続き。


LINEでお別れを告げた翌日、

職場に着いてからカバンに入れたはずのスマホがないことに気づきます。


あれ?家に置いてきた?

職場の電話からスマホをならしますが圏外。

やっぱり家かな?うちは電波が悪いので圏外になることよくあります。

でも、なかったら怖いからなーと、昼休みに一度家に戻ることにしました。


家の玄関のドアを開けると、

息子が立っていてスマホを手渡してきました。


「ぜんぶ、見たから」


!!!!


そうだよ、スマホ、ちゃんとカバンに入れた!

こいつ、私がトイレ行ってる間に抜き取りやがった!

そんで、

そんで、


ぜんぶ、見やがった。




「満足?」


「あんたのために別れたのわかった?理解できた?」


腹が立つし、悔しいし、悲しいし、情けないし、許せないし、どうしていいかわからないし。


そのままスマホを持って家を出て職場へ向かいました。

家で食べようと持ってきていたおにぎりを頬張りながら、

鼻水で息出来ないし、涙で視界ぼやけるし。

CDは米津でちょうどLemonだし。


くそーくそーって。


職場着いてから時間まで車で気持ち整えて午後の仕事に挑んだけれど、やってることがガタガタで認知症の利用者さんにどうしたのー?って心配されハグされ、もう!



仕事終わり家帰るのが憂うつでゆっくり帰り支度していると息子から着信あって、

「ごめんなさい」と。


あの子が謝るのは中学生のいまとなっては珍しい。


「わかったよ。帰るから待ってて」


家に帰って何事もなかったようにいつもの親子に戻りましたとさ。


おしまい。


おしまい??


結果として不安が強い息子をより不安にさせてしまった。

私はもう他人と相互関係になることは止めようと誓ったのでした。

色々あってお付き合い始めました。

離婚してから初めての恋人です。

と言ってもLINEがメイン、

会うどころが電話すらめったに出来ません。

夏休みで息子が家にずーっといるから。


ある深夜、

息子が寝たのを確認して通話しました。

30分ほど話したでしょうか、

気がつくといつも開きっぱなしの息子の部屋のドアがほとんど閉まっているのに気がつきます。

慌てて通話終わらせドアをそーっと開けると、

真っ暗い中、息子が立っていて、

「信じられない!」と吐き捨てベッドに入りました。


やっちまった!!!!


こりゃいかん!と息子と話をしました。

お母さんが聞いたことない声で喋ってて気持ち悪かった、と。

そっか、そうだよね、ごめんね、とその夜はそのまま私は逃げました。


次の朝、電話のことには触れず一緒に朝ごはんを食べ、

あれ?もしかしたら寝ぼけてて覚えてない?って都合のいいほうに考えながら眉毛描いてたら後ろからタックルをくらい、極太眉毛になりました。

「気持ち悪かった!」また言われました。


こりゃあ、無理だ。


やっぱりまだ早すぎました。

これ以上進めません。


そうLINEで伝えると、


いまは辛いかもだけど、自分のしあわせは?

息子くんのためにずっと誰とも恋愛しないの?

10年もしたら息子くんはお母さんより大切なひとのところへ行ってるかもよ?


食い下がりぎみでそんな返事がきました。



でも、


でも、苦しんでるのは今なのだ!

10年後は大丈夫だとしても、今、息子は苦しんでる。


息子の今が1番大切。ごめんなさい。

と一方的にお別れ告げ、ブロックしました。


仕事から帰ると息子はほっとした顔をして抱きついてきて片時も離れません。

中学1年でこれはよろしくない。

だけど、ここで突き放すのはもっと良くない。


好きだったんだけどな。



で、怖いのがここから。後半へ続く。

仕事は好き。楽しい。

利用者さんと接するの楽しい。

お話しするの好き。

お話し出来なくても触れたときの穏やかな反応が好き。

みんな好き。

意地悪な方やセクハラな方もいるけど、

いまに至るまでの人生考えると愛おしくなる。


毎日ちゅうちょ見たくヒラヒラ飛び回って困ってるひとや悲しいひと、寂しいひと、私を必要としてくれるひとのところへ。


これは、自己満足なのだ。

この現場はそんなことする余裕はないのだ。


私がいままでの利用者さんのことほとんど覚えてることに驚かれあきれられる。

そんな必要はないのだ、来なくなった利用者さんは終了。もういないから削除でいい。


ダメかい?

誰かの大切な家族を他人の私が覚えていて懐かしんで愛おしく思っちゃダメ?


偽善。自己満足。

職場のひとからの冷たい視線に気づかないフリ。

利用者さんからは「ほがらかさん」って呼ばれる。

仕事、楽しい、毎日、楽しい。



そんな中のハラスメント誘発命令。


自分の存在が必要性がわからなくなる。

生きてるのしんどいなー。


でも、私もある程度は成長したのでちゃんと然るべきところへ行ける。



んで、精神科医へ愚痴って適切な言葉をもらう。


あなたは結婚生活でハラスメントを経験したからこそ人一倍ハラスメントに対して敏感で繊細になっている。

逆に他の職員はハラスメントに慣れすぎて鈍感になっている。

介護なんて日々ハラスメントされている仕事だからね。

全員がハラスメントに鈍い人間になったら利用者さんの痛みに気づけなくなってしまうから、

あなたみたいに敏感な職員は必要だと思うよ。



なんて完ぺき。

他者を落とさず誰かを上げる。


あー、

私、いてもいいのかー。


いいんだね。




まあ、そんなこんなで安全運転に戻りましたとさ。

おしまい。