ブログランキング 　←広くみなさまにお読みいただき、視点を共有できますよう、クリックをお願いします。

選挙に行きましょう。知らない間に殺したり殺されてしまったりするのはごめんです。

～～～

柏崎刈羽原発の6号機のクレーンが折れていたということを、今朝の朝刊と、ヤマボウシさんからのコメントで知りました。「隠蔽するに値する」と広い意味での当事者があわてる強烈な被害があったのですね！

平成１９年７月２４日　経済産業省原子力安全・保安院
平成１９年新潟県中越沖地震における東京電力㈱柏崎刈羽原子力発電所の影響について（第６報）

こちらの資料では、各号炉の被害状況を「放射性物質に関わる事象」とそうでないものに分けて記載していますが、そうした区別は、結果としての放射性物質漏れの有無、および原子炉の構造上、現状把握されている範囲で致命的な漏れをもたらす事象となるものかどうか、ということに過ぎません。

実際に放射線量が検出されないタイプの破壊にカテゴライズされていたとしても、背景にある潜在的な放射能事故の可能性は、事前解析の結果に基づくのみではないのかと疑っています。

すべての原発は、十分な事前解析と安全性の余裕度を持って設計・建設されていると当事者は言います。

であるとすれば、クレーンが折れる可能性、大量の冷却水が沸騰水型の炉から漏れる可能性については、解析で十分起こりえないと検証したはずではなかったのですか？

読売　柏崎原発、放射能漏出の恐れ１３件も…５件は詳細不明 （記事はエントリー後段に引用）では、「原子炉の炉心部分の調査は手つかずの状態で、被害の全容はつかめていない」とはっきりと記されています。

読売が、です。

東京新聞（共同）　炉心の状況、確認は秋以降　地震でクレーン破損の原発
2007年7月25日 21時25分

　新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発６号機の大型クレーンが破損した問題で、東電は２５日、今後の詳細な点検や安全性を確認するめどが立たず、作業が大幅に遅れることを明らかにした。

　原発の心臓部であり、地震による損傷が懸念されている原子炉炉心の点検には、このクレーンが不可欠で、炉心点検作業は当初予定の８－９月からさらに遅れる見通し。同原発ではほかの６基の点検も２６日から始まり、新たな破損も見つかる可能性があるため、炉心の状況を含む被害の全容確認は早くとも秋以降になることが必至の情勢。このため、耐震性の確認や補修工事にさらに時間がかかる見通しで、運転再開の見通しはまったく立っていない。

　経済産業省原子力安全・保安院も２５日、現地で状況を確認。他の６基も速やかに確認するよう指示した。

　東電は同日、原子炉等規制法などに基づき、地震の影響で同原発６号機から微量の放射性物質を含む水が海に流出したトラブルなど４件のこれまでの調査結果を経済産業省原子力安全・保安院に報告した。

（共同）

信頼関係を壊された上で、官庁に報告されたという調査結果そのものを、どうやって信じろというのでしょうか。

「国家の権力の頂点」にあるらしいアベ氏に、関係者の粛清や報道規制による事実隠蔽という不適切な陣頭指揮以外、取れません。また、わたし達はこれからも断層の上に住み続けます。

政治家が変わっても世界は変わらないという人へ、実際の政治は官僚が動かしているから政治家は通常の市民より愚かであっても構わないと思う人へ、地盤は変えられないから少しでもまっとうな「人としての行動」ができる政治家を、官僚は変わらないから少しでもまっとうな「人としての行動」ができる政治家を、選んでみてはどうでしょうか。わたしはそのように思います。

～～～

原子力資料保安室　リーフレット『地震大国に原発はごめんだ』 （PDF）から、世界のM4以上の震源地（理科年表1994年版から作成）の画像をキャプチャします。

太平洋・フィリピン海・ユーラシアの各プレートの重なり合うところにある日本は震源のマークで真っ黒になっていて、列島の形すら見えません。また、つまり国じゅうの随所が断層です。

同じリーフレットから、想定地震力に対する各原発の強度をご覧下さい。

原発そのものの是非を問う以前に、そんなところに世界最大クラスの原発を密集させて建設し平然と安全神話を振りまいている「精神構造」は、諸外国には不気味で理解しがたいものでしょう。

その日本のかつての総理（アベ出現以前には最大の妄言総理と思えたところの）が、日本は神の国、と語ったくらいだから、いざとなれば神が護ってくれるという譫妄に駆られているか、あるいはどうしても大量破壊兵器の原料「にもなる」放射性物質を大量保有したくてならないか、どちらかであろうと想像されているかもしれません。

