旅行記を書いていると、ずっとその旅行のことを考えていられるから旅行の中にまだ身を浸していられるように思います。素晴らしいことだな。

 

子どもがいたので、子どもから知るイタリア文化に触れることも多くあったのをメモとして残しておくよ。

早口言葉とか、鬼ごっことか、昆虫や植物の名前とか。

 

教えてもらった早口言葉だよ


Sopra la panca la capra campa, sotto la panca la capra crepa. 

(ソープら ラ パンカ ラ カープら カンパ、ソット ラ パンカ ラ カプら クレパ)

ベンチの上ではヤギは生き、ベンチの下ではヤギは死ぬ

 

Rが巻き舌なのがむずいよ。ひらがなの「ら」を巻き舌にしてみてね


 

昆虫や植物の名前はインターネットで調べても出てこないんだよ。言葉で聞くだけだったので綴りがわからないのもあるからかな。ボンボローネという蜂、オルテーカという棘のある葉っぱ、ルマゴッチというナメクジみたいなやつとか。


 

 

8/18 展覧会初日

 

朝食時にルカから日本ではAIと教育の関係はどうなっているのか具体的に質問された。

教育現場とAIって、万国共通のトピックなんだ!となぜかハッとした。

 

昼過ぎくらいまでギリギリまで展示会場の設営をした。

作品に価格をつけたり、データを作ったり。



 

途中、文化研究家のイヴォンヌさんからインタビューを受ける。





私の展示した作品は、多摩地域に残る第二次世界大戦時の戦争遺跡(掩体壕)をモチーフにしていたのもあったので説明するのが大変難しかった。けど、海外の人に説明する中で改めて日本って戦争に負けて占領されてた時期もあったんだ!とこれまたなんか改めてハッとした。説明することで自分のバックボーンを自覚することってあるね。






 

それとは別の話。展示のテーマが狼なんだけれど、私たち日本チームからするとオオカミは滅びた存在、神話にも出てくる聖なる存在として扱っているのだけれど、ヨーロッパにおいては害獣なのね。政治的な問題にも発展しているとのことで(日本における熊みたいなものかな)、扱いがデリケートなんだそうな。もうへえ~って感じ。

 







イヴォンヌさんの話によると、今はかなりデリケートではあるけれど古代ギリシア文化では聖なる存在として扱われていたとか。この辺りには共通するものを感じるよね。孤高の存在感あるからかな。

 







 

さて、オープニングは私たち日本人チーム代表者からの挨拶、イヴォンヌさんからの挨拶、そしてダンスパフォーマンスで構成されていました。

 





パフォーマンス、すごくよかった!

誰もスマホを出さないので、なんか悪くてスマホで撮影できませんでした。

でも後から撮影データない?って聞かれたもんだから、堂々と撮影すればよかったな!って後悔したよ。

なので、ダンスカンパニーのYoutubeはっておきます。

このパフォーマンスをみたよ。素晴らしかった。





全てのオープニングが終わった後、ダンサーと話す機会があったのだけれど、彼らのバックボーンに日本の「舞踏」があるということでした。ダンサーの中心メンバーは夫婦で、二人で20頭ものヤギを飼育しながら子育てをしているということで、生活と芸術の在り方に思いをはせたよ。

 



 

そんなこんなで夜は関係者で会食。わいわいしてにぎやかで、最後の夜って感じだった。

 


作家の作品群


azusa s ibata



nose masaki



cristian boffelli



luka mengoni

 

 

で、最後に驚いたこと。

飲酒運転するんだよ、彼ら。

これは本当に驚いた。

飲酒されてたから「大丈夫?」と聞いたらきょとんとされたんだよ。

どうも血中アルコール濃度によって制限が決まっているとか。

 

それもあったけど、アルコールの在り方がなんかエレガントなのよね。

飲酒の仕方がキレイ。変な酔い方する人がいなかった。

酔ってだらしなくなったり変な感じになるのは極めてカッコ悪く失礼なことらしい。

 

