「去年、香港の新婚夫婦が結婚式に使ったお金は平均26万ドルだ」
26万ドルとなると、日本円で260万円ですよね。
「香港の物価だと高すぎる」、「どうしてそんなに大金使うの」とびっくりする人もいるでしょう。
ま、お金に対しての標準は人によって違うと思いますので、これは放っておきたいと思います。
僕の耳に引っかかったのは以上の物をレポートした香港テレビ局の「婚価」と言う番組のタイトルです。
中国語では「結婚」と読んでもいいのですが、もう一つ「婚嫁」と言う言い方もあるのです。英語で訳してもどうせ「MARRIAGE」になるので、意味にはあまり大きな違いが無いので、深い意味の説明はまた今度とさせて頂きます(どうせ忘れるくせに)。
そして、その「婚嫁」の「嫁」の読み方が「価値」の「価」と同じ読み方なのです。で、「嫁」を「価」に変えて「婚価」にすると…うむうむ、なるほど、「結婚イコールお金」と言う事をおっしゃりたいのですね。
実に、香港の若者達の結婚に対しての価値観は理解できない物だと思います。
結婚したばかりの夫婦と近い将来結婚するカップル3ペアとのインタビューの内容を基にして作られた番組でしたが、中で一番印象強かったのがジャッキーさんのコメントでした。
「僕達がやりたいものは香港の他の若者達とあまり変わらないと思う。とことんこだわって、思い出に残るような式を挙げたい。じゃないとお嫁さんと嫁さんのお父さんお母さんに対して申し訳ない。」
うむうむ、立派でござる。で、その後以下のようなことを言い出しました。
「でも、さすがに25万ドルはきつ過ぎたかもしれない。そのお金を勉強や家のローンに使っていたら、もっと良かったかもしれない」ってオイオイオイ…
そんな発言をするほうがずっとお父さんお母さん、そしてお嫁さんに失礼だろうが。
もったいないんならそんな大金使ってやるな、嫁貰って文句言う奴がどこにおんねん(汗)
「これは僕達の責任ではない、社会が作り出した雰囲気だ、この流れに沿って式を挙げないと、将来皆に見下される」…
イヤ、社会の責任にして欲しくないですね。そして、勝手に自分が想像した流れに彼女を載せないで欲しいですね。
「結婚式のセールスポイントは『人生に一回しか無い』と言う所だと思う。若い時にやっておかないと、将来どんなに頑張ってやりなおそうとしても、取り返しのつかない悔やみになってしまうからだ。だから、頑張って貯金をしないといけない。そして、将来振り返って見ても遺憾を感じない、そんな式を挙げたい」
本当に一回しか無いんでしょうか。
いや、離婚してもう一回別の相手と式を挙げろとは言っていません。
僕のおじいさんは昔おばあさんと中国の田舎で結婚したときは式にも言えないほどの所で「一生の愛」を誓ったそうです。
その後も貧しい日々が続きましたが、おじいさんが65歳の誕生日を迎えた日、二百元もする玉の指輪をおばあさんに渡して、「いつも側にいてくれてありがとう、もうこんな年になっちまったけど、気持ちだけでも受け取ってくれないか」とおばあさんに言ってあげたそうです。
その時のおばあさんはもう涙と鼻水が止まらなくて、その混んだ液体を拭いた手でおじいさんの玉指輪を頂いたそうです。
たとえその結婚式が豪華でなくても、幸せにはなれます。
きっとなれます。
絶対になれます。
二人が本当に相手のことを大事にしているのなら。何回もこのような「式」は挙げられると僕は考えます。
「結婚式」を重く見すぎている途中に、いつの間にか、もっと大切な何かを見失ってしまっているのではないでしょうか。
結婚式の後の「生活」こそが本来の重点だと僕は思います。
頑張って貯金して家庭を作って、お互い支え続けて、一生見捨てたりなんかしない...
結婚式はお互い「これからよろしく」、そして家族達へ「今までありがとう」の気持ちをアピールするイベントだと考えます。
卒業式も大切でしょう。
でも、その後の就職、そして仕事を通じて社会に貢献することこそ一番重要なことではないでしょうか。
これは案外分かる人が多いのですが、どうして「結婚式」になると皆同じパターンで考えることができないのでしょうか。
「結婚式」を「結婚」と同じにしないで欲しいです。
せめて、将来の彼女にはこの考え方を分かって欲しいです。