車を買いました
8月に自主映画関係のイベントに参加するため、四日市へ向かっていたとき。
珍しく雨で、高速道路のジャンクションでスリップし自損事故となってしまいました。
まずお尻が右へ振れて、立て直そうとしましたがコントロールを失って半回転してガードレールにぶつかって停まりました。
やはりまずかったのはスタッドレスのままだったことですね。雨の日は特に注意が必要とのことです。皆さんもお気を付けください。
全く自己完結なのでそれは仕方ないとして、レッカーに来てくれた業者さんが「これは100万では済まないね」
マジか!だいぶ古くなっていたので車両保険はつけておらず、これは無理だとそのまま廃車を依頼。その業者さんはタダでやってくれるとのことでラッキーでした。
さて、とはいえ通勤は車だし、田舎ですからクルマがないと困ります。
ということでお盆休みが明けるのを待ってディーラーへ。デミオから後継のMAZDA2にしようと思ってはいたので、いろいろ中古のデータを見せてもらい、ちょうどお店に在庫していたやつに決めました。
マツダのテーマカラー的な赤ですね。実は前から気になっていたので、まあよかったかなと。4年落ちですが古さは感じません。最新型はエンジンが改良されていますが、まあ乗り比べでもしないと気になることはないかなと。
3週間ほど待って納車されました。中古とは言え、新たに買うのは気分が上がりますね。色も色だし。
あまり自分を過信せず、肝心なところはプロに任せつつ乗っていこうと思います。
ジュラシックワールド
新作公開、監督はギャレス・エドワーズ(ローグ1、ゴジラなど)ということで観てきました。
まずは一言、面白いです。さすがのギャレス・エドワーズ監督といったところでしょうか。オリジナルがあった上で面白いものを作るというこの監督の面目躍如ですね。
せっかくなのでドルビーアトモス対応の映画館で観てきました。迫力も十分、展開も飽きさせず、最後あーよかったと思わせる、家族で観られるエンタメ作品になっています。
さてここからはややネタバレします。観てない方はご注意ください。観る前に情報を入れたくない方はこちらで失礼します。ごきげんよう。
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まあ、この恐竜シリーズ、いろいろ手を変え品を変えてはいますが、基本やっていることは変わりません(とラジオの相棒も言っておりました)。まさしくその通り。
そんな中でも、今回は海が一つの重要な舞台になっていたり、関係ない家族が巻き込まれたり、新たな設定が活きています。
そして、随所に見られるいろんな過去作品へのオマージュシーンも楽しいです。私も気がついてない作品もまだありそうです。
結構開巻まもなく出てくるのがオリジナルのジュラシックパークのほぼ丸パクリシーン。「早速やってくれるねー」とニヤニヤ。
見終わって思ったのが、始めにちょっと前の研究所がやられるシーンから始まって、最終的にそこへたどり着く展開は、よく考えたらエイリアン2みたいだなと。そう思うと最後のボスキャラのデザインもちょっと意味ありげに見えたりw 最後の展開もエアダクトの中を逃げていくとか、まさに、だったりします。
現代パートになって恐竜地帯に行くことになり、一つ目の目的地は海で、気分はやはり「ジョーズ」。銃で狙ってたり。そしてここを観ながら思ったのは、やはり「ゴジラ−1.0」からもだいぶ刺激を受けてるんではなかろうか、ということでした。
そして二つ目の舞台は広がる草原。やや人より低いくらいの草が広がっていたら、このシリーズのファンなら「ヤバい」ってなりますよね。そこもうまく使っています。
そして、関係ない家族が巻き込まれてしまうのもうまく生かされ、飽きない展開になっています。そうそう、ジュラシックパークと言えば、やはり「喰われる」担当がいるわけでw、出だしから「この人だよな」となるわけですが期待を裏切りませんw。まあどうなるかはお楽しみというところで。
ラジオの相棒もこのシリーズ一番の優秀作品と言っていましたが、その期待を裏切りませんでした。おすすめです。
スーパーマン(2025)
(映画.comに書いたものの再録です。加筆修正しています)