いずれにせよ、最悪です。

できたらこちらの集会に出向いてみたいと思っています。

原子力資料保安室　イベント情報
緊急集会「想定外」地震が原発を襲った～柏崎刈羽から現地報告～

日時：2007年８月２日(木)午後６時30分～８時30分

会場：総評会館２階大会議室
http://www.sohyokaikan.or.jp/access/

講師：武本和幸（原発反対刈羽村を守る会）
　　　上澤千尋（原子力資料情報室スタッフ）

資料代：500円

連絡先：原子力資料情報室
　　　　TEL:03-3357-3800（ご予約の必要はありません。）

～～～

漏れ出た（噴出した）冷却水の処理は着実に進んでいる、と東電。

どのようにかと言えば、人の手でぞうきんで拭いています。

先端テクノロジーの事故には、生身の人が対応します。

線量が発表通りであることを願います。また、たとえ基準値以下でも、内部被曝の危険性（数日前に引用したように）は厳然としてあり、しかも基準値以下の線量で被害に遭っても、それは国が認めない病です。

原発での「作業員」とされる方の実情については、まず、以下の記事のあと、JanJanのこちらの記事をお読み下さい（『安全神話の闇に葬られる原発被曝労働者』）。

asahi.com 柏崎原発６号機、水ふき取る作業員　核燃料プール公開

2007年07月25日15時04分

　重量３１０トンの巨大クレーンが原子炉格納容器の真上で故障していた――。東京電力柏崎刈羽原子力発電所は２５日、新潟県中越沖地震で被災した施設のうち、放射性物質を含んだ水が外部の海に漏れ出すなどのトラブルがあった原子炉６号機の建屋の内部を報道陣に公開した。

　核燃料を出し入れするなどの作業が行われる区域「オペレーティングフロア」では、地震の激しい揺れで使用済み核燃料の貯蔵プールからあふれた水などを、数人の作業員が紙ぞうきんでふき取る除染作業を続けていた。回収した放射性物質を含んだ水を詰め込んだ１００個以上の袋が並ぶ。

　脇には、厚さ約２メートルの巨大なコンクリート製のふた（総重量７００トン）が横たわっている。

　東電の説明では、６号機は１６日の地震発生時、７月末の稼働に向けた準備・点検中だった。核燃料を装填（そうてん）した原子炉格納容器を覆うコンクリート製ふたを閉める作業の直前だった。このため、車軸が折れて故障したクレーンは、ごみなどが入らないようにシートをかぶせただけの格納容器の真上に止まったままだ。

　公開前の午前７時前にも大きな余震があった。幅３５メートル、高さ６メートル、奥行き１２メートルの緑色の大型クレーンは、余震が続く中、復旧作業を始めるめどはたっていない。コンクリート製ふたや内側の格納容器のふたをつり上げるのに必要な装置で、現時点で炉内の安全を直接確認することができない。

　原子炉内は現在、どのような状況にあるのか。東電担当者は答えた。「原子炉内を循環している水を分析しているが、放射性物質の量は異常値を示していない。核燃料に損傷はないと考えている」

６号機の使用済み燃料貯蔵プール（中央右側）周辺の「除染作業」をする作業員。プールの左側でシートがかぶせられているのが原子炉格納容器。手前に見えるのは回収用の袋＝２５日午前１１時１２分、新潟県柏崎市で

ますます、IAEAも日本を核クラブから引き摺り下ろしたいでしょう。

日経　2007/7/24　ＩＡＥＡ、８月上旬にも柏崎刈羽原発に調査団派遣
　【ウィーン＝桜庭薫】国際原子力機関（ＩＡＥＡ）のエルバラダイ事務局長は24日、8月上旬にも新潟県中越沖地震で被害が出た柏崎刈羽原発にＩＡＥＡ調査団を派遣する意向を示した。調査団はＩＡＥＡのほかに各国の専門家が参加、原発の地震対策に活用できるデータベースづくりを目指す。

　事務局長は日本政府のＩＡＥＡ調査団受け入れを歓迎し、「国際的な原子力安全の仕組みに貢献できる今回の教訓を明確にするうえで重要だ」と説明した。具体的な派遣時期については日本政府側と協議する。(22:48)

日本政府（与党）側も選挙が（それなりに）安泰に終わることを祈りながら、29日の参院選以降まで、この問題での対応や協議のまずさがないよう、あるいはあっても表面化しないよう、汲々としているでしょう。

