南シナ海の中国のうごきとの関連するニュースを紹介しながら、面白い中国を考える。

やはり、中国を論じるのは私にとって面白いし、楽しいから書きたくなるのだ。自分の好きなことをしていることになる。これは「識る」行為の一つ、うちの奥さんがいつも私にテレビを見ながら、「分析しなくていいの」ということをしているということで、何も生み出すものでもない。気の向くままという事で「hagure」は「浮浪雲」から来ています。

まさに名は体を表すというけれど、まさに「浮浪雲」している今日この頃だ。

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①マレーシア、南シナ海めぐり対中国戦略を見直しへ
ニューズウィーク日本版 / 2016年6月6日 19時9分 南シナ海領有権問題

 マレーシアのサラワク州沖で3月、同国の沿岸警備艇が大型の船舶を確認した。乗組員たちは仰天した。その船が警告のサイレンを響かせながら、高速でこちらに突き進んできたからだ。その後、同船が針路を変えると、船腹に「中国海警局」の文字が刻まれているのが見えた。
 ・・・・ この事件の他にも、同じ時期に当該海域に100隻ほどの中国漁船が現れたことに刺激されて、マレーシア国内の一部では、強大な隣国である中国に対し、従来は控えめだった批判を強めつつある。
 ある上級閣僚は、南シナ海で領有権をめぐる対立が起きている岩礁・島しょの周辺で中国が力を誇示しているなかで、マレーシアはこうした領海侵犯に対抗しなければならない、と話している。
 フィリピン、ベトナムなど、南シナ海での領有権紛争に関与している諸国は、以前から中国の強引な姿勢への警戒心を強めていた。・・・ だがマレーシアの場合、中国との「特別な関係」を掲げ、また貿易と投資への依存度が高いため、従来、この地域での中国の活動に対する対応は、西側諸国の外交関係者から「控えめ」と表現される程度のものだった。
 ところが3月に多数の中国漁船が、領有権が争われている南沙(スプラトリー)諸島の南方にあり、豊かな漁場の広がる南ルコニア礁付近に侵入した際には、マレーシアは海軍艦艇を派遣し、中国大使を召喚して説明を求めるという異例の動きを見せた。
 中国外務省は、「関連の水域」において自国の漁船が通常の漁業活動を行っていただけであるとして、事態を重要視しなかった。
 わずか数週間後、マレーシアはミリ市の南にあるビントゥル付近に海軍の前進基地を設ける計画を発表した。・・・・・ マレーシアの態度硬化を裏付けるように、上級閣僚の1人はロイターの取材に対し、「領海侵犯には断固たる行動を取らなければならない。さもなければリスクが容認されたことになってしまう」と話している。 ・・・・マレーシア議会では先月、副外相が他の東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国と同様にマレーシアも中国の主張する悪評高い「九段線」を認めていないことを繰り返した。中国は「九段線」を掲げて、南シナ海の90%以上の水域について自国の権利を主張している。

・・・・・マレーシア政府がさらに強硬な姿勢を取ることに及び腰なのは、マレーシアが中国に大きく依存していること、・・・・・マレーシアの中国系住民は人口の約4分の1を数える。
 昨年9月、中国・マレーシア両国の外交関係に緊張が走った。マレー系住民によるデモに先立って駐マレーシア中国大使が首都クアラルンプールにあるチャイナタウンを訪れ、「中国系住民の権利に影響するような行動に対しては、中国政府は遠慮なく批判させてもらう」と警告したのである。
 ・・・・ さらに注意を要する選択肢としては、米国との軍事提携の強化がある
 ある政府高官はロイターに対し、「マレーシアは、中国政府を刺激しないようひそかにではあるが、情報収集に関する支援と沿岸警備能力の強化に向けて米国に打診を行っている」と話した。
・・・・「こうした戦略のどれも、大きな成功を収めているわけではない。だが他に何ができるだろうか」とストーリー氏は言う。「この領有権をめぐる争いは非常に長引くだろう」
(Joseph Sipalan記者、翻訳:エァクレーレン)[ロイター]