自分も世代的にスーパーマンと言えばクリストファーリーブの印象が強い。この前もNHK4Kでその1作目を放送してました。ロイスを救うためにそこまで?と思うけど、あのロマンチックな飛行シーンがあってこそ生きる展開なんですよね。ジョン・ウィリアムズの音楽ももちろん一役買ってます。あの「愛のテーマ」好きなんですよね。
リーブは亡くなってしまったし、その後スーパーマンは何人かで映画化されているので、どう作るのかも気になりますが、井上淳一監督の指摘が鋭いなと思いました。
「あの両親の(炎上する)くだりを思いついたときに監督は成功を確信したに違いない」みたいな事を書かれていて、さすが脚本家でもあるなあと思いました。
「スーパーマン」はあくまで入れ物で、そこに何を込めているかが制作者の意図な訳で、観客の期待を裏切らないことだけが仕事じゃないと思う。
いきなり始まるけど、字幕で流しているし、スーパーマンの設定は知ってますよね、なだけの話で、うまく省略してると思います。手がのこぎりになる彼女は確かにだいぶ説明を切り詰めちゃってるけど、個人的にはぎりぎりな詰め方な気はします。
米国とレックスルーサーの関係はどう見てもトランプとマスクだし、紛争はまさに今起こっていること。彼が本当に「スーパー」超人なら、全部あっというまに解決してしまえばいい話だけど、現実はそうはいかない。しかも実の両親のメッセージがあれでは炎上しますわな。炎上、これもイマドキ。
彼自身も悩むけど、背中を押してくれるのは育ての親の言葉。ここ涙腺ポイントでした。
「ブーツ磨いといたわよ」もいい。
リーブ版と言えば、新聞社の屋上から乗り物が落ちそうになるのもちゃんとあるよ笑
冒頭のインタビューでスーパーマンが答える「殺されそうな人を救ったんだ!」
殺されそうなを困っているに変えれば、いま朝ドラでタカシ君が悩んでいるまさに逆転しない正義。
そして今回はスーパーマンもいろんな人の手を借りるけど、それは彼が正義を行っていればこそで、それを信じて「自分も正義を」となるわけで、その存在意義はやはり大きいんですよね。
結局正義は心の中にある、というのは変わらないテーマだと思うのです。リーブも禁を破ってまで救ったように。
プログラム電卓
前の記事で書いたように高校の必修クラブでプログラム電卓に触れたことで、自分でもほしくなり、親に「学校でいるから」と言い訳をして買ってもらいました。
CASIOの FX-602Pというプログラム電卓です。
アルファベット表示ができ、プログラムでいろいろ表示ができました。
プログラムはキーを押した順序を憶えるというもので、言語というほどでもないものです。
そして前にも書いたようにジャンプと条件分岐ができるのでいろいろプログラミングできるわけです。
記憶容量は512ステップ、外部記憶はないので作ったプログラムはノートに書いて記録してました。
何を作っていたかほとんど憶えていませんが、こんなゲームを作ったのは憶えています。
MasterMind とか Hit&Blow とかいうゲームです。プログラムでランダムに生成した4桁の数字を当てるものです。
とりあえず適当に4桁の数字を入力すると、4つの数字のなかで、場所も値もあっているものがいくつあるか、そして位置は違うけど値があっているものがいくつあるか、という2つの数字を教えてくれます。
これをヒントにしてまた4桁の数字を入力し、ということを繰り返し、何回目で当てられるか、というものです。
ゲームそのものも、いかに早く当てるか、と考えるとなかなか頭を使います。
そして、それを実現するためのプログラムもなかなか頭を使いました。まあプログラムはもう憶えてませんけどね。
ゲームで4桁の数字を当てたときには達成感がありますが、プログラムがちゃんと動いたときの達成感もなかなかのものです。
パソコンのプログラミング言語であれば、いろいろ便利な機能が使えますが、基本的に電卓ですからできることは限られます。そのなかで工夫して動くものができた、という経験はその後も役に立ったと思います。
そういえば、当時読んでいたマイコン関係の雑誌でもこの電卓の読者作成のプログラムも紹介されており、数学の自然対数の底(いわゆる e )を100桁くらい計算するとか言うのもありました。30分くらい動いて結果をだしてましたね。これもいろいろと工夫をしていて、やればできるもんだ、と関心してました。世の中には頭のいい人がいるものだなあと。常に上はいるものですよね。
