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はばたけ! 養護施設出身者

養護施設で虐待を受けて育った者が、その後、社会で生きて行くために歩んだ記録

赤ちゃんポストの情報は、非常に多数提供されているのですが、体調の問題もあるので、とりあえず、その第一弾として今回は私が

「コメントから記事にしよう」

と思った、直接の部分を記事にしておきます。


以下、原文より


2012年11月の地元紙記事の要旨
2009年11月にドイツ倫理審議会(学識者ら26人)が

「新生児を殺害したり遺棄する危険のある女性たちを助けられる見込みがない」

との多数意見を示した。

また政府が民間の研究所に委託した調査でも同じ結論になった。 
また2012年6月に国連子どもの権利委員会のメンバーが、国連のウェブサイトで

「子どもの権利条約」に反するとの見解を示した。

ちなみにこの記事は、当時熊本大にいたドイツ人の准教授に話を聞いたと書かれています。

私は「こうのとりのゆりかご」についての記事を沢山読んできましたので、

それをつなぎあわせていくと次のようになります。
「こうのとりのゆりかご」の初日、

慈恵病院の敷地内で遊ぶ大人と子どもが目撃されていました。

職員はまさかその子がポストに入れられることになると思わず、

ただの光景として見ていたそうです。

たぶんその子が、先日のコメントに書いた

「ここ行ったことあるよ」

と言った子なのです。

親が迎えに来てくれると信じ靴を離そうとしなかったのも、その子のことだと思います。

「ゆりかご」がなかったら自分は死んでいたとは、その子は思っていないと思います。
昨秋のドラマではポストに置かれ、その後養父母に託されたという設定の子がラストのシーンで、

「こうのとりのゆりかご」の職員に「ありがとう」と言っていました。

このシーンをもしも「こうのとりのゆりかご」初日の子が見たらどう思うか? 

腹を立てる可能性もあると思います。

昨秋のドラマで「ありがとう」と言った子と、明日ママでシャンプーボトルを抱えて離さなかった子は同じ子役さんです。私は録画を見直して気づきました。

以前書いた講演会でのことですが、児童相談所の方が、

親の分からない子の中には親がどんな人か妄想する子がいると話していました。

また施設の子たちの会話を聞いていた保母さんが、泣きながら話してくれたこととして、

「僕は親の顔は知ってる」

と、親を知らない子に言っていたと話してしていました。
これらの要素が明日ママに見事に取り入れられていることに、今更気づいてしまいました。

こんなことを思い出したとき、あの抗議は一般人には分からない

奥深いものがあるように思えます。


この情報は、私は全く知らなかったものになります。

この話を元にすると、私が赤ちゃんポストを賛成した理由が、大きく揺らいでしまいます。

ある程度、物心がついてからの場合は、確かに

「ゆりかごがなければ、自分は死んでいた」

とは、ならない可能性は高いです。

これは、私自身も記事で語っていることですが、私自身は

「施設に入れられなくても、自分一人で生きていける」

と、本当に思っていましたので。


ですが、冒頭にあるように


「新生児を殺害したり遺棄する危険のある女性たちを助けられる見込みがない」


とするならば、本当に無力な乳児いたっては、救いがない事になります。

これは、本当に衝撃的な内容でした。更には


国連のウェブサイトで、「子どもの権利条約」に反するとの見解を示した。


となると、国際的にも赤ちゃんポストには、疑問符が持たれているという事なのかも知れません。

赤ちゃんポストのお話については、りさりさんの方でも

「明日、ママがいない」第8話 < 魔王

として、問題を語って頂いています。


ですから私の方からは、私の視点から

皆さんに考えてほしい問題

これを記事にしておきます。


赤ちゃんポストから、特別養子縁組に至る為のシステム作りは、とても大切な事だと思います。

しかし、もう一つ同時に考えて頂きたい問題があります。

それが、私の体験したような

養子縁組は解除する事ができる

という問題です。

特別養子縁組については、確かに家裁の判決が必要で

「簡単に解除できない」

とはなっていますが、これは裏を返せば

「解除できない事はない」

という事につながっています。

また、普通の養子縁組は、もっと簡単に解除できてしまいます。


特別養子縁組は、確かに親を持たない子どもにとっては、一番理想的なシステムになるのですが、まだまだ

「大人の都合」

を認めてしまっている部分があるという事は、知っておいて欲しいと思います。

個人的には、実の親子の絆のように、

原則、特別養子縁組の絆は消えない

こういった形で、

養育者の側に重大な問題があった時のみ、調査の上解除可能

こういった風にして欲しいと思っています。

そして、子どもが望むのであれば、

養子縁組の解除された理由

これは、分かるようにして欲しいです。

そうでなければ、私の体験としても子どもは

「いつまでも悩む事になります」

私も、おそらくの理由は想像で語っていますが、もしかすると

「私の何かが原因で、養父母に愛想をつかされたのでは」

というのは、特に施設の中では強烈に思った事がありました。


これを私からの問題提起として、最後にお伝えしておきます。


赤ちゃんポストの問題については、申し訳ないのですが体調の問題もあり、暫く間が空く事になると思います。

この問題を真剣に考えてくださっている方には申し訳ないのですが、ご了承ください。