②南シナ海、フランス主導でEUに海軍艦艇派遣案 暴走中国に対抗へ
夕刊フジ / 2016年6月6日 17時12分
南シナ海領有権問題
 中国人民解放軍の幹部が国際会議で激高した。南シナ海で軍事的覇権を強める同国に対し、米国の国防長官や日本の防衛相が警告を発したところ、「南シナ海は中国のもの」「中国は黙っていない」などと恫喝(どうかつ)してきたのだ常設仲裁裁判所の判決も拒絶するような無法ぶりに、ついにフランスの主導で欧州連合(EU)各国の海軍艦艇による派遣案が急浮上した。
 中国の孫建国連合参謀部副参謀長が5日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で行った演説や質疑応答は突出していた。
 カーター米国防長官中谷元(げん)防衛相は前日の会議で、中国による南シナ海での人工島の軍事基地化について、「自らを孤立させる万里の長城(を築く結果になる)」「原則に基づく海洋秩序を著しく逸脱している」と警告したが、これに猛反発したのだ。
 孫氏は南シナ海情勢について、「南シナ海は昔から中国のものだ」と自説を繰り返し、「一部の国が問題を過熱させている」「ある国は『航行の自由』を都合良く解釈して武力をひけらかし、徒党を組んで中国に対抗している」と、強い調子で米国などを牽制(けんせい)した。
 さらに、南シナ海の全域を中国の管轄下とする主張は不当だとして、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に提訴したフィリピンも批判し、近く示される判断も「受け入れない」とした
 中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は5日、孫氏が三村亨防衛審議官との会談(4日)で、以下のように発言したと報じた。
 「日米両国が南シナ海でパトロール航行などを合同で実施すれば、中国側は黙っていない」「改善しつつある中日関係に多くの不確定要素を生むだけでなく、大きな損害をもたらす」
 唯我独尊、国際秩序を無視して、他国を軍事力で脅す姿勢といえる。これには地理的に南シナ海に関心の薄かったEU諸国も立ち上がった。
 共同電によると、フランスのルドリアン国防相は5日、EU各国に対し、南シナ海の公海に海軍艦艇を派遣し、定期的に航行するよう近く呼び掛ける考えを同会議で明らかにした。ルドリアン氏は、EUは「航行の自由」によって経済的利益を得ているとし、南シナ海情勢を懸念していると主張した。中国は、孤立への道から引き返せるのか。


③日ミャンマー防衛相が会談 安保協力を協議
2016/6/6 10:49 (2016/6/6 13:25更新)
 【ネピドー=共同】中谷元・防衛相は6日午前(日本時間同日午後)、訪問先のミャンマーでセイン・ウィン国防相と会談した。3月に発足した新政権を支援するため、安全保障分野での協力について協議する見通しだ。

 自衛隊によるミャンマー国軍の能力構築支援について協議する方向。日本側は2014年以降、人道支援や災害救援などの分野で支援してきたが、態勢をさらに強化する方針だ。

 中谷氏はこれに先立ち、国軍のミン・アウン・フライン総司令官と意見交換。同日午後には実質的に政権を率いるアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相とも会談する予定だ。



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論語 陽貨第十七

子路日、君子伺勇乎、子日、君子義以為上、君子有勇而無義為乱、小人有勇而無義為盗、
子路がいった、「君子は勇を貴びますか。」先生はいわれた、「君子は正義を第一にする。上に立つ者が勇敢であっても正義がなければ乱を起こすし、下々の者が勇敢であっても正義がなければ盗みをはたらく。」


衛霊公第十五

子日、過而不改、是謂過矣
 先生がいわれた、「過ちをしても改めない、これを〔本当の〕過ちというのだ。」



まあ、今の中国は、論語すら読んでいない人たちが国を治めているようだ。

フィリピン、ベトナム、台湾、また韓国も中国漁船を二隻拿捕したというからどうなるか。インドネシアも拿捕した船を爆破、オーストラリアも貿易と安保は別として、いよいよマレーシアがここにきて領海を守るという態度に出てきた。

九段線は中国の勝手な言い分に過ぎないが、どうしてこうも愚かなのだろうか。

そして「国際ルールを守らない」という事が、ルールを守ろうとする勢力と対抗することになって、EUまで相手に引き出す口実を与えてしまった。

フランスは、太平洋に植民地がある。オーストラリアに潜水艦を売ることにも成功した。今後「大義名分」と経済的利益を巡ってのせめぎあい、ドイツとイギリスがどのようにフランスの話にのって来るかが見ものと言える。

「航行の自由」は公海大原則であろう。口先だけで脅し、威嚇していると、下のレベルの低い兵隊が、実際に戦闘を始めてしまう可能性があっる。

やはり尖閣諸島あたりが一番きな臭い状態になるだろう。


国連の常任理事国としての役割を果たすどころか、ますますおごり高ぶって、世界の邪魔者に自らなっていく。

孫建国連合参謀部副参謀長という長い肩書の軍人が国際会議で吠えて、日本に威嚇して、何をしようというのか。結局このままま力を振りかざせば、実力行使までに至らざるを得ないように自分たちを追いこんでいる。