イヤホン聞き比べ その2
前回の聞き比べは、iPhone15pro に接続したUSB-C DACにイヤホンをつないでのものでした。
で今度は、去年新調した MacbookAir M3 のアナログイヤホン出力を使って改めて聞いてみました。
J-Popにしてもオーケストラにしても、やはりゼンハイザーのバランスがよくて聞きやすい。特にオーケストラで低音が足りないと思ったところは大分ましに聞こえました。
AZLAは、やはり高域の元気がいい傾向は同じです。オーケストラでは、低音も出ているのですが、高域の元気良さに埋もれ気味な感じに聞こえるのがちょっと残念でした。
出力機器によってかなり違って聞こえるのが面白い。
ますます沼ですな
イヤホン聞き比べ
AV系の情報サイトで評判のよかったイヤホンをAmazonプライムセールで買ってみました。
そのちょっと前にも普通にアナログ接続のイヤホンがほしくてゼンハイザーの安いやつを買っていたので比べてみることに。
買ったのはこちら。
TRINITYのAZLAというやつです。ちなみに送ってきた箱がこれ。分かっていらっしゃる。
ゼンハイザーはこちら
ポップス系はゼンハイザーの方がとりあえず聞きやすいです。AZLAはいわゆるドンシャリな感じだけど高域がちょっときつく聞こえます。
映画音楽好きなのでオーケストラ(S.W.サントラ:王座の間とエンドタイトル)を聴くとゼンハイザーは高域も低域も控えめで、特に低音がさみしく感じてしまいます。低域はAZLAはだいぶましだけどやはり高域がきつく、この曲の録音の古さが強調されてしまう感じです。このあたり、エージングでましになるといいのですが。
ついでに持ってるヘッドホン(AKGとオーディオテクニカ)も聞き比べてみたら、やはりヘッドホンは全体に音が豊かな感じがするのは致し方ないというところでしょうか。
AKGはこちら。オーテクは型番を失念。どっちにしても高いものではないです。
一番長く使っていたからかもだけど、自分的にはやはりAKGがいいなあ。いつも使ってるスピーカー(B&W CM7)と近いというか、最初に聞いたとき、「スピーカーと変わらんなあ」と思ったんですよね。
こうなるとポタアンとかも試したくなりますが、こんなことしてるから沼なんだよねw
ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング
見たのは公開すぐだったんですが。
せっかくなのでIMAXでみましたよ。
久しぶりに隣県まで行きました。しかもIMAXが設置されてからは初めてです。せっかくなので会員登録しましたよ。
ということでファイナル・レコニング。私としてはこれだけ楽しめればもう文句なしです。そしてアノ人ですよね。出てきたときには思わず声が出ちゃいましたよ。予告はそういうことかと。まあそれだけでなんかワクワクが持続しましたね。
「やってきたことの責任だ」みたいな大げさな言葉もありましたが、この人のことだったのか?という気すらします。
だいぶ中央寄りの座席で見てましたが、IMAXだと足の下までスクリーンが広がってる位置関係になるので、迫力満点です。
しばらくして Yなんとかの感想でこれはミッション:インポッシブルではない、あれもこれもない、みたいなのを見かけましたが、そんな窮屈な見方をしなくても、と自分なんかは思ってしまいます。
一番理想的なのは、なんの前情報も入れずに、まっさらな状態でみて何を感じるのか、思うのか、を味わいたいと思っています。つづきものなので前を知ってるのはもちろんですよ。
予告編もミスディレクションが結構あったりします。まあこれはわざとでしょうけど。
だいぶ年を取ってきたせいか、わりと平静に見られるようになったかなと思いますが、別にアホになってるわけではないですよ。
映画によってはなにやら難しそうな理屈を言いたくなるときもありますが、そもそもエンタメ作品ですし、楽しめればいいのです。
今回「アノ人」を出そうと考えたのはやはり脚本も兼ねる監督なのかなと思いますが、「そうきたか!」って嬉しくなっちゃうんですよね。もちろんこれは、アノ人を知っているからに他なりませんけどね。