その文化はすごくいいな!って思う。日本もそうだといいのになあと強く思ったよ。

 

 

そんなこんなで、スイスの最後の夜でした。

 

台風とか地震とか絶対くるし来るとされているし、そういうのに備えなければいけないっていうのが当たり前の世界に生きてるけど、それって日本だからなんだな、というのは旅行に行って気が付いたよ。


というのも、彼の地の皆さんの大地に対する安心感というか信頼感は半端ないというか、日本に住まう私からすると油断しすぎなのでは?と思うことがあった。



岩岩してる山!


 

例えば、展覧会会場で使わない縦長の箱馬を縦に積み上げるとかありえなくないですか?なんかすごくナチュラルにそういう片付け方をしてこっそり度肝を抜かれてた。地震がきたら一発で崩れるぞ!と思った。彼らには絶対理解されないだろうから言わなかったけど。地盤がしっかりしてる石の国だから地震なんて来ないだろうし来るなんて思ってもみないんだろうな。プレートが、とかなんて思いもしないんだろうな。

 

なんか、日本にはそういう「いつかはわからないけれどいつかかならず絶対に来る」という脅威があったり、台風みたいに目に見えないけど季節が来ると来ちゃう圧倒的な力ってのがあって。備えはするけれどもう来ちゃって壊れたら仕方ないし諦めるしかないな、もちろん嫌だけど!というものが、存外に私たちの心のありようと関係してるんじゃないかと思った。


 

この写真をみてほしい。

 



 

わかるかな?草原的なところはもちろんそうだけれど、焚き木?をまとめて小屋のようにしてるけれど、その小屋さえもデザインされているというかむちゃくちゃ人為的な感じ。角がきっちりしてる感じとか、自然にまかせない感じとか。

 

ほんと些細なことかもしれないけれど、自然に対する対処の仕方というかそういうのがこの写真に現れているんじゃないかって思った。すごくかっこいいけど、日本ではありえない。真似できない。発想すらわかない。もう自然に対する態度や姿勢が根本から違うんだと思わされた。

 

彼らは自然は圧倒的なものではあるけれど、人が介入して形を変えることは可能だと素朴に信じてる感じがした。私たちはもうそのあたり自然に対して無力だし、あまつさえ自然をデザインするなんて思ってもみないというか。


自然によって人間が作ったものがいとも簡単に壊れたり崩されたりすることが当たり前だなっていう気持ちがあるからか(諸行無常!)、そういうところが仏教観に裏打ちされてるのかもだけど、建築物とか古いものをぶっ壊して新しいものを絶えず作ろうとするのかなって思った。


 

 

8/17

朝ごはんはダジオグランデのバイキングで。これは本当に助かったなあ。




果物とかパンをこっそりポケットに入れて、昼ごはんとかにしてましたw

 

 

この日は展示会場をひたすら設営。

 

 

 

 











展示、最初は平べったく並べようとしてたけれど、建物の良さを出す展示があるのでは?とスイス人アーティストの素晴らしいアイデアで動的なパネルの配置になったのでした。

 



見たことない定規「pro one」回転させて伸ばしていくスタイル。便利そうなので買って帰りました。

あと、額の裏を釘でとめるスタイル。おもろいよね。


 

この日もとにかくくたくたになりすぎて、同行者と部屋でグミを食べて慰めあった。

 

夜はアーティスト家族たちと食事会。写真撮れば良かったね、全然覚えてない。疲れすぎちゃってたんだな。

 

庭では明日のパフォーマンスに備えたアーティストたちがリハーサルをしていました。

 




 

 

 

 

私、XとかThredsで今思ってることポストしたい!って思うこと度々あるんだけれど、ポストした後に決まって後悔するからすぐに削除するんだよね。誰かに「知ってほしい!」という欲求と「知らしてどうすんねん(偽関西弁)」という自己反省をいったりきたりするから、そういうのを解消するためにセルフTwitterを開発したの。

