銀龍妃 華 です。

 

 

 

昨日は朝から、ひどい雨風だった。

 

寒くて、冷たくて。春の嵐ってこんなに泣きたくなるようなものだったか。

 

まるで、外には一歩も出てはいけないと言われているようだと思った。

 

その通りに、参拝者は1人もおらず、時折、思い出したように電話がなるくらいの静寂ぶりだった。

 

そんな状況でも、考えなければならない案件、業務は山ほどあるので、

突風が吹いて、建物が軋むたびに外を見ては、ため息が漏れていた。

 

 

 

最近は天気が良いと、ひっきりなしに人が訪れている。

日本人と神社の関係性については、紀元前より奥深くDNAに刻み込まれているのかもしれない、なんて思いながら

日々眺めていた。

 

 

 

この雨はいつまで続くのだろう。

 

このような天気は別段珍しくもないのだが、いっそうナーバスにさせた。

 

 

夕方ごろから天気が良くなることは天気予報で知っていたから、徐々に雨が弱くなってきた時、

天気予報より早かったなと思った。

 

夕方4時を過ぎた頃、西の空から信じられないほどの速さで、東に雲が引いていき、

金色に輝く光が、少しづつ広がった。

 

こんな瞬間を目の当たりにした感動が何ともいえない高ぶりを伴って、思わず目が滲んだ。

 

金色の光はどんどん大きくなって、雨に濡れた御社殿を眩しいほどに神々しく照らしていった。

 

さっきまでの雨の中では、想像もできない光景だった。

 

20分くらいのことだったか。

 

 

 

ああ、きっと大丈夫だ。そういうことだ。見せられた。

 

 

唐突にそう思って、まずは一番近い人に話したいと思った。