1月18日、いずみさなえさんの講演を聴いてきました。
いずみさなえさんは、親子のコミュニケーションの助けになる「ひらめくカード」というカードを開発され、リーディング講座もされているのですが、
その必要性を感じるきっかけになったのが、お子さんの不登校でした。

中1から中3まで学校に行けなかった息子さんとの3年間の経験を、今回「我が子の不登校をチャンスに変える↑」~3年間学校に行けなかった息子と私が手に入れたもの~というタイトルの講演で伝えられていました。



40分間の講演はとっても分かりやすく、また想いのこもったもので、聴いていた多くの人が私と同じように心を動かされていたように拝見しました。

その日出会った中で、特に心に残った言葉が3つあります。

●「ぼくの人生、しょぼかったな・・・」
受験して希望校に入学した息子さんは、起立性調節障害という病気になり、楽しく通っていた学校に急に行けなくなりました。
最初はこの病名もわからなかったし、息子さんはもちろん、お母さんであるいずみさんもとても戸惑っていたそうです。
どうしたら学校行けるようになるだろう?このまま学校に行けなくなったらどうしよう・・・?

そんなときに息子さんが
「ぼくの人生、しょぼかったな・・・」
ってつぶやいて一人静かに部屋で泣いていたのを聴いて、
いずみさんの心にスイッチが入ります。

12歳の子に自分の人生しょぼかったなんて言わせてはいけない!
とにかく、何があっても、彼が自分自身のことを嫌いにならないようにしよう!

それから、いずみさんは、彼の自己肯定感をあげるよう、日々いろいろなことを心がけたそうです。
結果、彼は自分を生きる価値のない人間とは思わずに、この時期を乗り越えられたようです。
今は、身体の成長と自律神経のバランスもとれるようになって、元気に単位制の高校に通い、大学受験もしようとされているそうです。

たとえば今の私なら、
人生には選択肢がもっとあるって考えることもできる。
何故なら、いろんな大人がいるって知っているから。
辛い経験をしたからこそ、人の痛みがわかったり、弱い人を助ける活動が出来ている人も大勢いるって知ってる。
大学に行かなくても社会で活躍している人が沢山いるって知ってる。

けれど、自分を思い返してみても、中学校1年生の子どもには、自分の家と学校での出来事が世界のすべてかもしれません。
趣味やお稽古事はあくまでも付属の世界って感じですよね、きっと。
そのお子さんにとって、友だちが普通に行っている学校に行けなくなったっていうのは、人生の終わりって思っても仕方がないとてもとても大きなショックなのだと、改めて感じました。

同時に、ご両親にとっても、自分のお子さんがそういう状態になったとしたら・・・
自分が当たり前に歩んできた道、人が「普通」に歩む道を歩めない我が子を見て、「この子の人生どうなってしまうんだろう」って絶望されることも不思議ではないですよね。

いずみさんは、今、中学校3年間学校に行けなくても、人生なんとかなるなぁって思えているそうです。でも、一緒に向き合えたご主人を含め、初めからそう受け止められたわけではないそうです。
初めての経験ですもの。そう思えなくても当たり前かと思います。

お子さんにとっては人生の終わりだと感じるほどのショックであるということを大人が知ること。

初めての経験の場合は大人でも必ず動揺するので助けが欲しい、ということを、大人が知ること。

大切だなぁと思いました。


●認める=ほめる ではない
お子さんの自己肯定感をあげるのによく言われることは
「ほめる」こと。
どんな小さなことでもいいから、なにか出来たことをほめる。
確かに、とても大事なことです。