そもそも、すべてが、対外的であるよりは対内的なことなのだと言える。

先月の岸田外相と王毅外相との会合での王毅の言った日本への四つの要求も、日本ではオフィシャルなものとは報道されていないし、外務省も無視している。あれも対内的なポーズで、中国国内の反応は「よくいった」みたいな反応なのだ。


日曜日にNHKで北朝鮮の秘密文書のドキュメントを放送していたが、独裁国家は、内乱と暗殺を恐れており、原爆実験も対外的であるよりは、人民を支配するための手段だとしていた。実際には軍人に食料はいきわたらず、軍軍規も乱れているようだ。


おそらく、中国も実態としては似たようなものではないか。国防予算より治安維持予算のが金額が大きいようだし、つまり、専制国家のトップは国内の中での自分の安全が第一になり、その権力にまとわりついておすそ分けを頂く連中も、権力の維持に専念する。だけど、一度疑いをもたれたら、抵抗するか、逃げるしかない。

慰安の中国の内部は、昔とちっと変わっていないように見える。二〇一〇年に中国に行った時に日本語の通訳のホジャをした上海外国語大学の女学生が、政府の大臣は「宦官」だと言ったことが印象にある。

政府の大臣よりも共産党の組織が上であるから、王毅外相も皇帝のご機嫌を損じては「首が飛ぶ」のだ。

その女学生は早稲田大学に留学が決まっていたが、その後はどうなったか。


5日のブログで、南沙諸島の軍事施設は、実際の戦争の際には役に立たないという見方を紹介した。

今、中国は自分の「覇」を示すことによって、他国にいい口実を与えていることに気づいていない。

第一に、アメリカのプレゼンスを高めた。

第二に、日本を覚醒させて自衛力と海外への活動への道を開かせ、さらに日本のプレゼンスをアメリカに

     認識させた。

第三に、アジアの諸国が、実際の脅威として中国を認識し始めて、過去の「殖民地」時代の侵略者を想定

      させている。

第四に、国際ルールを無視することを公言することで、「道義」の問題としてEUを巻き込んだ。

第五に、日本を悪人にするつもりが、「正義の味方」に変えてしまった。


中国の政策は「過ち」であるのに、認めないで深みにはまる。

今後、経済成長は望めなく、他国との貿易も相手国に利益を与えられなくなると、「心」は離れていく。オーストラリアの鉄鉱石の輸出が激減することで、関係が変わる。

また民度の低い中国人が大量に世界に「歩く宣伝」になって、嫌われている。


もはや、中国を未来のリーダーとして立てようなどと言う国がなくなっているのだ。対外的なことに構っていらないほどに、国内での共産党の支配の正当性を維持するのに汲々としているのかもしれない。


王毅がカナダでの記者会見で、「6億人を豊かにしたのは共産党だ」と怒鳴ったようだが、豊かにしても再び貧しくするし、「心」を貧しくさせたことはどう説明するのか。中国人の賤しい行動は世界にあふれており、中国という国の「品位」を最低にしているのは「共産党」であり、人民の地涌を奪っているのも「共産党」だ。

豊かになることと、幸せになることは同意語ではない。中国は確かに以前よりも豊かになったが、それがどうしたというのか。王毅も答えられなくて負け惜しみを言った。怒った方が負けである。

中国の「間違いだらけの政策」で、日本はよみがえるだろう。

オバマの広島訪問は、江沢民が敷いた後ろ向きの反日路線を意味のないものにした。

この先、一世紀のち、二〇一六年のアメリカと日本の関係が恩讐を乗り越えて未来にむった一歩となったことが、歴史的な大きな出来事と記憶されるだろう。

中国や韓国は過去に自分を縛り付けることで、未来に進めない。自ら過去のくびきをこわさない限り、相手を過去に結び付けようとする努力が、すべて自分を過去に縛り付けることになる。

日本は過去から自由になって、先に進む。他の国々も前へと進む。

南沙諸島、尖閣諸島をめぐる騒ぎは、むこう一〇年で様変わりするだろう。

<中国の貧困化>がこれから進むだろうと、私は見ています。

イタリアのサッカーチームを買収しても、大衆の胃袋は満たされない。お金の使い道が間違えている。