DeNA
100 000 000 00 1
000 000 010 01x 2
中 日 (延長11回)
(D) 小林寛、H大原、H加賀、H菊池、長田、Hソーサ、●大田-鶴岡
(中) ブラッドリー、岡田、マドリガル、H岩瀬、○浅尾-谷繁
本拠地のナゴヤドームで行われたDeNAとの2連戦の2戦目は、ドラゴンズが6月5日のオリックス戦(ナゴヤドーム)以来、今季3度目のサヨナラ勝ち!
現状、クライマックスシリーズ出場権を争っている相手に連敗だけは免れて、辛うじて3位の座を死守しました。
延長戦までもつれ込んだ3時間55分の熱戦にケリをつけたのは、この日スタメンを外れていた大島のバットでした。
1-1の同点で迎えた延長11回、DeNAは7番手の大田がマウンドに上がって先頭の森野がサードへのボテボテの内野安打で出塁。
続く平田はストレートの四球を選んで無死一、二塁のチャンスを作るも、谷繁が送りバントを一塁側に転がして三塁封殺でランナーを進めることができず。
ところが、次のバッターは途中出場の岩崎というところで2球目のスライダーをキャッチャーの鶴岡が逸らして、記録は捕逸で労せずしてランナーがそれぞれ進塁。
一塁が空いたところで岩崎は敬遠気味の四球で歩かされて、1死満塁という一打サヨナラのチャンスで代打に大島がコールされました。
バッターボックスに向かう前に監督に呼び止められて助言をもらうと、カウント1ボール1ストライクから3球目のフォークをにバットを合わせました。
打球はサードの山崎のグラブを弾くと内野を転がって、三塁ランナーの平田がホームイン。
タイムリー内野安打は大島自身、プロ入り初のサヨナラ打となってドラゴンズが劇的な勝利を収めました。
今季、左肘の違和感で1試合だけ欠場していた大島でしたが、不振によるスタメン落ちは初めて。
オールスターにも出場しながら後半戦が始まってわずか2試合目でスタメンから外されるという不動のリードオフマンに成長した大島が味わった屈辱を自らのバットで晴らす意地の一打になりました。
相手のバッテリーミスで谷繁のバント失敗が帳消しになったのが大きかったし、内野が前進守備になったことでサード強襲の内野安打という形になりましたね。
スタメン落ちが発奮材料となったのは間違いありませんが、大島の課題はチャンスに弱いことだったので、満塁という場面でヒットが出て今季初の勝利打点となったのは明日以降につながるでしょう。
大島のスタメン落ちはショック療法みたいなもので、ドラゴンズを引っ張ってもらわないと困る選手なので、またスタメンに復帰するでしょうね。
本人としては初めてのサヨナラ打にも素直に喜べる気分では無かったかもしれませんが、後半戦の奮起を促したいところです。
延長11回表に5番手として登板した浅尾に勝ち星が付いて、去年4月22日の広島戦(マツダ)以来1年ぶりの勝利をマークしました。
4番のブランコに万を持してぶつけて、2ストライクと追い込んでおきながらショートへの内野安打で出塁を許して、浅尾は今季初ヒットを許しました。
それでも中村をフォークで空振りの三振に仕留めると、1死から代走で起用された内村を谷繁が刺してランナーがいなくなりました。
最後は荒波から外角のストレートで空振りを奪って2者連続の三振で結局、3人で相手の攻撃を片付けました。
ストレートの最速は147㌔ながらも、コントロールさえ間違えなければ浅尾が打たれることはありません。
これで浅尾は今季初登板から4試合連続無失点となって、頼れるセットアッパーが戻ってきたのがドラゴンズにとっては何よりの明るい話題です。
浅尾のナゴヤドーム自身16連勝というのは球団記録をさらに更新して、2010年から4年がかりで継続しています。
オールスター休みはリフレッシュすることもできたし、後半戦でフル回転してもらいたいですね。
先発のブラッドリーは制球が定まらずキャッチャーが構えたミットとはかけ離れたところばかりに投げて、四死球と暴投を連発。
初回に山崎のタイムリーであっさりと先制点を失ってしまい、たまらず2回で代打を送って降板。
そんな中、2番手として登板した岡田が5回を投げて2安打無失点と好投して1点差のまま終盤を迎えることができたのが逆転勝ちを呼び込みました。
マウンドに上がった直後の3回表にモーガンのバント安打とブランコのセンター前ヒットで1死一、二塁のピンチを招きましたが、中村をセカンドライナーに打ち取って飛び出した二塁ランナーもアウトにして併殺が完成。
すると、4回以降はDeNA打線をノーヒットに抑え込んで完璧なロングリリーフを披露してくれました。
6月25日の阪神戦(富山)でもブラッドリーが降板して2番手の岡田が4回を無失点に抑えましたが、ロングリリーフなら岡田に任せろという感じですね。
今季はセ・リーグトップの42試合に登板して先発からロングリリーフ、セットアッパーまでいろんな役割を果たしてフル回転の岡田。
投手陣の中で今季、開幕から1度も2軍落ちを経験していないのは岩瀬と岡田だけなので、4年目のシーズンが飛躍の年になっています。
ブラッドリーは来日中の父親が観戦している中で早々とマウンドを降りてしまい、こんな投球内容では外国人枠の兼ね合いもあって次回の先発は考えられないので、岡田にまた先発する機会が巡ってくるでしょうね。
8回からはマドリガルが3番手で登板して、山崎にヒットで出塁されるもモーガンを三振ゲッツーに仕留めると、9回には連打で1死一、二塁のピンチを招くも後続を打ち取って2イニングを無失点。