 

セルフTwitter、要は単なる小さいメモ帳なんだけど、思ったことや感じたこと知ったことを全部そのメモに書くことにしたの。この旅でね。 海外旅行でもあるから、ほとんどSNSもネットも見れないのもあるんだけれど、このメモ帳(セルフTwitter)がすごく精神安定的にも旅の記録としてもやって良かった。しょうもないことばっか書いてるけど、(「くそ眠い 8/14 13:03」「風呂めんどすぎる8/16 23:00」みたいな)それでもこのメモ帳を見返すと旅の全貌がわかるし、すごく小さいこと、例えば旅の同行者が飼育している蟹が死にそうになってやきもきしている様子とかメモしてないと絶対忘れると思う。覚えててどうすんだって感じだけど、そういうのも全部覚えてたいって思うから、やってよかった。

 

 

さて、旅の続きの話。

食事について少し触れておこうと思う。

 

image

 

これはアイベックスという野生の鹿です。私はどうもこいつを食べたようです。



スイス人アーティストが、ハンターもっやっていて仕留めたアイベックスをジビエやハムにして出してくれたのです。私がご馳走になったものは狩猟されたものだったけれど、普通に野生のものの方がブタや牛と比べると安価で手に入るそうです。ブタや牛はエコじゃないからかな。(育てるのに金かかるし二酸化炭素も過剰に排出させちゃうからね)

エコといえば、ペットボトルがグニャグニャしてた。極力プラスチックを減らそうという意識が感じられた。蓋のネジみたいなところ、あれも極端に短く作られてるものがほとんどだった。


 

ガス入りと普通のやつと謎タイプの水

 

食べ物の話もどります。

レバーでできたサラミ?は独特な臭みもありましたし、ボロネーゼも美味しかったけれど、とても美味しいのだけれど、ずっと遠くに小さい吐き気を感じてた。や、本当に美味しかったんだよ本当に。



クサヤのようにはっきりした吐き気と美味しさのヤジロベーみたいな感じではなくて、すごく遠くに聴こえる吐き気って感じだった。たぶん私は疲れてたんだと思う。



考えてもみたら旅の間に食べた野菜はトマトだけだった。パンとチーズとパスタ、それからフルーツには豊富なバリエーションはあったけれど、野菜の種類はトマト、かろうじてじゃがいもやハーブの類があったくらいだったように記憶している。


 

ペスカノーチェっていう桃が甘くて美味しかった


 

 

8/16


スイス人アーティストの山の家から下山し、ダジオグランデへ。ここが展示会場施設となっています。

16世紀に建設された、交通の要所として当時は税関として機能していた歴史的な施設。今は宿泊もできる文化施設というところ。私たちはその施設に宿泊しながら展示の準備をするという運びになったってわけ。












 

というようなスケジュールって、実は決まったのってほとんど2,3週間前に決まったこと。スイス人の山の家にいくのがわかったのなんてほとんど当日だったんじゃないかな。

というように、イタリア式の仕事って全てギリギリにならないとわからないんだそうな。日本式の仕事は全部スケジュールを時間もふくめてきっちり決めるし、上司にいちいち伺い立てるけれどそういうのもほとんど無いんだって。現場任せみたいな。どっちが良いとか悪いとかはないけれど。

 

 

ダジオグランデに到着したのは13:30ころ。

近くのレストランで食事して、作品を並べたり状況を確認したりしてあれやこれやしてるうちに夕方になって、近くのマーケットで適当な食材(パン、チーズ、ハムとかワイン)を買って簡単な食事したりして。

 

 

 

 

庭でコンサートのようなものがやってたりして、それをぼんやり眺めてたりしてた。

 

 

移動で終わったって感じだったけど、なんかすごく疲れてた。


長くなりそうなのでまた続きます