書籍発売日 12/26 | 「あとは緩和」といわれたら

「あとは緩和」といわれたら

少量抗がん剤治療(がん休眠療法)で
元気に長生きを目指す ー


この度,
『がんは引き分けに持ち込め』(セブン&アイ出版)

上梓(じょうし)することになった.

12月26日(土),全国書店にて発売予定.

ちなみに1,200円(税別).

電子書籍版は少し遅れての発売になるとか.




全てを書き切るとはいかなかったが,

当院のがん診療の考え方や治療の実際,治療成績などを
ざっくりとまとめることができたように思う.


思えば,
私が癌研の先輩医師の故・土屋繁裕先生の
がん相談所を引き継いでから10年が経過した.


その後,がん相談所の“精神”は
現クリニックで継承されることになったが,

実は,当院で行っている
低用量抗がん剤治療は,土屋繁裕先生が
“遺して逝かれた”ものでもある.

当時,
「三好!シスプラチンが10mgで効くぞ!」
と言われた時は,

「土屋先生ともあろう人が何を馬鹿なことを」と

正直思っていた.


ところが,
土屋繁裕先生の死後,診療を引き継いだ患者さんの中に,
標準量の1/10のCAF(シクロフォスファミド+
ドキソルビシン+5FU)を1回投与しただけで,

酸素投与から離脱し,ホスピスを退院してきた
患者さんがおられたこともあり,

疑心暗鬼の中,
とりあえずやってみるか,と
自身でも1/10の抗がん剤投与を何人かの
患者さんに試みてみた,というのが

私の低用量抗がん剤治療の事始めである.

すると,確かに
1/10量の抗がん剤で
がん制御が得られる症例が存在することを
自ら体験することになった.

その時の驚きと,「少量で何故?」という戸惑いは,
今でも鮮明な記憶として残っている.



さて,
土屋繁裕先生の急逝から10年.

その節目に上梓できることに,
どこか運命的なものを感じている.


よろしかったら一読を.