延長10回に4番手でマウンドに上がった岩瀬も2死から四球を与えてモーガンにはライト線の二塁打を許しましたが、本塁に突っ込んだ一塁ランナーをタッチアウトにして得点を阻止。
岩瀬は今季5ホールド(6HP)目を記録して、2回以降は失点を与えなかったリリーフ陣の好投が光りました。
打線は、8回に2死ランナー無しからの3連打で同点に追いついて、後半戦に入って17イニング目にしてようやく得点を記録。
2死一、三塁から5番の森野が起死回生の同点打を放って、試合を振り出しに戻しました。
森野は4打数3安打の活躍でチームの勝利に貢献して、今季3度目の猛打賞を記録。
今季の森野は右投手に対しては打率.321と打ち込んでいるのに対して、左投手に対しては打率.157大の苦手にしています。
この日の森野も3安打はいずれも右投手からだったし、6回には2死二塁という場面で左腕投手の大原が4番の和田を敬遠して森野で勝負してファーストゴロに倒れたシーンはそれを象徴しているようでした。
DeNAの中継ぎ陣には左投手が大原一人しかいなかったのが幸いしましたが、右相手と左相手では別人のようにバッティングが変わってしまうのが今年の森野の特徴です。
試合には勝ったから良かったものの、思わず首をかしげてしまうようなおかしな采配が何ヶ所も見受けられました。
まずは1点を追う7回裏、1死から谷繁がセンター前ヒットで出塁して続く堂上直にはバントを命じて1球失敗したところで、ネクストバッターズサークルにいた高橋周を代打で起用。
DeNAもすかさずピッチャーを菊地に代えて、高橋周は初球を打って大きなセンターフライに倒れましたが、これではカウント1ボール1ストライクから代打に出された選手が可哀想です。
送るなら送る、打たすなら打たすでハッキリさせないといけない場面だし、采配に迷いが生じているようでは選手たちも困惑してしまいます。
そして、代打に出た高橋周に代えてショートに岩崎を使ってしまいましたが、これも選手のコマを一つ無駄使いしてしまいました。
高橋周は2軍で何度もショートを守っているのだから、ここはそのまま守備に就かせて岩崎をベンチに残しておくべきでした。
結局、9回裏に2死ランナーなしでマドリガルが次の回はマウンドに上がらないのに代打要員がいなくなってそのまま打席に立つしかなくなってしまったので、こないだも同じようなシーンがあったし、ベンチワークとしては作戦上かなりの問題でしたね。
さらには、8回にクラークの代走として松井雅を起用したはいいものの、同点に追いついた後のファーストを守る選手がいなくなってしまいました。
仕方なく、捕手の松井雅がそのまま1軍、2軍を通じて初めてとなるファーストの守備に就きました。
ところが、9回の1死一、二塁というピンチでサードゴロに打ち取って5-5-3の併殺が完成かと思われるも、ファースト・松井雅の足がベースから離れてセーフに。
次のバッターのファーストゴロは松井雅が体で止めてアウトにして事なきを得ましたが、普段から練習もしていないのに誰でもファーストを守れると思ったら大間違いだし、それだったら内野手の岩崎をベンチに残しておくべきでした。
延長10回には2死一塁からモーガンに二塁打を許すも、平田からの返球を中継に入った松井雅がバックホームして本塁でタッチアウトに。
急造一塁手にしてはよくやった方ですが、もう一人の捕手の田中は去年ファームで一塁手としての出場が8試合あったので、こちらを使うべきだったでしょうね。
この日は、井端が右くるぶしに水が溜まったということでスタメンを外れて、欠場しました。
どうやら出場選手登録を抹消される見込みなので、代わりに出場する選手の競争になります。
堂上直は1点を追う2回の1死二、三塁というチャンスで空振り三振に倒れましたが、内野が下がってセカンドゴロ、ショートゴロでも同点という場面でバットに当てることもできないのは情けないですね。
井端が離脱するとなれば個人的には岩崎をスタメンで使ってもらいたいし、高橋周のショートもありでしょう。
山崎は2回の2死二、三塁のチャンスで代打として登場して空振りの三振に倒れて、秋山幸二を抜いて歴代単独3位となる1713個目の三振を喫しました。
プロでまだ1勝しかしていないDeNA先発の小林寛を打ちあぐねて6回途中まで無得点に抑えられてしまっているようでは打線の低調ぶりが浮き彫りになってしまうだけだし、良いピッチャーと当たった時に絶望感しかありません。
26日からはカードが変わって、本拠地のナゴヤドームでセ・リーグ首位の巨人を迎え撃っての3連戦。
首位とは13.5ゲーム差も離されていますが、2週間前には3タテを食らわせることができたので、もう一泡吹かせたいところです。
予告先発投手はドラゴンズが大野、巨人が澤村という2011年のドラフト1位同士による同級生の投げ合い。
過去、この二人の投げ合いは大野の1勝2敗ですが、ナゴヤドームと相性の良い澤村をルナを欠いた今のドラゴンズ打線が攻略するのは至難の業でしょう。
澤村に対して通算6打数5安打と相性の良い堂上直をショートで使うのは当然の策として、難敵を攻略したいところです。
自力優勝の可能性が無い以上は今回も3タテするしかないし、巨人戦は5連勝中なので、クライマックスシリーズで対戦する時のためにもドラゴンズへの苦手意識を今のうちに植え付けておきましょう!
