マーケティングって、宣伝や広告。セミナーの集客、展示会、テレマーケティング、Webマーケティング・・・・

いろいろやってますよね。でもなかなかちゃんとした戦略を立てれるマーケッターって少ないのが現実。

なぜなら

・戦略がなくても商品やサービスが売れるから。

・それでなんとなくマーケティングの施策のおかげもありそうだから。

 

ではマーケティングの戦略ってどんなんでしょう。

 

基本的には、経営戦略と事業戦略に則って作られるべきものです。ここがブレているとターゲットへの訴求がブレてしまいます。

そしてその事業戦略に基づいて、セグメンテーション(S)→ターゲティング(T)→ポジショニング(P)を決めてからいわゆる4P(Product、Price、Place、Promotion)や4C(Customer Value、Cost to the Customer、Convenience、Communication)の整合性を持って立てるのが戦略ですが、なかなかこれをビジっとするのは難しい・・・

 

実際は戦略を練って100%完璧にしてから、じゃー売り出しましょうってならないのが常です。

まずは出してみて顧客の反応を見ないとわからない部分もあるので、戦略が甘かったり、戦略が組織全体に認識が到達する前に、エイヤーと出してしまうのもしばしばあります。

 

実際にサービスをローンチした後に販売していくのですが、最初のうちは、もちろんなかなか売れません。そうすると、ターゲット外の顧客に手を出し始めます。

ターゲット外なのに、営業かけたり、ターゲット外なのに宣伝を出してみたり。

 

集客数や、営業訪問数がKPIに設定するとそれを達成しようとすると、本来の目的を見失ってしまうんですよね。

 

その昔、私もやってしまったことがあります。

 

ローンチしたサービスでどうしても初期ユーザーを確保したくて、ターゲット外のユーザーに手を出してしまいました。

 

うまく受注できて、社内的には、初期ユーザーがスムーズに受注できて盛り上がりましたが、後で考えると、 サービスのメンテナンスコストや、その顧客からの拡張性を考えるととるべきではなかったし、そのリソースをもっと他のターゲット内の顧客に振り分ける方が良かったことが後々になって判明しました。

 

また、こういうことが起こると他のメンバーも「あの顧客はターゲット外ではないんだ〜」と勘違いして、ターゲット外の顧客にアプローチを行い、ターゲットの境界線がどんどん広がっていきました。

そして、販促の広告やセミナーもターゲットが曖昧なためメッセージに鋭さがどんどんなくなっていき最終的にサービスがグロースできなくなりました。

 

サービスのマーケティング的には大失敗でした。

 

確かにターゲットの境界線は難しいですが、ターゲット外の顧客をとるようになるのであれば、その時点でマーケティング戦略を練りなおす必要がありますし、マーケティング戦略についてしっかりと現場メンバーに認知してもらいターゲット外だということを認識してもらわないといけません。

 

まあ大体が、できなくて後で大幅に戦略変更しないといけなくなるんですがね〜

 

この時の学びは、マーケティング戦略をきっちり構築し、サービスの統一されたコンセプトを守るのがマーケッターの重要な任務だと思いました。

 

営業や現場の人は、基本早く売れればいいですが、マーケッターは長期的に見て、サービスのブランド価値が向上し、グロースする責任を追っています。

といつも自分に言い聞かせている感じです。(苦笑)

 

どの会社でも営業戦略を立案して、現場の営業にお客に対して、今期の予算を達成させるのか考えさせているのではないでしょうか。

その際、顧客分析に基づいた営業戦略が練られている会社は、少ないのが実情です。

 

例えば、私が所属しているIT業界では、顧客ごとの売上ABC分析を実施し、優良顧客とそうでない顧客を分け、優良顧客に対する営業を強化することは、よく見受けられます。

 

しかし、大抵の企業が売上ABC分析をしただけで、終わっている状況です。それだけで現場の営業に顧客に対する営業戦略を考えろと言ってもなかなか難しいのではないでしょうか。

 

ABC分析も、もう一歩踏み込めば、営業にとって有効な情報になりえます。

 

図のように顧客を売上ごとにABCランク分けるだけでなく、利益ごとのABC分析を足してクロスで状況を見てみます。

 

そうすると、売上が高くても利益が低い顧客、利益が高くても売上が低い顧客もいることがわかります。

 

①   売上が高いが、利益が低い顧客

この顧客群は、業務負荷が高いが利益がもたらされていないことがわかります。そういう顧客は、優良顧客ですが、営業方針として、利益率を高める方策が必要です。価格交渉するなり、利益率の高い商品やサービスを優先的に提案するなどが営業戦略に組み入れなければなりません。

 

②   利益率は高いが、売上が低い顧客

この顧客群は、売上が低いからといって優良顧客から外していけません。

優良顧客になりそうな顧客群の中でも利益率が高い顧客から、優先的に注力していく必要があります。

売上規模が増えれば増えるほど、顧客の価格交渉は厳しくなるので、利益率の高い顧客から売上拡大を目指す必要があります。また売上規模が出るような商品やサービスを優先的に提案することを営業戦略に組み入れる必要があります。

 

③ 売上も低く利益率も低い顧客

この顧客は、わけありの顧客です。状況を営業側でしっかり把握し、極力こういう顧客は取らないようにしていく指導が必要です。

 

これらのデータをもとに、他の商品やサービスのクロスセル、アップセルのシナリオを検討し営業の武器としてもたせてあげる必要があります。

 

単純に営業に営業戦略を考えろと言っても、なかなか良いプランが出てこず、いまいちだと嘆く前に、しっかり武器も提供してからその武器を使ってどんな方法で戦うかを考えさせないとよい営業戦略が出てきません。

 