動画サイトに、山崎貴監督とトムクルーズがビルの屋上で対談しているのがありましたが、山崎監督の「ミッションをクリアしようと頑張っているイーサンの向こうに、どうやって観客を楽しませようかと頑張るトムの姿が透けて見えてしょうがなかった」というコメントがさすがだなあと思いました。もちろんトムも喜んで「映画関係者と話せる醍醐味だ」というようなことを言っていました。
裏にどれだけの努力があるのか、もちろんそこは見せるものではないんだけど、多少とも作ることもやっている自分としては素直に評価したいなあと思いますね。
なんというか、心意気、ですかね。
マイコンその2 〜プログラム?〜
高校の時に、課外クラブというものがあり、放課後に何か活動するんですが、部活動とは違って、全員強制参加のものでした。週一回の活動だったかと思います。
その中にあったのが、「プログラム電卓」。数学の先生が顧問でした。これは面白そうと参加をしました。使用するのはキャノン製の「キャノーラ」というプログラム電卓。電卓とはいえ机の上に置いて使う、そこそこの大きさのものでした。
改めて写真がないかネットで検索してみたのですが、型番を憶えておらず、これだ、というのを見つけられませんでした。ですがYoutubeに分解している動画がありました。もしかするとこれかも。
なにせ40年以上前のことなので記憶が・・・
でも、感熱紙を使うプリンタがついていて、プログラムで出力できたことは憶えてます。
以下はプログラムについてのヨタ文なので興味ない方は
go to そんなこんなで おっと、「そんなこんなで」まで読み飛ばしてください。
(まあそれもプログラムみたいなものですね……何?という方は読み飛ばさずにどうぞ)
プログラムと言っても、要はキーを押す順番を憶えておいてくれる、みたいなものですね。ただ、それだけではプログラムとしては半人前です。
たとえば条件分岐(if)。それまでの計算結果の値に基づいて、ある値に一致していたらそのまま次のステップに進み、そうでなかったらそのステップは飛ばす、といったことです。
あるいは無条件に指定した場所へ飛ばす場合(go to)もあります。ちょっと戻る形で飛ばして、条件分岐と組み合わせるとループが出来ます。要は繰り返しです。ほっておくといつまでも回り続けるので、終了条件を決めて条件分岐させて終わらせます。
そんなこんなでプログラムを作ってはっきり言えば遊んでいました。たとえばバイオリズム。当時「界隈」での流行だったか、グラフをプリンタに打ち出して感熱紙を無駄遣いしてましたね。誕生日を起点にして、周期の違うサインカーブを3つ書くだけですが、頭の体操には良かったかもしれません。
さて先生はというと、ご自身でHPやらTIやらの電卓を持っていて見せてくれました。逆ポーランドというものがあるのを知ったのもこのときでした。
こんなやつですね。TIのはプログラムを磁気カードに記録することができるというのが売りだったようで「へー」と感心するばかりでした。
HPはすっかりパソコンメーカーというイメージかもしれませんが、就職したら計測器メーカーだったんだなという認識になりました。
TIはいろいろ面白い製品も作っていましたし、今でも電卓もありますが、デバイスメーカーなのは変わりませんね。こちらはその後、大学の卒論などでさんざんお世話になることになります。
話が逸れました。いまのパソコンでももちろんプログラミングは出来ますし、言語も様々なものが選べるのでいい時代ではありますが、選択肢が多いというのは迷うということでもあります。言語とか気にせずに、プログラムにとりあえず触れてみる、ということでは電卓もありではないかなと思います。
マウスもキーボードも派手なGUIもありませんが、プログラムを作って動かしてみて結果を得る、という流れは理解しやすいかもしれません。
マイコンとの出会いー侵入してきたものは
テーマを一つ増やしました。マイコン関係というか早い話が昔の思い出話。どれくらい続くかもわかりませんけど。
中学のころから電子工作が好きでしたが、コンピュータにハマるきっかけになった出来事です。
それは高校2年生のとある放課後でした。もしかすると土曜日の午後とかだったかも(半ドンがわかる人も減りましたかね?)
