A.キアロスタミ監督『ホームワーク』を観た。
インタヴューを通して見えてくる子どもたちの多彩な顔と言葉/宿題をテーマにした傑作ドキュメンタリー!/『友だちのうちはどこ?』で高い評価を得たキアロスタミが次に手がけたのは、宿題と学校教育をめぐるドキュメンタリー。イランの子どもたちはいつもたくさんの宿題に追われていると感じたキアロスタミは、自らインタヴュアーとなり、小学校の生徒たちや先生たちへ、「宿題」をめぐって次々に質問をする。「なぜ宿題をしてこなかったの?」「誰が宿題を見てくれるの?」その答えから見えてくるのは、それぞれの複雑な家庭事情。家の手伝いに追われて宿題ができない子。宿題を見てあげようにも読み書きのできない親。そうして徐々にイランの教育制度の持つ問題点が浮き彫りになる。社会への警鐘を鳴らしながら、子どもたちの多彩な顔や言葉を見事に記録した傑作。
イラン・イラク戦争当時の子供達や家庭の状況、そしてイランの教育制度の問題点を浮かび上がらせるドキュメンタリー。
親が文盲だったり、体罰が酷かったりと、子どもたちは過酷な抑圧を受けていた様子が伝わってくる。
映画に出てくる半数以上の子どもが、褒められた経験がなく、「ご褒美」という言葉の意味も知らなかったり、知っていても表層的な理解しかできていないということが衝撃だった。