RIKEN‐NKT細胞療法の当院での導入を前に,
患者さんへの説明用のスライド(図)を作ってみた.
RIKEN‐NKT細胞療法は,α ガラクトシルセラミドで
“人工的にNKT細胞を活性化させる”というところが肝で,
あとは,派生して様々な免疫活性を惹起するという流れだ.
文章にすると以下の様になるのだが,やはり視覚的な方が
わかりやすいよね.
【RIKEN‐NKT細胞療法の6つの働き】
① 樹状細胞を成熟させる
樹状細胞は,成熟していないと抗原提示細胞として機能しない.
本来の獲得免疫能力を取り戻す.
② アジュバント作用
NKT細胞によるIFN−γによるアジュバント効果.
キラーT細胞,ヘルパーT細胞,NK細胞,マクロファージetc.
を活性化して,免役システム全体を底上げする.
③ がん細胞を直接攻撃
MHC発現していないがん細胞も攻撃可能.
つまり,抗原提示細胞による抗原提示がなくてもがん細胞を
攻撃できる.
いる.
④ 免疫抑制を解除する
NKT細胞には,がん細胞が作る免疫を抑制する物質をキャッチ
する受容体がない.がんの産生する免疫抑制マクロファージを
抑制する.その流れで,制御性T細胞が抑制される.
つまり,がんを助けている免役を抑えることになるので,
がん制御として機能する.
⑤ 血管新生阻害
活性化したNKT細胞は,VEGF放出を抑制して血管新生阻害を
行う.
⑥ 免疫記憶作用
NKT細胞が産生するIFN−γの作用で,長期の免疫記憶が形成
される.
→だから,4回の点滴投与で終了.
何コースも繰り返す必要がないのがいいね.