たまたま一緒にいた友達と二人、物理の先生の部屋をのぞいたことがきっかけでした。なんでのぞきに行ったのかはもう覚えてません。
そこに見慣れないものを見つけます。
そう、あのNECのTK-80です!っていってもほとんど知らないですよねー
当時使われ始めていた8ビットマイコンというものを知ってもらうためのトレーニングキットというやつですね。
これなに?という問いに先生が何か答えたかも憶えてませんが、先生は何やら雑誌を持ってきて、「これを打ち込むとな、インベーダーゲームができるんやぞ」という悪魔のささやき。
「え!?」
先生としては、男の子はゲームに反応するに違いないと言う目論見だったんでしょうが、自分はあまりゲームにはまるたちではありませんでした。それでも、先生の言う「これ」は、単なる数字とアルファベットの羅列にしか見えず、これがなんでゲームになるのか、というのが素朴なギモンでした。こんなわけわからんやつです。
とにかく、先生に「打ち込み」のやり方を教わり、友達が読み上げ、自分が打ち込んで行きました。
そしたら、なんと本当にディスプレイにインベーダーゲームが動き始めたのです!
なかなかのカルチャーショックでしたねこれは。ディスプレイといっても小さいし今のようにカラーでもなく白黒、と言うより緑黒。いわゆるグリーンディスプレイというやつでした。その時は知るよしもありませんが。
そのあと教室に戻ったら、黒板の白いはずのチョークの文字がピンク色に見えていました。ずっとグリーンのディスプレイを見ていたので、補色が見えてたんですね。それも当時は知るよしもなし。
そして、何かが確実に私の心にインベージョンしてきた、そんな体験だったのは間違いない。
お後がよろしいようで・・・すかね?
フロントライン 見えないからこそ
事実を元に作られた映画「フロントライン」を観ました。
非常に見応えのある作品でした。
災害派遣医療チームDMATが、コロナ初期に起きたダイヤモンドプリンセス号の中での集団感染にどう対処していったのか、を現場だけでなく指揮をする側の対応、そしてマスコミの中のことも含めて描いている。
まずは、やはり現場で頑張っていた医療者、そして船のスタッフにお疲れ様と言いたくなる話でした。そして彼らをバックアップするための本部、厚労省や横浜の人たち、DMATの責任者、がどう動いていたのか、マスコミが伝えようとしないことがいろいろとわかって良かったと思う。
描き方もあるかもしれないが、やはりマスコミは責任を果たしていない、果たそうとしていないと感じる。取材記者と上司のやりとりからは、結局視聴率とれるのか、になってしまい、現場に行く記者は苦悩もするのだが、、というややステレオタイプな演出にはなっているが、もうちょっとやるべきことがマスコミにはあるだろうという気がやはりしてくる。船内の主婦の投稿がそれを象徴する。描き方は控えめではあるが「なぜもっと状況が伝わらないのか」という疑問は、この映画を通しての大きな投げかけな気がする。ようやく下船できたこの主婦もインタビューされるのだが、極めてフツーなコメントしか残さない。残せないと言うべきだろう。聞き方の問題でもあるが、その後ろにあるべき意志の問題でもある。
DMATのメンバーだけでなく、船のスタッフも文字通り走り回って対応しているのはメディアからは伝わってこない。むしろ船を下ろされたという感染症専門医の動画を取り上げるなど、分断を助長していると言っていい動きになっている。
はっきり言って、視聴率を言い訳にして、フロントラインに入っていく気はないし、そこで起きていることを伝えようとなどしない。それがいわれのない差別の要因になっていると認めもしない。
医療者側は「目の前の命を救いたい」とみな思って活動をしている。その現場で何が行われ、どう試練を乗り越えているのか、そこにニュースバリューがないなどとは思えないし、それで視聴率がとれないというのも、何かの幻想だと思うし、視聴者ではなく別の方を向いているのではないか、と思ってしまう。
普通には見えてこないもの、ぱっと見では理解しがたいもの、をちゃんと解きほぐして理解させるのが、ジャーナリズムの重要な仕事なはずだ。SNSを見ていると、すでにだいぶ見放されつつある気はしてしまうが・・・
そんな中この映画の意義は大きい。