「あとは緩和」といわれたら

- 診察室からの独り言,その他いろいろ −

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当院の少量抗がん剤治療の導入には,

医学的適応条件が2つ.

社会的適応条件が1つ.

合わせて3つの条件がそろうことを必要としている.

 

まず,医学的適応条件は,

① 自ら治療希望の意志があること.

② 当院まで元気に通院できる体力があること.

 

この2つがあれば,

当院でのなんらかの治療行為,診療行為が

医学的には可能と考えてはいる.

 

少量抗がん剤治療の場合,

多少なりと合併症,併存症が存在しても,
治療導入の間口が広いのは事実であるが,

 

少量で“効く”ということは,

逆に少量で“悪さ”もするということでもあり,

やはり最大限の注意が,治療には必要である.

 

そして,もう一つ,−これが重要なのだが,
社会的適応条件としての
③ 地元主治医の確保, である.

少量抗がん剤治療で見られる副作用の96%は,
CTCグレード0-1なので,その対応に関しては,
ほとんど当院外来での対応が可能なため,
地元の主治医に迷惑をかけることはまず無いであろう.

しかしながら,病態の急激な進行,急変など,
何時何が起こるかが予想がつかないのも
がんという病気の一面である.
 

だから,がん診療では囲碁の布石の様に,
起こりうることを想定して,常日頃から
地元の医療機関との関係を構築しておくことは

最重要課題の1つと捉えていい.


町中の小さなクリニックでしかない当院では,
病態進行時,急変時の救急対応が難しく,
そういった際には,地元の主治医の
ご厚意に頼らざるをえない.

この地元主治医の確保という社会的適応条件は,
医学的適応条件よりもむしろ重要な位置づけにあり,
故に,ダブル主治医体制が確立出来得ていない
患者さんは治療に入る事が難しい.

以上,当院治療導入における適応条件の3つです.