『昭和元禄落語心中』 こんなに心に突き刺さってくるドラマは久しぶりです。
このドラマだけを取り上げても十分に面白いと思うのですが、私の場合どうしても自分の整体の師匠とのこととオーバーラップさせて観てしまいます。
実は、第1回目が始まって以来、何度かこのドラマの話からブログを再開しようと試みているのですが、毎回支離滅裂な文章になってアップには到っておりません。
それは、結局ドラマの話をしたいのか、自分自身のエピソードを語りたいのかの軸がブレブレになるからです。
オーバーラップしていると感じているのは私の頭の中だけで、いざ言葉にしてみれば、やはり全く違う2つの話ですから同時に語ろうとすれば訳が分からなくなるのは当然のことです…。
師匠と弟子の関係は、親と子・先生と生徒・ライバル…、時に様々な側面を持つ不思議な関係です。
私の場合、『昭和元禄落語心中』の助六のように破門された訳ではありませんが、ある出来事がきっかけで内弟子にまでして頂いた師匠と決別して自分独自の道を歩むことになりました。
それまでの自分の人間関係のほとんどをバッサリ切り捨てた寂しさが無かったと言えば嘘になりますが、その決断を悔やんだことは今まで一度もありません。
それによって失ってしまった物よりも得た物の大きさに時間が経つに伴って気付くことが増えています。離れたからこそ以前よりも理解できるようになった師匠の偉大さと巨大な孤独。
大きな失望を抱え、逃げ帰るような新幹線の中で、それでも自分がこの世を去る瞬間には師匠に感謝しつつ逝くことができるように、今この場を去るのだ、ということは感じていたように思います。もちろん、それまでも内弟子同士で愚痴をこぼし合うようなことはありましたが、この時は陰で納得できない思いを抱きながら、師匠に依存し続けるのは辞めようと思ったのです。
このドラマの助六さんと私が一番違うのは、私の場合その後も師と呼べる存在に恵まれていることでしょう。
運動科学総合研究所所長の高岡英夫先生は、年に何度かその都度講座に申し込んで参加する形ではありますが、偉大なる師であることは間違いありません。私の出身大学はスポーツ科学が非常に盛んだったので、かつて体育学・芸術専門の図書館に入り浸って、高岡先生の御著書を片っ端から読み漁ったのは懐かしい思い出です。
特に初期の高岡先生の著作は、世の中の浅い認識に一石を投じようというギラギラしたというか、尖ったというか批判精神が今よりも強く打ち出されていて、圧倒的に刺激的でありながら、にわかには信じがたいような内容のオンパレード。当時は、まだオウム真理教の一連の事件の記憶も生々しかったですから、私の方も「俺だけは絶対に騙されないぞ」という批判的な姿勢で読んでいたように思います。結果的には、その内容は非常に納得できる部分と「本当かウソかは分からないけど本当だったらスゴイ」部分に溢れており、強く引き込まれていった訳です。もちろん、時を経るごとに「本当かウソかは分からな」かった部分はドンドン本当であることが解ってきております(ただ、まだまだ解らないことも山ほどありますが(^_^;))。
高岡先生の特に初期の著作は「体幹トレーニング」「軸」「腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)」「ハムストリングス」そして、からだをゆるめることの意義といった、今ではかなり市民権を得て常識と言えるものに目を向けさせる先駆的な存在でした。もちろん、以前からあったメソッドに優れた物が皆無だった訳ではなく、その辺もじっくりと論考されています。そして、いざこれらの概念が市民権を得ると、高岡先生ご自身は批判精神を前面に出すよりも、世の中に数多くある優れた文化・スポーツなどと上手く親和しつつ、その中で最も優れていて、普遍性の高いメソッドを教えているんだというスタンスに移行されているのだと思います。この辺のバランス感覚というか、緩急の付け方が見事過ぎて私などは最も尊敬している部分と言ってもいいほどです。
高岡先生が数多い重要な要素の中でも指導上最も強調する「脱力とセンター(身体の軸)」の重要性は、あらゆるスポーツ・身体文化に共通して重要なもので、もちろん私自身が取り組んでいる整体操法と声楽でもやはり上達する上での最重要課題であることは疑いようがありません。
そしてまた、私が今毎年参加している宇都宮第九合唱団でも師と呼べる方々との出会いがありました。その辺は次回、できれば12月1日の演奏会の前に(笑)、更新したいと思います。
久々のブログ更新、長くなりました(^_^;) 最近はすっかり、フェイスブックのお気楽な投稿に慣れてしまって…。
そして、タイトルとは随分遠い所まで来ましたな(-_-;)このドラマのファンの方へ、ドラマの話全然してなくてスミマセンm(__)m
落語のお話だけに話のまくらにしたということで、良いことにするか(笑)
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