でも、起立性調節障害の症状は、息子さんからどんどん出来ることを奪ったそうです。

学校に行っていたときは、
「勉強頑張ったね、すごいすごい」
「遠い道のりを通学してえらいね」

でも、学校行ってからはそれが言えなくなったので、
「家にいても勉強してえらい!」

でも、それはすぐに出来なくなって、ほぼ3年間鉛筆を持たない生活になり、次には
「普通の時間に起きてご飯食べられたね、頑張った!」

でも、それも出来なくなったとき・・・

いずみさんは、この子が生きててくれればそれでいいって、
そう思ったそうです。

だから、スキンシップをとりながら「かわいい、かわいい」って言い続けたそうです。

最初は照れくさくても、お互いにそれに慣れて、出来るようになって。

息子さんにとっては、学校行けなくても、何かが出来なくても、自分の存在を喜んでくれている人がいるって感じられたこと。
これはどれだけ心の支えになっていたかと思います。

いずみさんが「認める=ほめる ではない」っていうのは、何も出来なくても、まるっとその存在を受け止めて、いてくれてありがとうと感謝する。
そういう言葉なのですね。

いわゆる社会に出ると、あなたは何が出来るの?っていうところで価値を見られます。

でも、先日書いた「ごちそうさん」のおばあちゃんのように、
「この子が何をしても可愛くてしかたない」って思ってくれる人が
世の中に一人でもいたら、何かあっても、立ち直るチャンスはあるかもしれないですね。

それがお母さんだったから、息子さんはどれだけ安心したか。

そしてもうひとつ心に残った言葉がありました。

●愛とは安心させてあげること
昨日、いずみさんの講演を主催されたNPO法人に本心理カウンセラー協会の代表理事前田大輔先生が、
「愛とは、”わたしはずっと存在してもいいのね”って相手を安心させてあげるっていうことだ」
とおっしゃっていました。

わーーー・・・なるほどと思いました。

「安心させてあげる」

・・・私は身近な人を安心させてあげられているだろうか?

深い言葉です。

そして、
安心させてあげることは、
自分が安心していないと出来ないですね。




いずみさんがおっしゃっていたこと。

不登校って何がきっかけになるか本当にわからない。
だから、防ぐことはできないものではないか、って思う。
子どもが不登校になったら、
お母さんは、原因さがしをするのではなく、
「当たっちゃった・・・さて、どうしよう」って考えるしかない。
そして、ゆったり子どもが自分で動けるようになるのを「待つ」
この「ゆったり待つ」はとても難しくて、自分を責めていてはゆったり待つことなんて絶対に出来ない。
だから、お母さんの自己肯定感もとても大切なんですよ。


自分で自分を安心させてあげること・・・

お子さんが不登校ということに限らず、
世の中には向き合わなければならない難しいことがたっくさん。

自分で自分、安心させてあげられているか、
そんな言葉で、私も改めて考えてみたいと思います。
皆さんも、もしそんなタイミングを迎えていたら、考えてみませんか?

息子の葛藤と自分の葛藤を抱え、でも自己肯定感は捨てないようにって向き合って向き合って、3年間を乗り越えた今、いずみさんは、この体験から「ギフト」を受け取ったという発信をされています。
自分の成長と、当たり前のことなんてないんだという感謝の気持ちと、親子の絆というギフト。
「強がりではなくて本当にそう思うんです」とおっしゃっていました。

そんな視点は、同じような状況にいるお母さんたちに、いつか私もそう思えるのかもしれないというような、違う視点と希望を与えるのだろうなと強く思いました。

いずみさんのホームページはこちら
「我が子の不登校をチャンスに変える」
 http://www.sanae123.com/


関西在住でしたら、
1/24に不登校生ママのためのカフェタイム
も予定されてますよ。

あ、これも素敵です。
ひらめくカード

私も1月24日には大阪でワークショップを実施します!
自己肯定感と向き合う時間になります。
子どもが不登校っていうわけではないけれど、自己肯定感と聴いてモヤモヤする方、是非ご一緒しませんか?

1月24日新春スペシャルワークショップ


まだ若干名のお席あります♪




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「漢字が1文字ずつ書かれた44枚のカードを使った
個人カウンセリング」
大阪近辺で実施しています。
お気軽にお問い合わせください。



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