと思っています。
また、感謝の気持ちを忘れずに、前向きに良い事を考えたいと思います。

中村天風さんのお言葉より…
「『今日一日、怒らず、恐れず、悲しまず』という心構えを持ち続けること。そうすれば正真正銘の清らかな心の世界を保つことができる。 」

稲森和夫さんのお言葉より…
「人生の明暗を分かつものは、運不運ではなく、心の持ちようだ。苦しいときにこそ、明るい希望を失ってはならない。また、成功したときこそ、感謝の心、謙虚な心を忘れてはならない。」



(移植後の症状は人それぞれのようです。私の父は結構高齢で、同じ年代の方々の中でも移植後の症状はかなり重い方のようです。よって、他の方々には、父の症状はきっと起こらないとも考えられます。このブログを読んで、他の闘病中の方々が、ご心配をされませんように。)