～～～
沖縄舞踏に盛んに拍手するシオザキなんとか長官、ご自身の属する内閣が沖縄で何をしているか罪悪感はないのだと思い知ります。

時事ドットコム　2007/07/25-18:53 豆記者が塩崎官房長官を表敬
　塩崎恭久官房長官は２５日午後、首相官邸で沖縄県や北海道の小中学生５５人の「豆記者」の表敬訪問を受けた。参院選遊説で不在の安倍晋三首相に代わって応対した塩崎長官は「みんなで『美しい国』をつくりあげよう」と、首相のスローガンをちゃっかりＰＲした。
　豆記者の官邸訪問は毎年の恒例行事。沖縄県西原町立西原小６年の平良棟子さんが沖縄舞踊「かぎやで風節」を披露すると、塩崎長官は盛んに拍手。最後に「いい取材をして、地元にも全国にも伝えてください」と激励、一行を見送った。

この夏休み、シオザキ氏を「表敬訪問」した子どもたちに、周囲の大人がフォローをする必要があると考えます。

子どもたち、あなたたちを誉める政府中枢の立派な大人が、あなたたちと友人を本当はどんな大人になって欲しいと考えているのか、それをこれから、さらにたびたび話さなくてはならないだろうけれど、だからって人間不信にならないで欲しい、まだ世界にはわたし達が希望を残すようにするから、と。

～～～

前出の読売記事全文：

読売　柏崎原発、放射能漏出の恐れ１３件も…５件は詳細不明

　新潟県中越沖地震で被害を受けた東京電力の柏崎刈羽原子力発電所で、放射性物質の放出につながりかねないトラブルが、実際の漏出２件のほかに１３件あり、そのうち５件では詳細が依然としてつかめていないことが２５日、東電のまとめでわかった。

　１３件のうち、排気ダクトのずれや消火配管の破損による水の大量流れ込みなど６件は、同日現在、復旧作業に取りかかれていない。

　原子炉建屋内などの空気を吸い出して主排気筒に接続するダクトのずれが五つの建屋で見つかった。稼働中に被害を受ければ、放射能を帯びたガスの漏出が懸念される部分だが、高所にあるため余震発生の危険から足場を組んで直接点検ができず、今回の地震による放射能の有無など詳しい状況は確認できていない。

　また、１号機では、消火系配管の損傷で複合建屋地下５階の放射線管理区域を含む部分に最大２０００トンの水が流れ込み滞留した。放射性物質の量は検出できないほどわずかだが、これほど大量の水は想定外で、排気ダクトのずれ５件とともに、復旧の見通しは立っていない。

　現実の放射能漏れは、これまでに２件確認された。地震の揺れで６号機の使用済み燃料プールからあふれた水の一部が非管理区域に漏れだし、最終的に微量の放射性物質が海に流出。７号機の排気筒からは、原子炉の緊急停止後の操作手順ミスで、微量の放射性物質が放出された。ただ、原発敷地内や放水口周辺に設置された監視装置では検出されておらず、いずれも人体に影響ない濃度に薄まっていたとみられる。

　使用済み燃料プールからの水漏れは全７基で発生し、２４日までに４か所で除去が完了した。

　東電によると、主な目視による点検は終わり、より細かな部分の点検を現在進めている。同原発には約１２００人の社員が常駐しているが、地震で自宅が被災した社員も少なくなく、「現在は６００～７００人程度しか出勤できない状態」（東電広報）という。

　同原発では、これまでに、この１３件や漏出の２件を含む計６４件のトラブルが確認されている。６４件中には、２４日になって新たに見つかった６号機原子炉建屋のクレーン損傷もあるうえ、原子炉の炉心部分の調査は手つかずの状態で、被害の全容はつかめていない。

（2007年7月25日15時17分読売新聞）

1時間でも早く、選挙へ！よろしくお願いいたします。

（とりあえずガスパーチョさんによる自滅党CMです）

---

トラックバックピープル「安倍晋三」に参加しています。

トラックバックピープル「２００７年参議院選挙　野党共闘」に参加しています。

News for the People in Japan のリンク集に登録していただいています。

3枚のプレートの上に暮らし、漏れた水を人が手で拭く（リーフレット『地震大国に原発はごめんだ』 ）

3枚のプレートの上に暮らし、漏れた水を人が手で拭く（リーフレット『地震大国に原発はごめんだ』）