営業戦略は、マーケティング側から顧客分析をしっかりしないと無駄な分析や、無駄な営業が増えていくので注意が必要ですね。

 

 

 

昨日、日本マーケティング学会の主催するセミナーで、オイシックスの奥谷さんが講演するセミナーに行ってきました。

 

 

 

奥谷さんは無印良品で、デジタルマーケティングを手がけ、現在はオイシックスの統合マーケティング部の部長でいらっしゃいます。

 

デジタル化することにより、顧客はよりサービスや商品の体験に時間や労力をかけれるようになったことと、データが取れるので顧客のインサイトからサービスや商品へのフィードバックができるようになってきたとのこと。

 

今までは、何を買ったか、どんなサービスを使ったか、わからなかったが、何を検討して何を買ったか、もしくは買わなかったかがわかるようになったのが重要ですね。

 

今後はデジタルマーケティングという言葉がなくなっていき、マーケティングが統合されていく時代とおっしゃってました。

 

その他、実際の企業の事例をいくつか紹介しながら、最新のマーケティングについて説明いただきました。

 

実際の企業の事例が聞けるのは、とてもタメになりますね。

 

デジタルだと叫んでいるマーケティングの時代は、あと数年で終わり、統合型のマーケッターが生き残っていくとのことでした。

 

 

 

 

 

日本は、営業の時代からデジタルマーケティングの時代に入ったと数年前に感じました。今の時代はマーケティングが最も大事な時代になっていると思っています。

 

これには、原体験があります。

 

今から5年ほど前、とあるITのサービスで、営業兼マーケティング的なポジションで、サービスの立ち上げをしていました。その頃のマーケティングは、ちょうどSNSやYouTubeを使ったマーケティングがBtoBにも登場し、デジタルマーケが流行りだした頃でした。

 

その中で2つのやり方で顧客へのアプローチをしていました。

 

1つは、アウトバウンドのテレセールス。

これは、ターゲットを決め、トークスクリプトを作りテレセールスできる会社にお願いし、ターゲットへテレセースルでアポイントを取るやり方でした。アポイント率はだいたい5%〜10%ぐらい、そこからの商談率は、10%ぐらいでした。年間に1,500社近く電話を行い、訪問は150社近く1年間で訪問しました。それで受注は2件程度。新規開拓としてはまあまあな数字です。

この活動では、営業部隊、外部へのテレセールスの依頼などかなりのコストを使いました。

 

もう一方は、今でいうコンテンツマーケティングです。

お客様に事例に出てもらい、カタログを作って、PDFでホームページからダウンロードできるようにしました。合わせて、新聞各社にニュースリリースを行いました。そこでの引き合いはなんと10社以上、そしてそこから受注が生まれたのです。

 

この活動で使ったコストは、一人のマーケ担当者とあとは事例作成、ニュースリリースの段取りなどかかりましたが、微々たるコストでした。

 

1件受注に関するコストは、10倍以上の差があり、この時1件1件回る営業より、マーケティングを駆使した方が絶対に効率がいいと感じました。

 

皆さんもそうですよね。

一昔前は、よく来る営業に「これって最近どうなっているの?」と聞いていたと思いますが、今はとりあえずググりますよね(笑)

営業よりも分野によっては顧客の方が詳しい時もあるぐらいです。

 

営業は、「情報の非対称性」という武器で武装し顧客と商談をしてきましたが、すでに情報については、顧客側でも、ほとんど変わらない情報を入手することが可能です。

 

そうすると、情報をどのように顧客へ届けるか、情報元の操作で商談が決すると言っても過言ではなりません。

営業がいくら優秀でもマーケティングがしっかりしていなかったら、受注率はどんどん下がっていくと思います。今はマーケティングが情報をコントロールし、しっかり営業をサポートするマーケティング主導の時代になっていくと思っています。

 

そういう時代は、あと数年かかるかもしれませんが、必ずそういう時代になると思っています。

 

 

よくマーケティングとはって?って言いますよね。

 

私も今までマーケティングの定義って何?とよく聞かれました。

さてマーケティングの定義は世の中どうなっているのでしょう。

 

①  日本人の大好きなピータードラッガー氏

『マーケティングの理想は、販売を不要にすることである』

出典:マネジメント【エッシェンシャル版】基本と原則

 

②  次はマーケッターの大御所、フィリップ・コトラー氏

『マーケティングとは、製品と価値を生み出して他者と交換することによって、個人や団体が必要なものや欲しいものを手に入れるために利用する社会上・経営上のプロセスである』

  出典:コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント(第12 版)

 

③  セオドア・レビット氏〜、リルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく穴であるという名言を残した人ですね。

『マーケティングとは、顧客の創造である』

出典:マーケティングの発想法

 

 

④  アメリカマーケティング協会

マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。

 

⑤  日本マーケティング協会

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。

 

 

様々ありますね。

 

はっきり言ってどれも正しいです。

マーケティングの概念は幅が広いので、ある前提を置かないと、定義しきれないのがマーケティングです。また時代によって、概念が少しづつ変わっていっています。

『マーケティングとはなんですか?』と聞かれたら、『前提はなんですか?』と問い返さないとマーケティングの定義について認識が擦り合うことはほぼ難しいでしょう。

 

でもまあいろいろな定義がありますね。

 

私は一番これがしっくりきますけど

『売れる仕組みを作ること。そして売る全責任を負うこと』ですかね。私からすると営業も一つのチャネル(マーケティングミックスでいうところのPlace)なので、マーケティングの一部な気がしている今日この頃です。

 

 

 

はじめまして

 

本日より、変化の激しいマーケティングとテクノロジーについて、つらつらと書こうと思っています。

 

マーケティングとテクノロジーって変化が激しいですよね。

 

そんな変化をログとして残していけたらと思っています。